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私は、女の子です  作者: 檪井青
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プロローグ

 私の名前は、稲垣龍二いながきりゅうじ。年齢は、15。性別は、残念ながら男の子。


 股間にあるものが、物凄く不愉快ふゆかい。なんで私にはこんなものが付いているのか。毎回、お風呂やお手洗いの度に、死んでしまいたくなる。完全に男にしか見えない体型や顔でなかったらなら女の子の服を着れるのに、どこからどう見ても、筋肉モリモリの厳つい男性の体。3年前から延び始めた髭も、嫌悪感けんおかんしかない。




 どうして私は、女の子として生まれてこなかったのだろうか? 

 


 これが自分でなければ、最高の好みの男性といえる。


 

 ああ、うらめしい。父も三人の弟も、家族みんな同じ体格。なまじ柔道家の家で筋肉質の遺伝が憎い。


 ああ、スカートが着たい。


 フリフリレースに埋もれたい。


 汗臭い柔道着なんて、燃やしてしまいたい。


 稽古なんて、これ以上筋肉質になるのはごめんだ。


 長男で跡取りなんて、ぜ~たい・い・や・だ!!!!

 そんなの、三人の弟の誰かが継げばいいのだ。


 でも意気地のない私は、言うことが出来ずにずるずると、自覚してから早10年。


 今日も、嫌々自宅の道場で門下生と一緒に乱捕りだ。

 でも、やだやだモードでやっていたせいで、受け身に失敗してしまった。

 やばいと思った時には、首に思い切り負荷がかかり、ゴキ! と、不吉な音がした。


 こんな死に方は両親や弟達に不名誉なことで、きっと責任だとか、事故は防げなかったのか等マスコミがさわぐだろう。


 だが、これでこの運命から逃れられると、私は喜んでしまう。


 きっと死に顔は、笑顔!! だと断言出来てしまうところが、余計家族に申し訳ない。


 でも、もう死んでしまっているのだから、どうしようもないだろう。


 なぜ、死んでいるとわかるかだって?


 だって、自分の死体が真下にあるからよ。

 

 そして、目の前に真っ黒なフードをかぶり、これまた真っ黒の服の、大きな鎌を持ったオーソドックスな死神さんがいて、私の体と私をつないでいた光の糸のようなものを、例のものでバッサリと切ってしまいましたとさ。


 さあ、私はこれからどうなるのでしょうか?

 


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