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旅人ちゃんの紀行日記  作者: きりん
13/22

人形の街クラフティ―リアの無名の人形

やっぱり1話ずつ投稿するのは長すぎるのかな? 1話ごとにエピソード完結型の書き方してるからどうしても分かりずらくなりそう でも1話が長いからすごいスクロールしないといけない 

 むかーしむかしあるところに3人の少女がおりました



 一人は金色の長い髪を靡かせ白い服に藍色のローブを身にまとい黄金に輝く戦槌を背負い銀色のガントレットを手にはめていた。彼女の碧い瞳が前方の街を見据えながら木製のキャビンを引っ張っていた。

 そして彼女が引っ張っているキャビンには白銀の三つ編みハーフアップツインテールに閉じた瞳、真っ黒なワンピースにワインレッドのケープを着て木製の車椅子に座って魔術書を読んでおり、その対面に淡いオレンジ色のロングヘアに垂れ耳のウサ耳 アクアブルーの瞳にフリルやリボンがあしらわれた可愛らしいワンピースにベージュのマント リュックを背負っていた。


「そろそろ到着するよ! 人形の街クラフティ―リアだよ!」


 そういうラキにキャビンの中で道具の整備をしていたウサ耳少女が顔出して目を輝かせてた。彼女はフィオナ。旅の途中のとある森の中で水霊獣に追い掛け回されていたところをラキが助けたカルブンクロと言う種族の少女である。

 旅の方向が同じだったため、どうせなら一緒に行こうとラキが言い、フィオナもそれに応じて一緒に行くことになった。そしてその目的の場所の一つがこの人形の街クラフティ―リアだった。


 このクラフティ―リアは元々はとある天才人形職人が「ただ精巧な人形を作るのではなく、人間と見まごう如き最高の人形を創り上げたい」と願い、多くの弟子に色々な技術を教え人形作りの楽しさを伝えた。時が経つにつれ徐々に人形職人たちは増えていき最初は小さな集落だったこの場所は立派な街へと変わっていった。それでも最初に残した天才人形職人が残した「誰かのために誰かにとっての最高の人形を作るべし」との言い伝えを今も人形職人たちは守っている。


「やっと着いたの?さすがにちょっと遠すぎるよ・・・。ここになら貴重な魔術書があると思って行くことに賛成したけど、まさかここまで遠いとは思わなかった」


「いやでも! この街はかなり歴史の古い街で人形に関する魔術ならかなり発展していると思いますよ?」


 そうフォローするフィオナにげんなりした様子の銀髪の少女―タギツは手に持った魔術書をぱたりと閉じると懐からパイプを取り出すと火をつけた。パイプを吹かしつつ外を眺めるタギツは前方に見えている人形の街を見ながらいい本があるのかと先行きが不安になっていた。


 人形の街に足を踏み入れると、目の前にはまるで夢の中のような光景が広がっていた。石畳の道の両側には無数の店が立ち並び、どの店も大小さまざまな人形を飾っている。ショーウィンドウには、繊細なレースのドレスを纏ったアンティーク人形が整然と並び、まるでこちらを見つめているかのようにガラス越しに微笑んでいる。

 

別の店では、ふわふわとした手触りのぬいぐるみが棚から溢れんばかりに詰め込まれ、愛らしい表情でこちらに手を伸ばしているかのようだった。さらに奥の店では、石や金属で作られたゴーレムたちが鎮座し、無機質ながらもどこか威厳を感じさせる佇まいを見せていた。


通りを歩けば、人形職人たちの器用な手が針と糸を操り、新たな命を吹き込んでいる姿が垣間見え、店先では修理を依頼する人々が熱心に職人と話し込んでいる。時折、小さなからくり人形がカタカタと音を立てながら動き、子供たちが歓声を上げて追いかけていた。


ラキとフィオナは、そんな幻想的な光景に思わず足を止めた。ラキは興味津々に目を輝かせ、あちこちの店を覗き込む。フィオナもまた、普段は慎重な性格ながら、繊細な作りの人形たちに心を奪われたように息を呑んでいた。


 さらに驚いたのがこの街の人形は動いているのだ。ゴツゴツした球体間接人形が人間の荷物運びを手伝っており、また別の場所ではぬいぐるみが小さな子どもをあやしていたり、またあるところでは人形劇も行われていたが、通常の人形劇のように上から糸で吊るしてやっているのではないく人形自体が動いてお芝居をしているのだ。


「すっごい! 見てターちゃん人形がひとりでに動いてるよ!! あれってどういう原理で動いているのかな?魔術?それとも魔道具かな?」


 興味深々のラキは興奮しながら荷物を運んでいる球体間接人形をまじまじと見た。ギィという金属音を立てながら一定の歩幅で動く人形は次々と荷物を馬車に積んでいっていた。他にもぬいぐるみがたくさんの子ども達を前にして円形の壇上の上で演劇をして、それにあわせて大人たちがセリフをいうという形式の演劇を行っていた。


 そのほかにも人形の店はそれぞれバリエーションがあり、伝統的な美しい人形から最新の技術を詰め込んだ愛嬌のある人形まで色々な人形が並んでおり、そしてそういった人形のお店で人間と一緒に人形も働いていた。


 そんな光景を見ながらラキはキャビンを引き、冒険者ギルドの前までやってきた。人形の街と言われているだけあって冒険者ギルドも人形で出来ていた。なんだそれ?と思うかもしれないが建物の外見が人形そのものなのだ。でかい人形型の建物と表現するのが正確かもしれない。ここも人形の街らしさがうかがえる。


 冒険者ギルドの中に入ると冒険者が大勢たむろしていた。そしてそんな中をギルド職員の狼族の少年が忙しそうに行きかっていた。ラキはずかずかと冒険者ギルドの中に入っていくと受付嬢の有翼人種のお姉さんに話しかけた。


「こんにちわ! すっごい人が多いですね。この街そんなに依頼がたくさんあるのですか?」


「いえ、普段はどちらかというと閑散としているギルドですね。この時期になると冒険者が各地から集まってくるんですよ~ ってもしかしてあなたはラキさんですか!?」


「知っているんですか?」


「それは噂はかねがね。遠くの龍の国で奴隷商を壊滅させたとか王都での騒動を収めて王様に謁見されたとか」


「あはは・・・まあ私がやりたくてやったことですので! それでこの賑わいは何かあるのですか?」


 ラキが聞き返すと、受付のお姉さんは答えてくれた。この時期になると『名もなき人形展』というものが開催される、その人形展は1年に一度だけ行われてこの人形の街だけでなく大陸の各地の人形職人がこぞってこの人形展に出品してくるというのだ。この人形展で優秀な成績を残せたものは将来有望な人形職人になれる、人形職人として確固たる地位も名声も手に入ると言われている。そのためこの日のために頑張って人形を製作する職人が多いのだとか。

 そしてそれは職人だけでなく貴族令嬢や商人、更には人形愛好家までもがこの人形展にやってくるのだ。となれば必然的にその人たちを護衛しなければならないのだがその護衛でやってきた冒険者が今集まっているのだ。


