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第2話 自分語りとゲームスタートした同級生達

 私の名前は狩人 喰(かりうど くう)だ。

 え? ステータスの時に見たって?

 良いんだよ、固いことは。


 私は両親の顔を知らずに、ド田舎で育った。


 家族は祖父の1人だけ。

 名前の喰も、祖父が付けてくれた。


 何でも、無限にミルクを飲み、離乳食をバカ食いしまくる事から名付けたそうだ。


 常に襲ってくる空腹とは、産まれた時からの付き合いらしい。


 普通食になる頃には、祖父が狩ってきてくれた鹿を丸々1頭平らげたらしく。 その時、祖父は窒息する程大笑いしたそうだ。


 優しくて、大好きな祖父だった。

 でも、両親の事を聞いても教えてくれる事は無かった。


 ド田舎に有った小学校に入る前から、突如として祖父に狩りやサバイバルを叩き込まれ始め理不尽極まりない日々を送る。


 その時の祖父は、本当に厳しかった。

 それもその筈、狩猟は命懸けだ。

 もし、熊に出会えば終わりだからね。


 1度見た事が有るけど、只でさえ身長の低い私からすると熊は怪物にしか見えなかった。


 猟銃が有っても、熊とは絶対にやり合いたくないね。


 そんなこんなで、自分の空腹を満たす為、私は小学校に通いながら狩りをする日々を過ごしたんだ。


 狩猟に使えるのは、罠と祖父お手製の槍や弓矢。 それらを駆使して頑張った。 皆は真似しちゃダメだぞ?


 だって……


 あ、ごめん。

 眠くなってきちゃった。


 自分語りの続きは、また今度ね。


 お休みなさい、まだ見ぬ母よ。


 ◆◇◆


 真っ白な部屋から魔方陣の様な物で転移すると、其処は神殿か宮殿の様な広間だった。


 「おお! よくぞ、来て下さいました召喚者様方。私はこの国の宮廷魔術師を務めている者でございます」


 青年や少女達の前に立つ、黒いローブを着た老人が自己紹介をしていた。


 周りには武装した兵士達が青年達を遠巻きに囲んでいる。


 「やれやれ、俺達は神に選ばれた者達だと言うのに何て扱いだ」


 そう愚痴るのは、この選ばれたクラスメイト達の中でリーダー的な存在の星空和樹だ。


 短髪の黒髪で、活発で明るいイメージを持ち、初対面の人にも好印象を与える人柄から高校二年生で生徒会長を務めていた完璧な男だ。


 「あー、あー、言葉はわかるか? 俺達はオリジンの創造神様により使命を与えられた«召喚されし者達»だ。俺の名前は和樹かずき。勇者だ、よろしく頼む」


 「もー、直ぐに和樹君はリーダーシップを取るんだから!! あ、私は結月ゆずきって言います、聖女でーす!」


 和樹に文句を言ってきた女子は、三山結月。

金髪に褐色の肌、何処かチャラチャラしているが顔は間違いなく美人な女子だ。 しかし、聖女言われると首を傾げてしまう。


 「うっす、自分は小次郎こじろう。剣聖っす」


 短く自己紹介した男子は、阿賀小次郎。 坊主な黒髪で剣道部副部長の、ガチガチに堅物で有名な男である。


 「わ、私は光香みかで、す。賢者、です」


目立った特徴が無く、三つ編み黒髪の眼鏡っ娘な少女だ。 良く言えば真面目、悪く言えば脇役である。 名前は天童光香。


 「僕はるう。魔道王、よろしく」


 和樹が嫌いな僕っ子なガキみたいな青年。 黒髪が目元まで伸びてて、表情も変わらず学校では根暗で有名だった。名前は如月潤。


 「わては琉斗りゅうとって名前や!格闘王をさせてもらっとります。よろしゅう」


 関西出身では無いのに、エセ関西弁を話す茶髪の青年。 総合格闘技大会で優勝の経歴があり天狗になっているとして学校の運動部からの嫌われ者だ。 職が格闘王でも、話し方のせいで胡散臭く他の同級生からも煙たがられている可哀想な青年。


 名前は菅藤琉斗。


 「あたちは光里ひかり! よろぴくね! 精霊王使いだお!」


 自称、アイドルの痛い少女。 大きな特徴として、ピンクの髪をドリルの様にセットしツインテールにしている。

 

 名前は丸藤光里。


 「ぶぐふふふ、ひかりたんかわゆす。あ、拙者は於多福おたふくでござる。しょ、職は奴隷使い王でござるよ。」


 次に自己紹介を始めたのは、和樹が本当に嫌いなタイプの青年だ。 だらしなく太った身体に、気持ち悪い喋り方。 職である奴隷使いにも和樹は嫌悪感を露わにする。


 因みに自称アイドルの光里唯一のファンだ。


 (何故、この選ばれし者達の中にこんなのが居るんだ?創造神様のお考えはまだ理解できん)


 次に自己紹介を始めた同級生に和樹は思わず頬を緩ませた。


 「ぼ、僕は真昼まひるって言います! 職は、その職は、性王です!」


 (うん、可愛い! コイツはまひるって名前だが、歴とした男だ。 ただし、男の娘というやつだ。 なのに、このメンバーの中で一番可愛いんだよな)


 和樹は真昼を見て笑みを隠せない。

 他の女子メンバーが見たらドン引きするレベルの気持ち悪い笑みだ。


 名前は小鳥真昼。


 「……ちっ。あたいは小豆あずきだよ。もし、名前の事弄ってきたらぶっ殺すからね! 職は破壊王だよ、何だよ! 何か文句あんのか爺! あぁん?!」


 最後のメンバーであり、学校一の不良だった小豆は兵士達にメンチを切り始める。


 (スケバンだったか? 絶滅危惧種のヤンキー女だな、選んだ職もピッタリじゃないか。 確か、コイツはコマメって呼ぶとキレるんだよな) 


 名前は新井小豆。


 小豆に詰め寄られ、宮廷魔術師の老人が怯える。


 「おい、小豆。ご老人が怯えている、やめろ」


 「あぁん?! さっそく命令ですか?! 勇者様ぁ?!」


 和樹と小豆が睨み合うと、老人や兵士達が慌て出した。


 「お、お待ちくだされ! 大丈夫でございます! 皆様も、召喚されたばかりでお疲れでございましょう。ささっ、こちらへどうぞ」


 老人や兵士達に案内され、和樹達は各一人部屋を与えられた。 部屋の内装はかなり豪華だ。


 地球の文化レベルで例えると、中世の貴族が住む部屋だ。


 「まぁまぁの扱いじゃないか。 くっくっくっ、何たって創造神様に選ばれし勇者様だからな。 真昼以外、余計な者達が居るが。 さて、外も暗いし今日は寝るか。 使命を達成する為、明日から頑張るとしよう。 俺の望みを叶える為にな! ふははははっ!」


 凄まじく大きな独り言を呟く和樹の事を、廊下で警備する兵士達は怪訝な顔で聞いていた。


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