金がねえ
帰国してまず最初に驚いたことには、1年前と比べて日本の物価が非常に高くなっている。米10㎏が7,000円もするのには仰天というよりドン引きである。オーストラリアの有名なスーパーではいつも割引をやっていて、毎週水曜日に割引となる対象の商品が変わるのだが、米が安くなると10㎏で30オーストラリアドルほどで買える。それがだいたい3000円くらいなので、日本の半額以下の値段で買えるというわけだ。もちろん日本のおいしいお米に比べると味はそれほどでもないのだが、物価の高いオーストラリアと比較しても日本の物価は高いと言える。
当然お米だけで物価を比較することはできないのでその他食品類などを例に挙げてみよう。コカ・コーラ2Lが日本だと200~300円くらいだろうか。オーストラリアでは3.5ドルなので、少しだけ日本のほうが安いのか?
マクドナルドのビッグマックは日本だと480円、オーストラリアでは確か8ドルくらいだった気がする。だが、オーストラリアの現在の最低時給は約30ドルなので、1時間働いた場合、日本の最低時給ではビッグマックを2個しか買えないが、オーストラリアでは3個買うことができる。つまり、所得に関する割合で考えると、オーストラリアのほうが物価は安いのだ。
そのほかの食品に関しても大きく値段は変わらないように思う。例外は卵や鶏肉だろうか。卵は1パック安くても6ドルから7ドルで、一般的なものだと10ドル程度するので日本よりかなり高い。鶏肉も胸肉が500gで10ドル程度なので、俺はいつも豚肉を買っていた。豚ミンチは500g6ドルである。オーストラリアで鶏肉は牛肉と同じくらい高価だ。とはいえ給料が高いのでそこまで気になるものでもなく、日常的に購入しても全然懐は痛まない。
まとめると、日本の物価は高い。それは稼げる額に対して商品が高価すぎるという意味だ。
俺はオーストラリアで大した仕事をしていなかった。果物の植込みや収穫という誰でもできる作業をただひたすらやっていただけで、仕事を通しての人間的な成長や知識・技術面の現代的アップデートは何一つしていないと断言できる。それでも日本の最低時給の3倍程度の額を稼いでいた。日本で同じくらいの時給を稼ごうと思ったら、かなり専門的な知識や技術、資格などが必要になるはずだ。
帰国した理由のひとつを言うと、俺が経験したオーストラリアの仕事はほとんどが単純作業だったからだ。日本で仕事していた時よりもはるかにつまらなかったし、今後のキャリアにもならないなと感じた。だからビザを延長せずに帰国した。ただ、給料だけならオーストラリアでの最高月給は日本よりはるかに高かった。多分55万円くらいになるだろうか。(その分体力的にかなりきつくもあった。)
オーストラリアで稼いだお金はいろいろあってほとんど無くなってしまい、でも日本なら物価安いから大丈夫かと思っていたら、意外とそうでもなかった。お金が無くなってしまう前に仕事を見つけて働き始めなくては。