「なるほど! だからこんなに冒険者が多いんだね~ ・・・ん?と言うことはもしかして、冒険者ギルドの中の宿泊部屋って・・・」


「あ、宿泊部屋は全室満室となっておりますね。と言うよりもこの街の宿屋ほとんど埋まってますよ?」


「えええええ!? そんなに混んでるの!?・・・ちょっと泊る場所探してきます!」


 そういうとラキは急いでキャビンに戻るとタギツとフィオナに一言。


「泊る場所ないかも」


「・・・え?」


「ど、どういうことですか?」


 冒険者ギルドから出てきたラキからいきなり泊る場所がないと言われ困惑する二人だったがラキがキャビンを走らせながら説明して二人も状況を理解した。


「タイミングをミスったかな。もう少し外してくるべきだったかもしれないね」


 そういうとフィオナはそんなことないですよ!と反論した。というのも今回この人形の街へ行きたいと行ったのはフィオナだった。この人形の街で行われる名もなき人形展という人形の展覧会をみてみたかったのだ。ラキはノリノリで行こうと言ってくれた。タギツを説得するのは大変だったが、珍しい魔術書があるかもしれないと言って何とか連れてきたのだ。


「とりあえず街中回って宿屋を探すしかなさそうだね。もしとれなかったらキャビンの中で野宿」


「街の中で野宿しなきゃいけないのはさすがにちょっと・・・なんで街の中でまで野宿って感じですよね」


「それじゃあ手あたり次第宿屋を探すね。いっくよ!!」


 そういってキャビンと猛スピードで引っ張りながらラキは宿屋までキャビンを引っ張って部屋が空いているか確認した。そして満室、またキャビンを引っ張って別の宿屋へ、また満室、それを何回も繰り返してようやく空室のある宿屋にたどり着いたラキ達3人は宿屋のなかの部屋にはいるとラキはベッドに寝っ転がった。


「さすがに宿屋取れないかと思った~ ギリギリセーフ」


「おかげさまで宿代が飛んだよ。安宿全部埋まってて高級宿しか空いて無かったとは」


 タギツがそういって見渡す部屋はその言葉の通りとても掃除の行き届いた綺麗な部屋だった。格式高い家具やベッドにこれまた人形の街らしいアンティーク調の人形が窓際の机の上に飾られていた。何故かべっどにはぬいぐるみが置いてあるし。


「さてと、無事宿も取れたことだし。これからどうする?フィオナは名もなき人形展を見に行くんでしょう?その僕は魔術書を売ってる店に入り浸っているよ。ラキはどうするの?」


「私は街を見て回るつもりだよ~。 そのあとは冒険者ギルドに行ってそこで依頼をこなそうかなって思ってるの。実は冒険者ギルドで面白そうな依頼があったからね~」


 ニシシッと笑うラキに少し不安な表情を見せるタギツだったがラキなら大抵のことは大丈夫なのでそのまま好きにさせることにした。 ラキはリュックをベッドの上に置いておくと早速行動に出た。部屋を飛び出したラキを見送りつつもタギツも木製の車椅子を動かして目的の店を探しに行った。


 残されたフィオナも宿屋からでて街へ繰り出した。名もなき人形展は街の中心部にそびえ立つ巨大な建造物の中で開催されているらしく、その周囲は活気に満ちていた。建物はまるで劇場のような豪華な造りをしており、装飾されたアーチや彫刻が随所に施され、屋根には時計塔のようなものが設置されている。入口には大きな看板が掲げられ、金色の文字で『名もなき人形展』と誇らしげに書かれていた。


 建物の前には長い列ができており、家族連れや旅人、冒険者らしき者まで、さまざまな人々が並んでいる。中には抱きかかえるほどの大きなぬいぐるみを持っている子供や、手に人形を乗せて器用に動かして見せている職人の姿もあった。露店も立ち並び、人形のアクセサリーやミニチュアの服を売る店が軒を連ねている。


 扉の開閉とともに、中からは楽しげな音楽や、人々のざわめき、どこかから流れてくる機械仕掛けのオルゴールの音が聞こえてくる。とても楽しげな雰囲気にフィオナは既にワクワクしていた。装飾が施された重厚な扉を開くととても大きな空間が広がっており、そこには多種多様な人形が所狭しと並んでいた。 


 凄まじく精密につくられた手のひらサイズの人形、現代風の可愛らしい人形、更に何の素材で出来ているのか七色に光り輝いている人形や、高さ3mもある巨大ぬいぐるみ、更に家一軒はあるのではないだろうかと思うほどの大きさのゴーレムまで展示されていた。


「すっごい! こんなにも色んな人形が展示されているだなんて。初めてきたけどこんなにも凄いんだ・・・。 それに、どの人形もすごく丁寧に作られてる。」


フィオナは感嘆しながら、一体一体の人形に目を向ける。ドレスをまとった貴婦人のような人形、鎧を着た精巧な騎士の人形、小さな子供のように無邪気な表情のぬいぐるみ・・・どれも作り手のこだわりが感じられた。


「・・・こんなにたくさんの人形があるのに、ひとつとして同じものがないんだね。みんな、それぞれ違う顔をしてる・・・」


 フィオナは展示されている人形たちをじっと見つめながら、心の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。どの人形も、まるで命を吹き込まれたかのように生き生きとしている。


細かく縫い込まれたレースのドレス、繊細な筆使いで描かれた瞳、手のひらほどの小さな関節まで丁寧に作り込まれた精巧な造形――それぞれの人形からは、作り手のこだわりと情熱が伝わってくる。


 優しい微笑みを浮かべる少女の人形は、とても穏やかな気持ちにさせてくれるし、静かに佇む騎士の人形は、今にも剣を構えて動き出しそうな気さえする。どの人形にも、それを作った人の想いが込められている。ただの飾りではなく、まるで作り手の愛情が形になったかのようだった。


「気に入ったかい嬢ちゃん」


 人形をまじまじと見ていたフィオナに人形職人と思しき方が話しかけてきた。どうやら今見ていた人形の製作者らしい。これほどの人形を作るのにどれほど技術を磨いたのだろうか。


「はい! 初めてこのなもなき人形展に来ましたがどれもこれも素晴らしいです!」


「ははは! そういってもらえると職人冥利に尽きるね。そいや初めてこの人形展を見に来たって言ったがならこの人形展が行われるきっかけが何なのか知ってるか?」


「きっかけですか? 確かこの人形展は大陸各地の人形職人たちがその技術を競っているとか。そしてこの人形展で優秀な成績を残した方は人形職人として安泰なんですよね」


「まあそれで間違いではないが、このなもなき人形展はもともとこの地で人形作りをしていた天才人形職人が「最高の人形を見て見たい」といって開いた小さな展覧会だったのさ。最初は天才人形職人本人が人形を展示して、その後そのお弟子さんが人形を展示するようになった。そこから人形を出品する職人が徐々に増えていき、そして現在のこの規模になったってわけさ」


「最高の・・・人形ですか?」


「ああ、まあ遠い昔の人形職人が見て見たかった最高の人形ってのが一体どんな人形なのかはいまとなっては分からないが、俺たち人形職人はこれこそが最高の人形だと思う人形を作りそしてここに出すのが慣習になってるのさ。そしてこの人形展には多種多様な人形職人が出品している、つまりここで認められればおよそ幅広い人々に受け入れらる人形ってことになるだろ?」


「だから皆さんこぞって出されるのですね」


「そういうことった。・・・ちなみにこの名もなき人形展にはこんな都市伝説もあるんだぜ? 人形ってのは基本的に木製か陶磁器、金属製、珍しいのは獣の骨とか魔物の素材でできた人形なんてものもたまに出てくるがかつてこの人形展には”人間を材料にした人形”なんてのが出品されていたってな」


「・・・えっ」


 声を潜めて人形職人が言った言葉に耳を疑った。人間を材料にした人形?


