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第48話 隠された秘密

 ―――――時をまた少し遡り、エルザがクウネルを飛ばした場面へと変わる。


 「あっちゃー! どないする? 今から追っ掛けるん?」


 リュウトが空を見上げながら仲間に問い掛ける。


 「んー、どうしよっかなー……っていうか、コジロウ何で逃がしたの?」


 「人聞きの悪い事言うなよ、マヒル。 油断したリュウトが悪いだろ」


 (ふーん、そっか、わざとか)


 マヒルはコジロウが一瞬動揺した事を見逃さない。


 「ミカちゃんと、此処に向かう前に何か話してたよね? 何言われたの? だって、おかしいよね。 僕達で一番速力が高いコジロウが、あの程度の巨人の動きに追い付けない筈無いよね」


 マヒルに詰め寄られ、コジロウは舌打ちをし目を合わせないようにしながら呟いた。


 「………ちっ。 何でもねぇよ、怪我しないように言われただけだ」


 「いや、わてが言うのもアレやけど……苦しすぎるでその言い訳」


 「どうでもいい。 それより、どうするの? マヒル。 今、此の場のリーダーはマヒルなんだ。 どうするかマヒルが決めて。 じゃないと、逃がした結果をどうにも出来ない」


 「んー?  ルウ君、どういう意味?」


 「不服にも最強の勇者であるカズキの指示を遂行出来なかったと有れば、最悪僕達はマヒル以外殺される。 でも、此処に有る死体でどうにかする事も出来るって事さ」


 (あらあら~? あはは、皆は僕がカズキ君の恋人だと思ってるんだー。 でも、偽装か……それが最良の選択かな?)


 「……マヒル。 すまない、俺のミスだ」


 「んー、コジロウが謝ってくれたし。 誤魔化そっか! ルウ君、お願い」


 「まぁ、わてが油断したのにも原因は有るしな。 これ以上は詮索せんとく」


 「はいはい、じゃあ新作の魔法で髪の色を黒にするから。 コジロウが切り捨てた母親の首持って来てくれる?」


 ルウに指示され、コジロウは息絶えたエルザに手を合わせてから首を斬った。


 「わかった……。 赦せ」


 巨大な首を渡されたルウが魔法を掛け、髪色を変える。


 「ほほいのほいっと、出来たよマヒル」


 「わー! 凄いルウ君! でも、顔が別人だからなー。 よし、此処からは僕が何とかするよ」


 「お? 万能性王様の出番かい?」


 「ふふっ、そうだよー。 あ! 忘れてた、コジロウにリュウト悪いんだけど報告に向かった獣人の兵士さん達皆殺しにして来てくれる?」


 マヒルの遅すぎる報告にリュウトは額を叩いて天を仰いだ。


 「あかーん! 早う言うてや! 行くでコジロウ!!」


 「ちっ……高みの見物してた癖に、判断の早い奴等だ。 すぐに戻る」


 リュウトとコジロウが慌てて、獣人の兵士達を追う。 直ぐに追い付き、皆殺しにしてくるだろう。


 「これで情報は漏れないね~。 ふふっ、本当はコジロウが追い付けない相手なんてカズキ君ぐらいだからね。 さてさて、やりますか~」


 マヒルはエルザの頭を軽々と持ち上げた。 


 「マヒル、それは僕も見てていい事なの?」 


 「んー、ちょっとルウ君には早いかも」


 「同い年だよ!! 分かった、僕は向こうに行ってる。 終わったら声掛けて」


 「ふふっ、はーい。」


 (ちょっと刺激が強いからね。ゴキンッ 性王の変装術をつかってと~。 ゴリゴリゴキゴキ クウネルちゃんのお母さんごめんね~。 バキバキ ふー、こんなもんかな。 お! 似てる似てる)


 マヒルの手の中にはクウネルそっくりの顔をした首があった。


 (記憶通り可愛いなぁ~、本気で好きになっちゃいそうだよ。 やっぱり何処かで会った事あるんだけど……何で思い出せないんだろ?)


 「あ、コジロウにリュウト。 ご苦労様~、ちょうど終わったよー」


 マヒルが偽装を終えたタイミングで、返り血に染まったコジロウとリュウトが戻ってきた。 どうやら、無事に皆殺しに出来たようだ。


 「おぉ、凄いな。 恩に着る、マヒル」


 「お返しは身体で返してね」


 (あはは、コジロウ顔が真っ赤。 可愛いなぁ。)


 マヒルの返答にコジロウは頬を赤く染めながら目を逸らす。


 「う……他で返す」


 「さすがやね、マヒルちゃん。 あ、わても身体で返そうか?」


 「いや、リュウトはいいよ」


 「何でやねーん!!!」


 「ふぁ~、マヒル終わったの?」


 「うん、お待たせルウ君。 じゃあ、カズキ君達の所に戻ろっか。 はい、リュウト。 首持ってね」


 マヒルはルウに渡された大袋に首を入れ、リュウトに渡す。


 「マヒルちゃん、もしかして……わての事嫌いなん?」


 (ふふっ、ノーコメントかな)


 マヒルの無言の笑みを見て、リュウトは苦笑いで応えた。


 「じゃあ、僕が残りの死体燃やすね。 見つかったら面倒だし、獣人の死体の場所も教えてコジロウ」


 「あぁ、問題無い」


 マヒル達は偽装を終えて、巨人の村へと歩き出す。


 (クウネルちゃん、また会おうね。 ……頑張って生き延びてね)

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