揚げ豆腐の罪状:マイナポイントの吸収
大阪府豊中市。時刻は午後8時を過ぎたところだ。
突如、市役所の屋上から、巨大な「喋る揚げ出し豆腐」が演説を始めた。
「市民の諸君! 本日より、日本語の『あいうえお』は有料化された! 今後『あ』と言うたびに、君たちのマイナポイントから50ポイントが自動で没収される!」
街は大パニックに陥った。
「あ……あわわわ!」と叫んだ通行人のスマホからは、チャリンチャリンと絶望の決済音が響き渡る。
「俺のマイナポイントぉぉぉぉ!」
その頃、近所の公園では、大学生の田中が、地面から生えてきた「Wi-Fiを飛ばす大根」とチェスをしていた。
「田中くん、君の負けだ」
大根は葉っぱを器用に動かし、チェックメイトを決めた。
「罰として、君の意識を『2Dのドット絵』に変換し、昨日の晩御飯のカレーの中に転送する」
「待ってください!じゃあ、昨日のカレーの具材はもしかして……」
田中が叫ぼうとした瞬間、空から「2025年最新モデルの電動歯ブラシ」に跨った、時空警察の猫が降臨した。
「おらぁ!そこをどけぇ!」
猫は肉球でレーザーポインターを操作し、街中の景色を「1990年代の格闘ゲーム」の背景に書き換えてしまった。
「止まれ! 揚げ出し豆腐! お前は、2026年用のカレンダーを勝手に『全部、日曜日』に書き換えた罪で指名手配されている!」
「ふん、捕まるものか!」
揚げ出し豆腐は、自身の衣を弾丸のように発射しながら、時速500キロでスカイハイツの壁を駆け上がっていく。
一方その頃、豊中駅前では、全自動で動く「意志を持ったエスカレーター」が、乗客全員を「ブラジルのコーヒー農園」へ直接運ぼうとしていた。
「今なら片道運賃で、コーヒー豆の選別体験もついてきます!」
エスカレーターは爽やかな声で営業をかけている。
田中は、ドット絵になりかけた自分の体を見つめながら、2025年の12月がこれほどまでに「概念の煮込み料理」のようになるとは思ってもみなかった。
ふと見ると、夜空には「月」の代わりに、巨大な「QRコード」が浮かんでいた。
『読み取れ! by自動販売機』とその下には書かれている。
あいつ、元気かな。
それをスマホで読み取ると、画面には一言だけ表示された。
『本日、世界はメンテナンス中です。明日からは、重力が右から左に向かって吹きます。おやすみなさい。』
田中は諦めて、空中を泳いでいたサバの背中に乗り、そのまま家路についた。