「人間を元にした人形。そいつはユノ・ピグマリオンって言ってな。歴史上10体もいないとされている伝説の人形だ。そいつは人形と言いながらもとは人間だからか意思も人格も記憶すらも持っているまさに最高の人形と呼ぶにふさわしき人形なんだってよ。だが当然のことながら倫理的にダメだからな。今となっちゃ作るのが禁止されている。 そもそも人間を材料にするなんて先人から脈々と受け継いできた人のための人形を作るべしという精神に悖る。人を幸せにするために人形を作るはずがその人間を材料にしちゃ本末転倒だろう?」


「た 確かに・・・」


 人間を材料にする人形ってそれはさすがに倫理的にまずい。


「でだ。 元々は人間だったのにユノ・ピグマリオンという人形にされてしまった元人間の人形は孤独と絶望から名もなき人形展を彷徨い気に入った幼子を見つけては人形の世界に引きずり込んで人形に変えてしまうってな」


「・・・っ!? そ、そんなの・・・本当にいるの・・・?」


フィオナは思わず息をのんだ。先ほどまで魅了されていた人形展の華やかな雰囲気が、一気に不気味なものに思えてくる。辺りをキョロキョロと不安そうに見渡すフィオナに人形職人は吹きだすように笑った


「ぷ・・・っはは! ただの迷信だよ! そんな人形見たことないし、仮に人間を材料にした人形なんてものがあったとしてもそれはとうの昔に失われてるよ。ま、大方言うことを聞かない子供に対する戒めとして作られたお話しだろうよ」


「そ、そうだよね! ただの迷信、ただの作り話・・・!」


フィオナは無理やり笑ってみせたが、声が少し震えているのが自分でもわかった。


「だ、だってそんなの、本当にいたら怖すぎるし・・! だ、大丈夫、大丈夫・・・・そんな人形、いるわけ・・」


 そう言いながらも、背後の展示された人形たちが妙にこちらを見ている気がして、フィオナは思わずビクッと肩をすくめた。展示会場の奥に並ぶ影が、今にも動き出しそうに見えて、心臓がドクンと鳴る。


「・・・い、今、後ろの人形・・・・・・動いてないよね?」


「あははははははッ!! 嬢ちゃんビビり過ぎだって! あ~おっかしい。そんじゃ精々人形に引きずり込まれないように気をつけるんだな」


 そう言いながら去っていく人形職人に「べ、別にビビってなんかないもん!!」と言い返すも、意識してしまうとそわそわして落ち着かない性格のフィオナは動くわけない人形たちの視線にビクビクしながらその場を立ち去った。 


 同じころ人形展の端っこの人の気配がほとんどない所に一人の狐耳の幼女がやって来ていた。家族と一緒に人形展を見に来たが途中ではぐれてしまいこの人形展の端っこまで来てしまったのだ。不安そうに周りを見渡す狐耳の幼女は展示されている人形の端っこにあるある1体の人形になぜか心惹かれた。


 その人形はとても美しい金色のウェーブヘアに黒いリボンをつけ、水色と白のエプロンドレスを着ている。足には白と黒の縞々のニーハイソックスと焦げ茶色に光る靴を履いていた。本物の人間の少女と見間違えるほどの美しい人形が瞳を閉じて椅子に腰かけていたのだ。 狐耳幼女はその美しすぎる人形に見惚れてドキドキしながらも髪の毛を触ってみたりドレスのすそを触ってみたりして、最後におそるおそる人形の手に触れてみた。


「・・・やっぱり人形だよね?」


 そう呟くように言って人形の手を離そうとした次の瞬間―。


「・・・やっときてくれた」


幼女が人形の手を離そうとした瞬間、その指先がピクリと動いた。


「――――ッ!!?」


幼女の耳がピンと跳ね上がる。信じられないものを見たように、大きく目を見開いた。


「遊ぼ?」


その声は甘く、優しく、それでいてどこか悲しげだった。気がつけば、幼女の小さな手は人形の指に絡め取られ、柔らかく包み込まれていた。


「ひっ・・・・・・や、やだっ!!」


思わず振り払おうとするが、人形の手は驚くほど冷たく、それでいて力強かった。まるで決して逃がさないと言わんばかりに、幼女の手をしっかりと握りしめる。その間も泣きながら抵抗を続ける狐耳幼女だったが誰にもその声は届かなかった。まるで誰にも幼女を認識していないかのように。


「どうして逃げるの?」


人形のまぶたが、ゆっくりと開く。透き通るような碧い瞳が、じっと幼女を見つめていた。


「どうして拒絶するの?」「ずっと一緒にいようよ」「怖くないよ?とっても楽しい所いこ?」


 優しく微笑みながらそう語りかけるが絶叫しながら抵抗する狐耳幼女に笑みを消して不満そうに言う。


「どうして嫌がるの?わたしじゃダメなの?そんなことないよね?ずっと一緒にいてくれるよね?ね?」


 人形の声が耳の奥に直接響くように囁く。狐耳幼女の足元から黒い靄のようなものが広がり、幼女の身体を包み込んでいく。


「いやだ!!いやだぁああ!!!パパぁあああママぁあああ!!」


 そういって必死に握られてる手を振りほどこうとする狐耳幼女に悲しそうに顔を歪める人形は

 

「どうしてみんなわたしのこと捨てるの。忘れちゃうの 拒絶するの。嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だずっと一緒にいる絶対に離さない絶対に逃がさない」


 必死に足をばたつかせても、身体が黒い靄に包まれていく。人形の世界へと引きずり込まれるように。


「――ずっとずっと、私の世界にいようね♪」 


後に残ったのは椅子に腰かけて満足そうにしている美しい人形とその近くに落ちている1体のぬいぐるみだけだった。





「それにしても本当に広い建物。迷子になりそう」


 そうぼやきながらもフィオナは人形展を楽しんでいた。

本当に様々な人形が所狭しと並んでいて中には可愛らしい少女の顔なのに体の部分が筋骨隆々の肉体の彫刻が彫られた人形、

片腕は金属製片腕はぬいぐるみのような綿と布足は木製という見事なキメラっぷりを発揮している人形、はてにはスライムを材料に人形をどろどろに溶かした状態みたいな見た目など「これを作った人形職人は心が病んでるのかな?」と思いたくなるような人形もあった。


 そんな人形を見ているフィオナの耳に運営スタッフと思しき声が聞こえた。


「あれ? なんか人形の数増えてないか?」


「気のせいだろ? こんだけ人形があるんだぞ?増えたように錯覚してるんだろう」


「う~ん、それもそうか」


 人形が増えているような気がするという不穏過ぎる言葉が耳に届いたが、まあ勘違いだろうと思うようにしながらふと人通りの少ないエリアがあるのに気がついた。そこは他の場所よりも薄暗く人通りが少なかった。まるでそこだけ存在が希薄かのように。


「こんなところにも展示があるの?」


 フィオナは人形展の端っこにあった人通りがほとんどないエリアの中に入っていく、展示されていたのはこれまた癖の強い人形ばかりでこわもての顔したぬいぐるみや包帯ぐるぐる巻きのミイラみたいな球体間接人形などが展示してあった。・・・ほんとにこれ作った人形職人病んでない?


