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愛する

 私は心に穴が空いている。 虚しさが心を貫いたのだ。愛されたことのない私は常にそれを抱えている。

 増える薬と夜の逃避行。

 こんな私をだれが愛するのか? その問に答えはでない。いや、出ないで欲しい


「体調はいかがですか」

 女医が優しく問いかけた。 木漏れ日が差し込むメンタルクリニック。

「特に……なにも」 私はいつもこう答える。 「

 辛いでしょう」 女医は言った。

 いつもはカルテを書いて、 「お薬出しますね」だけなのに。

「辛いです」 私から自然と出た言葉と涙に女医は背中をさすった。

「今、エネルギーがないだけです。あなたはあなたになれますよ」


 私は私。


 クリニックからの帰り道、私の心は少し軽く、満たされていた。

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