Ep.4残忍なrevanche
執事から拉致及び拘束が完了した旨を受けてまといはガラの悪いニンゲンの男達を連れて監禁場所へと向かっていた。
「おい、女とヤらせてくれるって話じゃなかったのか?」
「お待ちなさい。直ぐに着きますわ。」
「っにしてもとてもそんな雰囲気じゃねぇところだな。」
「貴方達静かにしなさい。」
まといは最愛の人に色仕掛けをして自分から奪った女にやっと自分の立場というものを分からせてやることできると意気揚々であり、男達の問いかけにも適当に返していた。
「さぁ、着きましたわ。それでは少し中で用を済ませてきますので合図をしたら入ってきて頂けます?」
「お、おう。待たされ続けるのもきついから早く呼んでくれよ?」
「…分かりましたわ。それで…中にいる女性は殺しさえしなければ多少手荒でも好きにして頂いて結構ですわ。」
「へへっ、どんな扱いをしても構わないんだな?」
「ええ。結構ですよ。ではお待ちなさい。」
まといは男達にそう告げると扉の外には執事が静かに立っていて指示を出し扉を開けさせる。
そこには猿轡を噛まされ椅子に縛られている莉緒がいた。
「ふふ、やっとこの時が来ましたわね。」
思わず笑いが溢れるまとい。
その笑い声の主を莉緒はキツく睨みつけた。
「まぁ、ワタクシになんて目を向けるのですかこの泥棒猫!
ワタクシの紅様にそのような下賎な体で色目を使い、剰え寵愛を受けるだなんて。穢らわしいったらないわ…。」
「フーッ!」
何を言ってるのかは分からないが喧嘩を売られたことには間違いないので相手を威嚇する莉緒。
「フフッ、ほんとに猫のよう、無様ね。このワタクシに勝てない喧嘩を売るからこうなるんですのよ。
今からでも額を床に擦りつけて誠心誠意の謝罪をして、
紅様をワタクシに返してくださるのなら許して差し上げないこともありませんわよ?」
「フッ。」
まといの問いかけに対し、呆れたような嘲るような表情で返答を返す莉緒。
「っ!こちらが譲歩して差し上げましたのになんて横柄な態度なのかしら!
執事、外で待機している男達を呼びなさい。」
「かしこまりました。お嬢様は如何なされますか?」
「ワタクシは疲れましたので家に帰りますわ。貴方は男達が逃げたり、寝返ったりしないように見張ってなさい。
そして全部が終わったらワタクシに報告に来なさい。」
「承知致しました。」
まといは執事に指示を出すと来た時とは別の扉から部屋を出る。扉の向こうから聞こえる男達の声を背に高笑いをしながら帰路についたのだった。