「う~ん、いろものばっかりだ・・・ん?」


 そんな癖があり過ぎる人形たちのさらに奥にポツンと人形が1体座っていた。美しい金色のウェーブヘアに黒いリボンをつけ水色と白色のエプロンドレスを身に纏い、白と黒の縞々ニーハイソックスと茶色に光る靴を履いた本物の人間と見間違えるほどの美しさをもつ人形だ。


「なんでこの人形だけこんなところにあるんだろう? 明らかに周りから浮いてるし、配置ミス過ぎる・・・・」


 フィオナは周囲から浮いた美しい人形をまじまじと見た。あまりにも現実の人間の少女にそっくりで本当に生きているみたいに見えるがここにあるということは人形なのだろう。瞳を閉じてるし。そのことを不思議に思っているとふとその人形の手元に視線が行った。手元にはかわいらしい狐のぬいぐるみが大切そうに抱きかかえられていたのだ。


 フィオナはその状況に人形職人の言葉が頭をよぎった。冗談として話していたあの都市伝説を


 人間を材料にした人形ユノ・ピグマリオン――。


 その存在は人間を元にしているだけあって人間そっくりな人形で、しかも意思も人格も記憶すらも持っているとされている歴史上10体もいないとされているおとぎ話として語られる人形。そしてそんな人形の1体がこの名もなき人形展を彷徨い、幼子を見つけては人形の世界に引きずり込んでいるという話を・・・


「まさか・・・・・・?」


 フィオナは無意識に口をつぐむ。

都市伝説といえど、あまりにもその状況が現実味を帯びて感じられる。目の前の人形が、まるでその話の中に登場するユノ・ピグマリオンのように見えてきた。


 ――もし、この人形が本当に「ユノ・ピグマリオン」だとしたら?

 背筋を冷たい指でなぞられたような感覚に、フィオナの体は小さく震えた。無意識のうちに両腕を抱きしめるようにして、こわばった指先で自分の袖をぎゅっと握る。それでも、恐怖を振り払うように、必死に自分に言い聞かせる。


——考えすぎだ。ただの気のせい。ただの・・・・・・

しかし、どうしても拭えない悪寒に、彼女は喉を鳴らし、小さく息を呑んだ。そして、できるだけ足音を立てないように、そそくさとその場を離れようとした。




「つーかまーえた♡」




 その声は、まるで耳元で囁かれたかのように響き、フィオナの手が強く握られた。驚きと恐怖で思わず息を呑んだフィオナが振り返ろうとしたとき、視界が一瞬で歪んだ。まるで全てが急に揺れ動き、何かに引き寄せられるような感覚。


そして、次の瞬間。


フィオナは見知らぬ長い廊下に立っていた。


 その場所は、どこか異次元から来たような異様な雰囲気が漂っていた。建物は日光が入らず薄暗く、目の前には続きの見えない長い廊下が広がっている。何処かの洋館だとは思うのだがフィオナには全く見覚えのない光景だった。


「・・え・・・?」


 フィオナは心臓が激しく鼓動するのを感じながら、震える足を動かして建物の中を見渡した。しかし、どこを見ても見覚えのない風景しか広がっていない。自分は一体どこへ来てしまったのだろうか?そんな不安と焦燥に思わず冷や汗が落ちるフィオナに背中からぞっとするような可愛らしい声がかけられた。


「あはは!、新しいお友達がきた! うれしい! ずっとずっと一緒にいましょうね? 大丈夫怖くないよ? 他にもお友達はいっぱいいるから ほら」


 それはあの美しい人形だった。金色のウェーブヘアがまるで生きているかのようにうねりながら動いており、その瞳は先ほどまでの硬質なものではなく生きた人間のように爛々と輝いていた。そのあまりの非現実的な光景に悲鳴を上げそうになったのをぐっと我慢したフィオナだったがその人形が指さしたほうを見ておもわず喉がひゅっと鳴った。目の前の光景が、まるで悪夢のように思えた。


「・・・・・・嘘、でしょ・・・?」


震える声が漏れる。


 指さされた先にうずくまる狐耳の幼女。彼女の震える体は不自然にこわばり、その小さな足――いや、すでに足ではなかった。それは柔らかく、縫い目のあるぬいぐるみの足に変わり果てていた。


「・・・た・・す・けて・・」


 その幼い幼女のか細い声が、まるで壊れかけたオルゴールの音のように掠れた。フィオナは息を呑んだまま動けなかった。垂れ耳のロップイヤーの毛が逆立ち、頭の奥がジンジンと痛む。自分の中にある何かが激しく警鐘を鳴らしていた。早く逃げろ!と――。


「いや・・・嘘・・・こんなの・・・っ」


「嘘じゃないよ?」


 いつの間にかすぐそばまでやってきていた人形は無邪気な笑みを浮かべながら光のない瞳でフィオナをじっと見つめた。蛇に睨まれた蛙ならぬ人形に睨まれた兎状態だったがフィオナは自分を叱咤した。フィオナの性格は強がりではあるが基本的にビビりで泣き虫だが幼いころから生きることを最後の最後まで決してあきらめてはならないとカルブンクロのファミリアから聞かされて育った。 


 冒険者になってからも何度か危険な目には合っていたが挫けそうになった時ファミリアの言葉を思い出して自分を励ましてきた。フィオナは人形の腕を掴むと「うりゃあああああ!」と声を上げながら思いっきりぶん投げた。意外そうな表情をしながら投げ飛ばされた人形は数mさきに落ちたがそんなことは気にせずフィオナは足がぬいぐるみに変わってしまった狐耳幼女を抱きかかえて廊下を駆け出した。


 建物である以上どこかにかならず出入り口があるはず、フィオナは必死に建物の中を駆け回ったが出入口はおろか窓すらなかった。それだけじゃなくそもそも空間自体が現実離れしていた。例えば先ほどから廊下を走っているのに一向に廊下の端にたどり着く気配がない。

 キリがないので横にある扉の取っ手を握って勢いよく開いた。するとそこには先ほどのような廊下が広がっていた。廊下の先に廊下というあり得ない構造をしていた。しかも扉を潜ってふと振り返ると先ほどまでいたはずの場所が壁になっているのだ。


 でたらめと言うほかないその空間をフィオナは必死に駆け回りながら腕の中の狐耳幼女を見た。腕の中の狐耳幼女は年相応の体の小ささに加えて足がぬいぐるみと化していたためとても軽いはずなのに恐怖と焦燥で体が重く感じた。幼女の変わり果てた足がふわりと揺れるたび、背筋が凍る。


(大丈夫、大丈夫、大丈夫・・・!)


