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第57話 飛竜のお腹探検ツアー

 「いやぁ滅茶苦茶焦ったけど、飛竜が丸のみするのが趣味で助かったー」


 クウネルは巨大な飛竜に食われたが、奇跡的に鋭い歯に八つ裂きにされる事もなく丸呑みされた事で生きていた。


 口から喉に押し込まれた先は、巨人のクウネルでも四つん這いになれる程に大きな食道だった。 理由は定かでは無いが、飛竜の体内は少し薄暗い程度で視界は確保できる。


 「ラッキー。 さーて、食べ物落ちて無いかなー? 食堂だけに? なんつってねー、あははは!」


 自暴自棄に落ちたかのようにクウネルは笑うが、実は勝ちを確信しての余裕なのである。


 「気配無かったのにいきなり喰われてびっくりしたけどさ、丸のみされたらもう此方のもんじゃない? だって、酸耐性LvMax持ってるから消化される事もないからね~ん。 中からじわじわと喰い殺してやるよ!」


 ヌルヌルとした食道をクウネルは楽しそうに進む。


 「後本音を言えば、あの素早いウルフクイーンから逃げられて超嬉しいよね~! ひゃっほー!」


 因みに、クウネルに捕まっていたフォレストウルフは飛竜に飲み込まれる瞬間にクウネルから逃げ出そうとし、 運悪く歯の所に逃げてしまった結果咀嚼された。


 「ウルフクイーンさん、私が狼質にしたせいで死んだとか思ってないよね? うわぁ……無事に飛竜の身体から出た時が怖いわ~。 まぁ、今は考えても仕方ないよね。 さーて、そろそろ鑑定といきますかー! こんなにワクワクする鑑定は久しぶりだ~! か~んてい!」


 鑑定を使用した直後、クウネルの頭に凄まじい痛みが走った。


 「あいたぁぁぁぁっ!?」


 ステータス画面


 種族 飛竜王 レジェンド ワイバーン キング


 年齢 220


 レベル 380


 HP 286000/300000


 FP 134000/150000


 攻撃力 200000


 防御力 160000


 知力 100000


 速力 500000


 スキル 竜鱗LvMax. 飛行LvMax. 火耐性LvMax. 魔物食らい. 魔物殺し. 大物食い. 悪食. 王に到達せし者. 隠密LvMax. 大陸を渡りし王. 飛竜の王. 亜神に近づきし者


 魔法 火炎LvMax. 土魔法LvMax


 戦技 爪連撃LvMax. 噛み付きLvMax. 尻尾回転撃LvMax.


 状態異常 負傷中. 出血小. 空腹.憤怒


 「痛たたた、知ってる! この頭痛知ってる! 多分、鑑定さんのLvが上がったっぽいね。 まぁいいや、私のステータス確認は後にしよう」


 頭を抑えながら飛竜のステータスを確認する。


 「おぉぉーー!? すげー! 滅茶苦茶強いじゃん! んん?! 種族名が漢字だ! しかも王?! いやいや、スキルもヤバ過ぎ! 宝の山だ!」


 大興奮でステータスを確認し、食い殺せた時の恩恵を考えると笑みが止まらない。


 「細かい事は良い! 早く、早く喰い殺そう! そしたら、このステータス達は全て私の物だー! ひゃっほーい!」


 食道をスライダーの様に滑って行くと、途中に大きな穴と小さな穴に分かれた。


 「んー? 多分、大きい穴を進めば胃かな? 小さい方はなんだろう。 肺?? 身体の内臓の場所とかよく知らないんだよね。 よし、とりあえず火炎吐いておこう。 火炎! ボァァァァッ!」


 クウネルは薄暗い小さな穴に火柱を突っ込んだ。 幾ら火耐性がLvMaxでも気管に直接火を吹かれれば嫌がらせにはなるだろう。


 真っ赤な炎が気管に吸い込まれると、食道全体が痙攣し大きく揺れ始めた。


 「おーおー、暴れてますなー。 お!? 何かヤバそう、胃にダーイブ!!」

 

