遊
彼女を退屈させまいととにかく一緒に遊びに行った。
呑めない2人でバーを回ったり、朝までファミレスでコーヒー飲んだり。
カラオケ行ったり、ミンアでボーリングしたり鍋したり、海行ったり、友達に彼女の友達を紹介したり、とにかく色々。
ある日彼女が小さな頃の思い出の場所に行きたいと言い出し、他県まで行った。
幼少期にとても辛い思い出があるそうだが話半分までしか共感できなかった。
話半分というのは、信じられないのは彼女の周りで起こった出来事ではなく
彼女自身がその出来事によって悲劇のヒロインによっているんじゃないか?
と思ったからである。
超金持ちから、ある日いきなり家なき子になった事実はとてもきつかっただろうと思うがそれで人に迷惑をかけていい、周りをふりまわしていい、と言う理屈が分らなかった。
彼女は精神的に強い部分と弱い部分が極端すぎて自分で自分を破壊して行く傾向がある。常人にはとても相手に出来る者ではない。
一緒に居ると楽しいし愛おしかった。僕ならなんとかできると思っていた。
現に彼女や周りもそれを認めていた。
しかし、僕には家庭があるし彼女の事が好きすぎて仕事も遅刻やサボリが目立って来た。