 そう自分に言い聞かせるが、震える呼吸は止まらない。姿は見えないが後ろから何かが迫ってきているのだけは感じ取れた。何処へ行っても出口がないが止まるわけにもいかずフィオナはひたすら走り続けた。


「あはは! ねえ、どこに行くの? 鬼ごっこはいつもやってるから、別の遊びしよーよ?」


 楽しげな声が、まるで風に乗って響くように、フィオナの耳元へ囁きかける。しかし、その声の持つ無邪気さとは裏腹に、背後からじわじわと迫り来る気配が、確実に彼女を追い詰めていた。


「くっ・・・!」


フィオナは気絶した狐耳の幼女を両腕にしっかりと抱えながら、荒い息をついて走る。ふと一つだけ少し扉の開いた場所があった。無意識にそこへ飛び込みドアを閉めたフィオナは荒い息遣いを落ち着かせて抱えた狐耳幼女をそこにあった椅子に座らせた。そこは書庫だった。

 天井まで続く大きな本棚にびっしりと本が詰め込まれていて、近くには机とランタンが置かれ空気には紙とインクの古びた香りが漂っている。


「とりあえず、一旦ここで休もう」


 フィオナはそういって床に座り込んだ。ずっと走っていたのと緊張が続いていたため極度に疲れたがようやく緊張の糸が解けた。本棚には見たことのない本が並んでおり各地の伝承や童話と言った内容が書かれていた。 

 少し回復したフィオナは椅子に座らせた狐耳幼女の横に座ると机に突っ伏して腕を伸ばした。そのとき指先に何かが触れた。何だろうと視線を向けるとそこにはピンクの装丁がなされた小さな本があった。長い時間が立っているのかボロボロでピンク色の装丁もかなり色褪せていた。


「これって・・・日記?」


 手に取ったフィオナはその日記の中身を見た。




 ―星月暦785年 2月23日


 

 今日はお母様とお買い物へ行きました。素敵なリボンを買ってもらいました。お父様が帰ってきたら、きっと褒めてくれると思います。



 ―星月暦785年 3月14日



 お城の舞踏会で、お父様と一緒に踊りました。ドレスがふわりと舞って、とても綺麗でした。お母様も微笑んでいました。とても幸せです。



 ―星月暦785年 4月25日


 

 今日はとても天気がいいです。使用人の方がお庭の手入れをされておりましたわ。美しい花々が綺麗に咲いておりとても心安らかになる思いです。



 そこには一人の少女の生活の記録が残されていた。貴族令嬢と思われる内容と美しい文体から何不自由のない日々。両親に愛され、温かい家族に包まれた少女の記憶。それが感じ取れた。そんな他愛ない日常が綴られていたがある日を境に文体が変わった。



 ―星月暦78■年 4月■5日


 その日、わたしは人形にされてしまいました。体が動かない 言葉も発せない。 でも鏡に映る自分の姿は人形そのもの お父様もお母様も、私のことを見てくれませんでした。まるで私の存在がないかのように・・・。


 使用人たちも私に気づかない。私と言う存在がすっぽり抜け落ちてしまったようでした。 私と言う人形を捨て、わたしは古物商の倉庫の中に送られることになりました。



 ―星月暦78■年 6月■■日


 ずっとひとりぼっち。誰も私を見てくれない。誰も私の名前を呼んでくれない。でも、私は人形だから、仕方ないのかもしれない。 ここで埃を被って誰からも見向きもされないのだろう。   ・・・寂しい、とても。


 ―星月暦■8■年 6月■■日



 ある日、寂しいという思いが限界に達した時、不思議な力が沸き上がりました。 その力は人形の世界をつくることが出来ました。 その頃わたしは人形屋に引き取られ人形展にだされることがしばしばありました。 そのたび幼子を人形の世界に招待してはお茶会を開き、お話をして、ずっと一緒にいました。


 ですが思うのです。どうして彼らは帰ってしまうの?



 ―星月暦■8■年 ■月■■日


 

 彼らが帰るから、私はまた一人になる。それなら、ずっとここにいてもらえたらいいのに。私は少しだけ強引になりました。最初はみんな泣きました。でも、すぐに泣かなくなりました。なぜなら、彼らも人形になったから。 これで、もう寂しくない。ずっとずっと、一緒にいられる。とても幸せ



 ―星月暦■■■年 ■月■■日



 ずっとずっと一緒にいるはずなのに・・・・・・どうしてこんなにも心が苦しいのだろう? ああ、そうか。私はとうの昔に壊れてしまったのか。狂ってしまったのか。 なら――



 ―■■暦■■■年 ■月■■日



 私はもうこれ以上書けないかもしれない。だからこれが最後。 もしこの日記を読むものが現れるのなら、もうこれ以上過ちを犯したくない。だからどうか狂気に飲まれてしまった私を壊してほしい。お願いします。    





               エミリア・フォン・レーンブルグ




 日記の最後のページには、乱れた筆跡が綴られ、インクの滲みがいくつもの行を汚していた。紙の端には掻きむしったような跡があり、書き手の混乱と焦燥が感じられる。


 その記録には、静寂に押し潰されるような孤独の重さが滲み出ていた。人形に変えられ温もりのない世界に閉じ込められ、時の感覚すら曖昧になっていく中で、何かを求めずにはいられなかったのだろう。

 

幼い子どもたちを迎え入れることで、ほんの少しでも寂しさを埋めようとした痕跡が綴られていた。しかし、その願いは歪み、やがて自らを蝕む呪いへと変わっていく。


ページをめくるごとに、筆跡は不安定になり、途中でかすれ、書き直された跡が増えていく。自らの行いに対する嫌悪と、それでも孤独を耐えられない葛藤が紙の上に染み込んでいた。幼い命を閉じ込め続けるたびに、良心と狂気の間で揺れ動き、やがて心の均衡が崩れ始めたことが手に取るように伝わる。


最後の一行は異様な筆圧で書かれ、紙が破れかけていた。そこには、抗いがたい恐怖と、押し寄せる狂気の影が滲んでいた。


いくつかの水滴の跡が、その言葉を静かに滲ませていた。涙なのか、それとも――。


「・・・どうして・・・」


かすれた声が漏れる。


先ほどまで恐怖しか感じていなかった追跡者――エミリアの言葉の奥に、こんなにも深い孤独と苦しみが隠されていたなんて。日記の最後のページに残された叫び。寂しい、一人にしないでという心の声と狂気に飲まれる前に壊してほしいという懺悔の声。それがどうしようもなく物悲しかった


「壊して、って・・・そんなの・・・できるわけ、ない・・・っ」


フィオナは膝を抱え、顔を伏せる。


 彼女は、間違いなく罪を犯してしまった。幼子を誘拐し、人形に変え、永遠の遊び相手にしようとした。本来なら、そんな存在は許されない。



――でも



「・・・エミリアは、本当にそれを望んでるの?」


たとえ狂気に染まりかけていても。


たとえ過ちを犯してしまったとしても。





 本当は、救われたかったんじゃないの?






