4 遊びに行った先は。
本日、100PV達成です。この小説を読んでくれている皆様方、真に感謝を申し上げます。
四話目です。どうぞ。
さて、少年が出て行った後、薬師の女性―-名前をヒルダと言うが、は溜息をついた。
「はあ~、なにやら面倒くさい感じになってるねえ。」
それもそうだろう、何せ傷ついた異国の少年、それも敵国である黒の国の特徴をはっきりともっているのだから。
正直、最初は適当な理由をつけて、ここから追い出そうと思っていたくらいだ。ここに少年がとどまることができるのも、ディンがそうしたいと希望したのもあるだろう。しかし、
「あんな顔されたら、出て行け、なんて言えたもんじゃないよ・・・」
あの時、心を読んでいた少年はヒルダが何を思っていたのかはっきりわかってしまっていた。その時の感情をけっして口には出しはしなかったが、顔は口以上に物を言う。その時の感情を、ヒルダは察してしまった。
「あの顔は、決して人に出せていい表情じゃない、ましてや子供なんかに・・・」
あの顔を見た瞬間、ヒルダの頭から出て行かせると言う選択肢は消し飛んでいた。あの子と同じように
大切にしようという感情しか浮かんでこなくなった。
「まあ、あの子をこのまま抱えておくことに不安はあるけど、ディンの面倒をみてやってほしいと頼んだ時のあの子の顔は真剣だった。あのままにしておいても大丈夫だろう。」
今のあの子には、支えが必要だ。ヒルダはそう思ったのである。
しかし、ヒルダは大切なことを忘れている。
「あ!あの子の名前、聞くのを忘れていたねえ!」
一方少年たちは、村を出て10分ほど走った所にある、少年とディンが出会った場所へ来ていた。
「どうしてこんなところに・・・」
「ここにはおれのひみつきちがあるんだ!」
「へ、へ~。」
「それでおまえのなまえはなんていうんだ?ずっとおまえってよびたくないからな。」
「じ、自由なやつだな・・・まあいい、それで名前だったな。僕の名前は、アーク。アーク・セルジュークだ。」
「みょうじがあるなんて、へんなの~。」
「そうか?僕のいた場所ではみんな名字を持っているものだったからな。」
「へ~。あ、ついたぞ!ここがおれのひみつきちだ!」
しばらく話していると、ディンが言っている「ひみつきち」とやらについたのだろう。ディンが立ち止った。いったい何があるのかとアークが覗いてみると、そこには洞窟のようなものがあった。
「ここがおれのひみつきちだよ!」
「そうか。」
「む~。なかはもっとすごいんだよ!」
そういってディンは洞窟の中に入って行く。慌ててアークも中に入ると、
「「えっ!?」」
中には、緑色の肌をした醜悪な小人が群をなしていた。
次回、戦闘シーンあります。気合をいれて書きたいと思います。