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第83話 友達への説明

 「クゥン! ぷはー! ありがとうクウネル、お陰で生き返ったよ」


 モロ達は、クウネルの作った容器に貯めた水を満足するまで飲んでいた。


 「良かった、良かった。 しかし、私も喉乾いたな。 スライム君達じゃ水分補給にはならないからね。 水分補給にジュースダメ! 絶対! よし、私も飲んでみるか」


 クウネルは自身の両手の平を上に向け、優しく水魔法を発動する。 すると、湧き出るように水が両手の平に現れそれをクウネルは飲み干した。


 「ぐびぐび……ぐびぐびぐびぐび! ごくんっ! ぷはぁぁぁぁぁー美味しぃぃぃ! キンッキンに冷えてやがる! 何これ、亡き故郷の村で飲んでた水より美味しい! こう……何だろう。 前世云うと、水道水を普段飲んでるけどコンビニやスーパーで買ったミネラルウォーターが美味しいやつだ!」


 クウネルは水魔法の美味しさに涙を流した。


 クウネルの亡き故郷の村で飲んでた水も、前世の水道水と比べたら断然水道水の方が美味しく感じる事だろう。


 それ程に、水の管理がされていたインフラの重要さを痛感した。


 「つまり、私の水魔法で出した水は美味い! もう少し飲んどこう。 ぐびぐび ぐびぐび ぐびぐび!」


 「クフクフ、クウネルそんなに飲んだらお腹たぽたぽになるよ? ほら、お前達は昨日クウネルから貰った肉が残ってるから食べて来なさい。 ウォンッ!」


 モロが吠えると、クイーンや群れの狼達は洞窟へと戻って行った。


 「少しは敵意薄れたかな。 薄れたと期待するしか無いよね……だってモロ以外とは会話出来ないし」


 「グルル……さて、友よ。 少し話しをしても?」


 「ぷはー! うん、いいよ?」


 クウネルは水を飲み干し、手の平にモロを乗せて顔の高さまで持ち上げた。


 「クゥン、ありがとう。 じゃあ……まずはそうだね、君は何処から来たんだい?」


 「あー、そっか。 そういえば、出会って友達になってから全然お互いの事話せて無かったね。 んー、まずこの辺が何処かは分からないんだけど……大陸の中央にあった巨人の村に住んでた」


 クウネルの返答に何故かモロは動揺したが、その事にクウネルは気付かなかった。


 「クゥン……そ、そうなんだ。 その、大陸の中央が何処か分からないな。 すまない、私は住んでる周辺の森しか知らないからさ。 それと、巨人とは種族名かい?」


 「うん、そうだよ。 巨大な人と書いて巨人。 祖父が言うには、魔物を狩る戦士の種族らしい。 祖父は今の私と同じぐらいの大きさかな? 両親はもっと小さいよ」


 モロはクウネルと同じ大きさの祖父とやらを想像し驚く。


 「アゥッ!? クウネルと同じ大きさの祖父が居るのかい。 それは……凄いね。 あと、人とは2足型種のようなイメージで良いのかな?」


 「うん、多分? 私が2足型種ってのに似てるなら、あってると思う」


 「クゥン……巨人か。 やっぱり、聞いた事は無いね。 私の知ってる2足型種は、ゴブリン、トロール、オークだけだから。 見た目は、そうだね……クウネルの様に可愛い見た目はしてないかな。 ははははは」


 モロの何処か誤魔化すような軽口にクウネルは頬を赤くし、照れ隠しに手に乗るモロをもう片方の手で叩こうとしてしまう。


 「え?! ちょっと、モロ~! 可愛い何て、照れるじゃーん!」バコーンッ!


 モロは咄嗟に空を飛んで回避し、何とか死なずにすんだ。


 「おっとと、照れて思わず殴っちゃった。 でも、当たって無いからノーカンねノーカン」


 「キャイン!? はー、はー、危なかった。 死ぬかと思ったよ、クウネル。 今の君の張り手でも、私達は死ぬから本当に気を付けてね? 所で、その祖父や両親と住んでた場所から何故1人で?」


 「んー……モロになら、話してもいいかな。実は、私の家族は――――――


 ◆◇◆


 ――――って事で、私の大切な家族は皆死んだの。 何で裏切られたのかも、何で殺されたのかも分からないけど母のお陰で生き残れたって感じかな」


 クウネルはモロに長々と、何故1人でこの森に居たのか話しをした。 祖父、両親、村の巨人達がどうなったのか、実は体が大きくてもまだ2歳だと云う事も説明する。


 巨人以外の亜人の事と、その亜人達が裏切った事。 そして、祖父が殺された事。 人間と云う種族に両親も殺された事。 母が最後に、私を逃がしてくれた事。 そして、帰りたくても帰る家は、故郷はもう無いと云う話しを涙を流す事も無くクウネルは淡々と話した。


 当然ながら、スキルや加護の話しは抜きでモロには説明している。


 クウネルはモロがこの話しを聞いてどう思うか、その事を考える方が辛かった。 それでも話したのは、自身でも気づいてはいないが、クウネルは友であるモロに聞いて欲しかったのだ。


 それはきっと、初めての友達だからだろう。


 クウネルは、話しを黙って聞いていたモロを恐る恐る見る。


 すると、モロの瞳からは大きな涙がポロポロと流れていた。

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