 フィオナは手に持った色褪せた日記を胸に抱きしめ、決意したように顔を上げた。


「・・・私は、壊したりなんかしない。 だって、あなたの心はまだ『助けて』って言ってるでしょう?」


 フィオナは椅子から立ち上がると、書庫の外へ出た。薄暗い廊下の闇がずっと奥まで続いき、その中をフィオナは意を決して進んだ。薄暗い廊下を駆け抜ける。足音が乾いた床に響き、闇の中に溶けていく。影が揺れ、壁に掛かった古びた絵画の瞳がこちらを追いかけているような錯覚に陥る。しかし、振り返らなかった。ただひたすら前を向き、目指す場所へと走る。


途中、背後から何かが追ってくるような気配を感じた。書庫へ飛び込む前に感じた姿は見えないがでもはっきりと一歩また一歩近づいてくるようなそんな感覚。しかし、それすらも振り払うようにフィオナはスピードを上げる。


 そして黒塗りの彫刻が施された豪華な扉を見つけた。その部屋の中に入るとそこは広い舞踏会場となっていた。煌びやかな装飾の施され、天井には星空の絵画が描かれておりシャンデリアが3つ吊るされていた。真っ赤な絨毯が敷かれたホールには家具がいくつか置かれ中央の壁際には暖炉が一つあった。広間は、静寂に包まれており、時間の流れすら止まったかのようだった。


 そして――足元には、場違いなほどの数のぬいぐるみが転がっていた。ウサギ、クマ、ネコ、人形のような少女の姿をしたものまで、大きさも形もまちまちのぬいぐるみたちが、まるで力尽きるようにそこへ倒れ伏したかのように散乱している。


 足の踏み場もないほどに散乱したぬいぐるみの間を縫うように歩いていきぬいぐるみの一体を持ち上げてみた。どことなく吸い寄せられるようなただの作り物とは思えないような感覚があった。もしかしなくてもこれ全部元々は引きずり込まれた幼子なのだろう。


 ――カツ、カツ、カツ。


「みーつけたー♪ 探したんだよ兎のお姉さん。鬼ごっこの次はかくれんぼするんだもん。探すのに苦労しちゃった~」


 人形が・・・否、エミリアと言う名前の少女が無邪気な笑みを浮かべながらそこに立っていた。しかもさきほどフィオナが入ってきた入り口は何故がすでになく舞踏会場は完全に密室となっていた。


「アレ?狐ちゃんは?どこかに隠しちゃったのかな?ダメだよお友達を隠しちゃ~。 まあいいや!兎のお姉さん。今度はお人形遊びしようよ!」


「・・・あなたは一体誰?あなたの名前は何?」


「うん? なにを言ってるの? 私はただの人形だよ? 名前なんてないよ~」


「違う! あなたは両親からもらった大切な名前がある!思い出して!! あなたは人形なんかじゃない!」


「何を言ってるの?わたしは・・・人形の・・はず アレ? わたしは・・だれだっけ?」


 疑問に思った人形は自分の名前を思い出せずにいた。自分が何者なのかそれすらもわからずただ寂しいという感情だけで行動している人形はしばらく考えたが思い出せなかった。


「まあそんなのどうでもいいじゃない!いいから遊ぼ!!」


 かつてエミリアという少女だった人形は楽しそうにそう言うと、床に落ちていたぬいぐるみが浮かび上がり一斉にフィオナに殺到した。フィオナはびっくりしながらもすぐに回避してそのまま走って接近しようとしたが別のぬいぐるみが飛んできてうまく近寄れない。足を止めるとぬいぐるみに取り囲まれるからずっと動き続けないといけない。


 それでもフィオナは動き続けた。ぬいぐるみが自分にくっついたらそれを引き剥がしてぶん投げてぬいぐるみに囲まれなっようにした。


「あははは すっごい! まだそんなに動けるんだね!」


「お願い!思い出して!あなたは人形なんかじゃない!!人間なんだよ!!」


「もう、またそれ? 私は名前のない人形だよ?名前なんて―そんなのどうでもいいじゃない」


「どうでもよくなんかないッ!!!」


 エミリア――かつてそう呼ばれていたはずの人形は、きょとんとフィオナを見つめた。


「あなたはただの人形なんかじゃない!! ここにいるのは、エミリア・フォン・レーンブルグという名前を持ってた、ちゃんと生きてた女の子なんだ!! ちゃんと思い出して!!」


その瞬間、エミリアと呼ばれた少女だった人形は瞳を大きく見開いた。

「――エミリア・・・・・・?」


どこか遠くを探るような、人形の声。


フィオナは息を整え、静かに言った。


「そうだよ。あなたの名前はエミリア。貴族令嬢として日々を幸せに生きていた何処にできる普通の女の子だった。でも、形代の魔女に人形にされて、みんなに忘れられた・・・。それでも、あなたは!エミリアと言う少女は確かにいたの!そして今も生きている!たとえ人形に変えられてもちゃんと生きているの!!」


人形の身体が小さく震えた。


「・・・わたしが・・・エミリア・・・・・・?」


「そう! だから・・・」


フィオナは人形に手を伸ばす。


「帰ろう、エミリア!こんなところに一人でいないで一緒に外の世界へ行こう!!」


しかし、その瞬間――


「――嫌!!」


 エミリアの瞳が真っ赤に染まり、狂気の笑みが浮かぶ。涙を流しながら


「ダメだよ・・・そんなこと・・・またどうせ捨てられるの。 忘れられるの。私は人間じゃないの、人形なの。誰も私の事を受け入れてなんてくれないの。外の世界へ出たらまた独りぼっち・・・そんなのもう耐えられないよ。 だったらいっそこのままこの人形の世界でお友達と一緒にいたほうが・・・」


「違う!そんな方法じゃあ寂しいままだよ!?ぬいぐるみをいくら増やしたところで孤独は埋められない! 本当はあなたもわかっているんでしょう?いくらこの人形の世界に子ども達を引きずり込んで人形に変えていっても、ちっとも心が満たされないことに」


「・・・そんなこと・・・だって、これ以外もう孤独を紛らす方法がないよ・・・」


「だったら私が友達になる! ずっとずっと一緒にいてあげる!! だから怖がらないで一緒に来て!」


「でも・・・わたし、人形だよ? ずっと人形だった・・・・・・もう、人間じゃないのに・・・そんなの、無理だよ・・・・・・」


「無理じゃない!!」


フィオナは一歩踏み出し、エミリアの手をギュッと握った。


「だって、あなたは今もこうして悩んでるじゃない! 迷ってるじゃない! だったら、それは――」


言葉を詰まらせながらも、フィオナは必死に言葉を紡ぐ。


「あなたがまだ、人間の心を持ってる証拠だよ!!」


 フィオナはエミリアの手をさらに強く握りしめる。


「わたしがずっと一緒にいる! 忘れたりなんかしない! だから――行こう、一緒に!!」


エミリアの瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれた。


「・・・そんなこと、言われたの・・・」


長い、長い沈黙。


「――はじめて、かもしれない・・・」


 小さく、壊れそうな声で、そう呟いた。


 その瞬間、空間全体に亀裂が走った。鋭い「ピキッ」という音が響くと、まるで凍りついた湖の氷が割れるように、ひび割れは一気に広がっていく。歪んだ世界が軋むような音を立て、砕けたガラス片のような光の粒が宙を舞った。