 直後、凄まじい風が気管から口に向かって吹き荒れる。 突然の事に驚き飛竜が咳き込んだのだ。


 そんな嫌がらせをしたクウネルは、何かの骨が肉壁に刺さっているのを発見し足場代わりにして降りて行く。


 「ほっ! くっ! ダメだ、爪が立たないから無理か~」


 心臓まで肉壁を切り裂いて行こうとしたが、肉壁がヌルヌルして上手くいかない。


 「このまま、胃まで行って大丈夫かな? あ、刺さった骨を抜いてそこから食い荒らす? ふんっ! よっ! ほっ!」


 ものは試しと、クウネルは少し大きめの骨を掴み無理矢理引き抜いた。 グリグリと動かす度に全体が揺れ、痙攣する。


 刺さった骨を引き抜いた傷口から盛大に血が吹き始めた。


 「あぁ! 美味しい血が! 勿体無い、勿体無い! ゴクゴクゴク」


 クウネルは傷口に吸い付き、血が出なくなるまで飲み続けた。 少女が、飛竜の体内で生き血を啜るという衝撃的な光景だが生きる為に仕方の無い事である。 


 「デリシャス! デリシャース!!」


 恐らく多分、仕方の無い事なのだ。


 「ふぅ、血も止まったし……よし! では実食!!」


 手を合わせてから、おもむろに傷口に顔を突っ込み生肉に齧り付く。


 「ガブゥゥゥッ! ミチミチミチミチ! ブチッ!」


 肉を食い千切ると全体がまた揺れるが、そんな事を気にするクウネルでは無い。


 「モチャ モチャ モチャ……ゴクンッ! ふわぁぁぁ、美味しぃぃぃ! 前に食べた小飛竜何か、この生肉と比べたら月とすっぽんだよぉ!」


 クウネルはこの美味な肉がまだまだ大量にある事を確認し、嬉しそうに微笑む。


 「えぇ? まだこんなに有るんですか? では、遠慮無く! ガブゥゥゥッ!!」


 クウネルが口いっぱいに生肉を食べていると、飛竜王の身体が更に大きく揺れ上下に激しく跳ね始めた。


 「おっ!? ちょっ!! おっわっ! わわわわー!」


 激しい振動で足場にしていた骨が折れてしまい、胃に向かって落ちていく。


 「嘘でしょ?! 私のお肉ーーーーーー!!!」


 そのまま薄暗い穴の底に落ち、当然ながらそこは胃酸の海だった。 しかし、クウネルは酸耐性LvMaxであり当然胃酸等効かない。


 「ぎゃあぁぁぁぁ、胃酸の海だー!  ……って私、酸効かないんだった。 てへっ! さぁて、どうしよっか。 結局、胃まで来ちゃったな。 ここから心臓とかまで行ける? 行けなくない?」


 胃酸の海には、木やら石やら溶けかけの魔物等が沢山浮いている。 竜の身体はどういう原理か不明だが、胃の中も明るく薄暗いだけで視界は確保できた。


  「またまた、ラッキーじゃーん! まぁ、そのせいで溶けかけの魔物をはっきりと見る嵌めになったんですけどね?  うわー、えーんがちょ!」


 クウネルは胃酸の海を泳ぎながらどうするか思案するが、良い案が浮かばない。


 「うーん、選択をミスったかな? でも、途中の小さな穴はギリギリのサイズだったからなー」


 足場にできるような何かを探しにクウネルは泳ぎ続ける。 すると、気配察知に反応が有った。 敵かと身構えるが、今は胃酸の海の中だ。 


 「くそ! 何処だ!? 胃酸の中か? 場所は近い、どうする先制攻撃に火炎しとく?」


 どうするか考えながら様子を伺うが、察知した気配に動きは無い。


 「仕方ない……覚悟を決めて近付くか……」


 察知した気配は、胃の奥の方から動かない様だ。 クウネルは恐る恐る近付く。 そして、ようやくシルエットが見えてきた。


 大きな溶けかけの魔物の上に陣取っているのを確認する。 先制攻撃をするかクウネルが悩んでいると、そのシルエットの主が唸り始めた。


 「グルル……おや、あの飛竜今度は何を食べたのだ? トロールでは無いようだが……」


 「え?! 喋った? 今喋ったよね?! 待って、だって今私の目の前に居るのは……鑑定」



 ステータス画面


 種族 森狼王 フォレスト ウルフ キング


 年齢 130


 レベル 300


 HP 3500/120000


 FP 900/20000


 攻撃力 66000


 防御力 42000


 知力 18000


 速力 80000


 スキル 魔物食らい. 魔物殺し. 殺戮者. 変身LvMax. 連携LvMax. 嗅覚LvMax. 群れを率いし王. 森狼の王. 王に到達せし者. 敗北者


 魔法 風魔法LvMax


 戦技 噛み付きLvMax. 遠吠えLvMax. 引っ掻きLvMax.


 状態異常 飢餓 重症 四肢欠損


 言葉を喋ったのは、フォレストウルフクイーンに良く似た巨大な狼の魔物だった。

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