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第27話 アスカガルドの別れ

 クウネルは様々な巨人達と交流し、皆に優しくされたクウネルは上機嫌である。


 そんな巨人達の中には、もちろん青年の巨人も居る。 宴の料理の数々を作ってくれたのもその青年の1人だった。 身長は6メートル程と他の巨人よりは身長が低いが、クウネルには大人びて見えていた。


 名前はルート、大昔の大戦で死んだ為見た目は15歳で止まっているがアスカガルドに来てからはもう200年近くは経ってるらしく。 そんな見た目が若い巨人がアスカガルドに大勢いるそうだ。


 それでも、多くの巨人が住んでいるから必然的に此方に来てから結婚したり付き合ったりって事も当たり前に有ると巨神にクウネルは教えられた。


 そんな話しを聞きながらクウネルは遠くで片付けをしていたルートを見ていた。


 (見た目は若いままだし、私も見た目の年齢と魂の年齢が違うし……そんなに気にならないかな。 うーん、茶髪のイケメンで料理が上手って……超お得物件じゃない? よし、ちょっと唾つけとこ。 私は肉食系女子になるのだ!)


 「ルート、くーん!」


 「ん? あ、君は団長のお孫さんのクウネルちゃんだね。 もう、君付けで呼ばれる歳でも無いんだけど。 まぁ、いいや。 どうしたの?」


 「料理凄く美味しかったよ、ありがとう」


 (魂の年齢は年上でも、見た目は青年だ。 君付けでも、えかろう、えかろう、くふふふふ。 おっ、ルート君の顔が真っ赤だ。 こんな美少女に話し掛けてもらえて嬉しかろう)


 クウネルがそんな自意識過剰な事を考ているとルートが近付いて来た。


 「え、あ、そうかい? それは良かったよ。 ははっ、沢山食べてくれるとこっちも作りがいが有るよ」


 ルートはそう言いながら、クウネルの口元を指先で拭う。


 「口元がソースでベッタリだよ、拭いておいで」


 (ルート君のイケメンスマイルが眩しいぜ! あー、恥ずかしいっ! きっと、今の私も顔が真っ赤なんだろう。 ちぇっ、もう少し身体が大きくなってからアタックしてみよう)


 幼子に対する様にあしらわれたクウネルはスゴスゴとバザムの所に戻る。 祖母や皆の顔を見るとニヤニヤしていた。


 「どしたのさクウネル、ルートに振られたのかい?」


 「違う、もん。 もう少し大きくなってからアタックするし」


 『ふふ、クウネルはもう現世に戻るんだからね?  今、彼氏作ったら当分会えないよ?  それに、次に来るのは死んだ時だから今よりもっと大きくなってるさ』


 (え、もう帰るの? お祖母ちゃんに会えなくなる? 沢山の巨人のおじちゃん達とも凄く仲良くなったのに。 ルート君との素敵な出会いもあったのにな……)


 「もう、帰らないといけないの?」


 「そんな顔をしないでおくれクウネル、大丈夫。 私達はいつも巨神様を通してクウネルを見てるから」


 仲良くなった巨人達も、クウネルを沢山励ます。 また必ず会えると、その時は毎日宴を開こうと約束する。


 (そうだよね。 さみしいけど、でも戻らなきゃ。 まだ私の巨人生は始まったばかり何だもん)


 「うん、帰る。 お祖母ちゃんも、元気でね。 皆もありがとう、またね」


 「あぁ、また会えるさね。 あ、トールにこっちに来る時は孫を守って死ぬ様な最後を迎えろって伝えておくれ。 無様な死に様なら、離縁するってね」


 祖父トールに向けて厳しめの伝言をクウネルにお願いするバザムの瞳からは大粒の涙が流れる。


 (お祖母ちゃん、泣いてるじゃん。 初めて会った孫をこんなに可愛がってくれるなんて。 嬉しいなぁ、さみしいなぁ)


 「うん、絶対伝える」


 (私も泣いてるんだけどね)


 「「「「「またな、嬢ちゃん。 直ぐに来るなよ」」」」」


 (皆も泣いてる。 大昔の巨人達は、皆良い人達ばっかりだったな)


 「あ、嬢ちゃん。 ルートはずっとフリーだから、もし現世で良い男が居なかったら此方に来た時に婿に迎えちまいな」


 そうクウネルに教えた巨人は、ルートの父親だ。


 父親の側で片付けをしていたルートがクウネルを見て顔を赤く染めた。 どうやら、ルートもクウネルに対して好意的な印象を抱いていた様だ。


 (ありがとう、お義父さん。 もし、良い出会いが無かったらルート君に猛アタックするよ)


 『ふふ、さて、いいかな? そろそろ向こうに送るよ?』


 「あ! 巨神様。 祝福ありがとうございました。もらった力が無かったらあの子飛竜には、勝てなかったと思います。 お礼が遅くなって、ごめんなさい」


 『ふふ、良いんだよ。 でもね、あの飛竜に勝てたのは僕の祝福の力だけじゃ無いんだよ。 君の中に居る力のおかげさ』


 「え? それはどういう……『さぁ、元の世界に送ろう。またね、僕の愛し子クウネル』


 「じゃあね、クウネル! 大きく強くなるんだよー!」


 「待って、待って! 最後の最後に爆弾落とすのやめてー!」


 光がクウネルを包み込み、次に目が見えた時には自室のベットの上だった。


 「知ってる天井だ……」


 (まぁ、自宅の部屋なんだから当たり前か。 あれ?  夢? お祖母ちゃんや、皆と会ったの夢かい?)


 あれから、両親と祖父が村まで無事に連れて帰ってくれたのだろう。


 子飛竜に噛まれた身体の傷も無く、母が捩じ込んだ薬草が効いたのか何処も痛みは無かった。


 物音に気付いたのか、自室の扉が開くと父ロスが驚いた顔で入ってくる。


 「あ! クウネル! 気がついたか……ママー! クウネルが目を覚ました! 親父も呼んで来てくれ! 大丈夫かクウネル、あれから丸二日も眠っていたんだよ」


 ロスが涙と鼻水を盛大に垂れ流しながらクウネルの方へと近寄ってくる。


 (待って、パパ、やめてー! って、丸二日も眠ってたの!? 6食分も損してるじゃん! ちくせう!!)

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