 眩しい閃光が弾け、次の瞬間、フィオナはまぶたの裏に残る残像とともに、冷たい床の感触を感じた。ゆっくりと目を開けると、そこは夜の人形展の会場だった。建物の灯りは消え、月明かりが窓からぼんやりと差し込んでいる。すでに展覧会は終わり、人の気配はない。


――否、正確には違った。


 薄暗い会場の床には、小さな影がいくつも横たわっていた。幼い子どもたち。柔らかな寝息を立てながら、静かに眠っている。フィオナは息を呑んだ。彼らは、エミリアに引きずり込まれた幼子たちだった。


忘れ去られ、囚われ、ただ人形へと変えられる運命にあった彼らが、今ここにいる。すべての子どもが元の姿のまま戻ってきていた。フィオナは安堵すると同時に理解した――エミリアが、彼らを解放したのだ。


その事実が胸を締めつけるように重くのしかかる。エミリアは今、どこにいるのだろう。フィオナはそっと拳を握りしめた。


 フィオナは展覧会の会場の中を見渡した。エミリアが展示されていた建物の端っこ きわどい人形が展示されていた場所にエミリアは展示されていたはずだ。フィオナは急いでその場所へ走っていった。夜の展覧会会場はしんと静まり返り、フィオナの足音だけが響き渡る。


「いない。どこにいったの?」


 フィオナはさらに会場を走り回って探した。フィオナの胸に、ざわりとした不安が広がる。エミリアは確かにここにいたはずなのに。


「エミリア!」


静寂に呼びかけるが、返ってくるのは自分の声が反響するだけだった。展示台の椅子には、彼女の姿はなかった。代わりに、そこにはぽつんと一つ、小さなぬいぐるみが転がっていた。


フィオナは息を整えながら、そっとそれを拾い上げる。つい先ほど造ったかのような作り立ての人形は、どこか見覚えがあった。きれいな金色の髪に毛先が茶色くなっている垂れ耳、碧い瞳に可愛らしいフリルとリボンがあしらわれた服の兎のぬいぐるみ――。


「これ・・・私・・・?」


 震える指で撫でると、ぬいぐるみの柔らかな毛並みが指先に馴染む。ふと、その耳元に何かが縫い付けられていることに気がついた。よく見ると、それは小さな紙片だった。


慎重に剥がして広げると、そこには滲んだインクで短い言葉が記されていた。


 ――ありがとう。さようなら。


フィオナの心臓が強く跳ねる。


「・・・そんなの、いやだよ・・・!」


 握りしめた紙が震える。まるで何かを諦めるような、その言葉。その意味が、フィオナには痛いほど分かってしまった。


彼女はもう一度、辺りを見回した。エミリアはどこかにいる。まだ、間に合うかもしれない。


「見つけるから・・・! 絶対に!!」


フィオナはぬいぐるみを抱え、再び会場を駆け出した。



 一方エミリアは名もなき人形展の会場にある使われていない展示室の壁にもたれ掛かっていた。そこはちょうど窓があり、そこから月明かりが差し込んでいた。最後に綺麗な星空を眺められるなんて案外悪くない人生だったかもね。エミリアはそう思いながら自分の手に視線を落とした。 サァーと音を立てながら指がゆっくりと崩れ始めていた。


 まだ自壊まで時間はあるけれどそう時間もかからずに消滅する。そうエミリアは確信していた。


「でもこれでよかったんだよね。私は過ちを犯してしまった。いずれ罰を受けるだろうと思ってたけどこんな形でとは思ってなかったなぁ あ~あ残念。せっかくあのウサ耳お姉さんと友達になれたのに・・・ぐすっ」


 胸の奥に押し込めていた感情が溢れ出した。自分は人形なのだから、もう何も感じないはずなのに。けれど、心の奥底で疼くような寂しさが、どうしようもなく彼女を締め付ける。消えていく恐怖を紛らわすように、自分そっくりのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。だが、そのぬいぐるみさえもさらさらと音を立てて崩れ落ちていった。まるで今の自分のように


「・・・いやだ」


 エミリアはいつの間にか大粒の涙を流していた。こんなところで一人寂しく消えていき誰にも知られず誰にも覚えてもらえず誰からも見向きもされずにただいなくなる。


「・・・いや、いやだ・・・」


 か細い声が震える唇から零れ落ちる。

どこかで、これでいいのだと思っていた。罪を犯した自分には、この運命がふさわしいのだと。罰を受け入れることが当然なのだと。 


でも―― 


「・・・消えたくない・・・っ」


声を出すたび、涙が次々と頬を伝い、ぽたぽたと床を濡らしていく。


独りぼっちは、嫌だ。


寂しいのは、もう嫌だ。


誰か・・・誰か、助けて・・・


「誰か・・・っ、助けてよ・・・!!」


嗚咽混じりに叫んだ、その瞬間だった。


「――泣くほど消えたくないなら、最初からさよならなんて言わないでよ!」


 はっとして泣き顔を上げる。


そこにいたのは、息を切らしながら立っているフィオナだった。




フィオナは荒く息を吐きながら、それでも真っすぐにエミリアを見つめていた。その瞳には迷いなど一切なかった。


「私はまだ、あなたと友達になることをあきらめてなんてないの!」


涙を拭う暇もなく、エミリアは目を見開く。


「だからまだ、さよならなんてしないよ!」


力強い言葉が響いた。


エミリアは震える手で自分の胸を押さえた。

あたたかくて、痛くて、切なくて――だけど、確かにそこにある感情。


けれど、彼女はそっと首を振った。


「・・・友達になろうとしてくれて、ありがとう」


掠れた声だった。


「でも、もういいの」


静かに、自分の手を見つめる。その先では、指先からさらさらと光の粒が零れ、溶けるように消えていく。


「怖いよ・・・怖くて怖くてたまらないけど・・・でももう、崩壊は止められないから・・・」


フィオナが何か言おうとした瞬間、エミリアは強くかぶりを振った。


「だからゴメンね。私のことはいいから・・・子どもたちを――」


「――嘘」


フィオナの声がエミリアの言葉を遮った。


「エミリア、あなたは嘘をついてる」


真剣な眼差しが、まるで心の奥底を見透かすかのように、エミリアを射抜く。


「本当は助かる方法があるんでしょう? でも罪悪感から、助からないほうがいいって思ってる・・・そうでしょう?」


エミリアの唇が震えた。思っていることがばれてしまいすぐに否定しようとしたが


「違う・・・」


「嘘」


鋭く、けれど優しくフィオナは言う。


「そんなの私は嫌!」


エミリアは息を呑む。


「助けられるなら、あなたを助けさせて!」


フィオナは一歩踏み出した。体が徐々に崩れていくエミリアの顔を両手で包み込んでその綺麗な瞳を正面からしっかりと見てフィオナは言った。


「お願い!!」


叫ぶような、必死な声だった。


エミリアは、フィオナの手が自分の頬に伸ばされるのをただ見つめていた。そして躊躇いながらもフィオナの爛々と輝く瞳をしっかりと見据えながら答えた。


「私の存在は人間でも人形でもないとてもあやふやであいまいな存在。体の中にある魔力も日に日に目減りしていてどのみち底をつくところだったの。人形に変えられてしまってもう人間には戻れそうにない。だから完全に人形になるしかないの。そのためにはフィオナ・・・契約が必要なの」


