2/2
思い出しか愛せない
私はホステスだ。 誰のものにもならない。なのに、あの「男」には抱かれても良いと思った。
数学……それは私が私を愛せなかった時の言葉。
私は数学科の彼と知り合った。激しい感情ではなったけれど、静かに恋心は膨らんだ。
あの「男」が漏らした「整数論」。
私は静かな恋心を思い出した。
思い出を選んだ。
あの「男」を愛したわけではない。私は思い出を抱いたのだ。
私は彼を未だに追いかけている。
私が私を愛せなかった時、全てを投げ出しても彼を愛したかった。
ただ、街中ですれ違った時、彼は私には気づかなかった。
それで悟ったのだ。
彼を愛するには幼かった、と。
あの「男」との夜はいつか忘れるだろう。
ただ、また会いたいと思うのは何故だろうか?
私は答えを探している。
完