「契約?」


「そう・・・私とキスをして、私と言う『所有物』の『所有者』になってくれれば、私は“ユノ・ピグマリオン”として存在が確定する。

崩壊も止まるし、フィオナの魔力から供給を受けられる・・・でもね」


 エミリアは視線を落とし、かすかに震える声で続けた。


「この契約を交わせば、私の魂はあなたの体の中に宿ることになる・・・そして、一度入ったら、二度と出ることはできないの。死ぬまで――ずっと」


 彼女の指先がかすかに震える。


「つまり、あなたは一生、私と一緒にいなければならなくなる。逃げたくなっても、後戻りはできない。私があなたを縛ることになる・・・」


 そう言って、エミリアはゆっくりと顔を上げた。その碧い瞳にはどうしようもなく不安が滲んでいた。


「そんな私を・・・本当に受け入れてくれる?」


 彼女の言葉は小さく、まるで怯えた子どものようだった。


「私は・・・あなたの重荷にならない? 迷惑じゃない? 本当に・・・本当に、それでいいの?」


 自分が助かる方法があるのに、それを選ぶことが許されるのか――そんな罪悪感と、助かりたいという本音の狭間で揺れる彼女は、フィオナの答えを待っていた。



 フィオナは迷わなかった。


エミリアの瞳に宿る不安も、迷いも、すべてを受け止めるように、真っ直ぐ彼女を見つめた。そして、優しく微笑む。恥ずかしくて思わず逃げるように視線を逸らそうとしたエミリアだったが、次の瞬間、唇にふれる温もりに目を見開いた。


それは、迷いのない、強く優しい誓いのキスだった。


 エミリアの瞳が驚きに揺れた瞬間、フィオナの体に熱が走った。まるで内側から炎が灯ったかのように、じんわりとした熱が首筋へと集まっていく。


「っ・・・!」


 熱いッ!!!!


 思わず息を呑むと、首筋がじわりと熱を帯び、そこに見えない力が刻まれていくのがわかった。次第に浮かび上がってくるのは、見たこともない紋様――まるで運命を刻むかのような契約の刻印。


 同時に、エミリアの体にも変化が起こった。崩壊しかけていた体が淡い光に包まれたかと思うと再構築されていき、エミリアの瞳が淡い灰色から透き通るような碧へと変わり、さらりと揺れる金色の髪には、どこかフィオナのロップイヤーを思わせる茶色のメッシュが現れる。


「――これが、契約の力…?」


エミリアはそっと自分の手を握りしめた。今まで感じていた虚ろさが、嘘のように消えている。自分の存在が、確かにここにあると感じられた。


「これで契約成立だね。もうどこにも行かせないよ?」


 首筋の契約の刻印を指でそっとなぞりながらフィオナは微笑み、それに少し恥ずかしそうにしながらエミリアは微笑み返した。


「はい。わたしはフィオナの所有物。身も心も魂も全部全部捧げます」



 その後、名もなき人形展の会場ではたくさんの幼子たちが寝ているという異様な光景に人形職人や人形展の関係者は大変驚き、しかもその子ども達が行方不明になっていた子たちであることが分かりそれはそれは大混乱となった。幼子の親たちは涙ながらに子どもの無事を喜び、同時に何故自分たちは今まで自分に子どもがいた事すらも忘れてしまっていたのだろうかと大変混乱した。 

 調査が行われたが結局この件に関しては原因は分からずじまい、のちに名もなき人形展神隠し事件と後世で語られるようになる事件となった。


 一方その頃、宿屋にいたラキとタギツの部屋のドアが開いてフィオナが帰ってきた。


「あ~遅いよ~! ずっと帰ってこなかったからどうしたのかと思ったよ・・・えっと、そちらはどなた?」


「・・・増えてる。フィオナ人形買ったの?しかも滅茶苦茶リアルな・・・」


 フィオナがエミリアを連れて帰ると案の定何とも言い難い反応をされ、フィオナはあははとぎこちない愛想笑いを浮かべた。それに対してエミリアはフィオナの腕をがっちりと組み金色と茶色のメッシュの入ったウェーブヘアをフィオナの身体に絡みつかせていた。


「フィオナ・・・。ずっと一緒。もう絶対に離れない♡」


「えっと、エミリア?」


「フィオナ・・いい匂い♡ 大好き♡」


「フィオナ・・・。ずっと一緒。もう絶対に離れない♡」


エミリアはフィオナの腕にぴったりとくっついて、顔を彼女の肩に埋める。心地よさそうに微笑んで、髪の毛を絡めながら言った。


「えっと、エミリア?」


フィオナは少し困った表情を浮かべたが、エミリアの熱を帯びた言葉に驚いて目を大きく開いた。彼女の髪がフィオナの肩にふわりと絡みつき、思わず顔を赤らめる。



「おお、フィオナ、ついにモテ期到来したね!人形だけど!」


「・・・人形を恋人にするほど欲求不満だったなんて。」


 ラキは笑いながらからかい、タギツは少し引いた様子でフィオナとエミリアを見つめる。


フィオナはさらに困惑しながら、自分の状況を見渡した。あれぇ、これってもしかして何かとんでもないことしちゃった?


 エミリアが突然、不機嫌そうに顔をしかめる。


「は?フィオナの事バカにしてるの?フィオナ、こいつ殺っちゃっていい?いいよね?」


「な、何言ってるの!?ダメだって、そんなこと言っちゃ!」


 エミリアを慌てて宥めたフィオナはまさかここまでエミリアが愛情深いとはと驚いていた。

 そしてこれは後になって判明したことだが、ユノ・ピグマリオンという人形にはいくつか共通点があり、それが唯一たった一人の所有者に所有されることを好み、そしてその所有者に身も心も魂も捧げて狂気的なまでに溺愛する。もし所有者と離れ離れになると癇癪をひきこしてしまう”狂愛の人形”であるということを知るのはもう少し先の事なのであった。






 おしまい

人形の街クラフティ―リア 天才人形職人が「最高の人形をみたい」との思いから自然と創り上げられた人形職人の街 いたるところに人形の店が立ち並ぶ500年位歴史のある街  


一番小さい人形は手のひらサイズ 一番大きいサイズの人形は全長10mくらいある 


実はラブドールも作ってたりする。 好事家な貴族や豪商など意外とパトロンが多い 


警備人形も実はいる、街全体に魔術式が仕込まれており、問題が起こった際に警報をならすとどこからともなく警備人形がわらわらと集まってくる仕様になっている


意外とドワーフは少なく狐人族の職人さんが多い。

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