旅すがらの童話のお話し(短編話)
むかーしむかしあるところにふたりの少女がいました。
一人は金色のロングヘアに紺碧の瞳、えんじ色のドレスに藍色のローブを身にまとい黄金のウォーハンマー『ミョルミーベル』を背負っていた。彼女はラキ、少女は木製のキャビンを引っ張りながら道を進んでいた。キャビンの中では銀髪のハーフアップに閉じた瞳、黒いワンピースを着ている少女タギツが木製の車椅子に座り魔術書を読んでいた。
「・・・暇だね~」
「・・・」
「暇だね~」
「・・・」
「ひ・ま・だ・ねぇええええッ!!」
「だああもううるさいよ!」
絡んでくるラキにタギツは面倒くさそうにしながらため息をついて、何がしたいのか尋ねた。「なんでもいいよ~。ターちゃんなんかないの?」と言いながらキャビンを道の端に止めるとキャビンの中に入ってきた。飲み物を飲みながらキャビンに寝っ転がった。
「・・・まだ次の街へたどり着いていないんだけど」
「細かいことはいいじゃん!どうせまだまだかかるんだし少し休憩~」
「まあいいけど。それで?暇つぶしがしたいんだよね。僕としては魔術書を読むのとかおススメするけど」
「本読むの苦手!すぐ眠くなる!」
「言うと思った。ラキだからね。そうだね~・・・なら一つ童話でも読み聞かせようか?」
「子どもじゃないんだから!でもターちゃんが話す童話気になるから話して~」
「結局聞くんだね。まあいいけど」
そういってタギツは一つのお話をはなした。
とある王国に王女様がおりました。王女様はとても可愛らしく人懐っこく家族からも家臣からもそして国民からも愛されていました。王国は戦争も飢餓も災害もないとても平和な時代が続きいつまでもこの幸せが続くと誰もが思っていました。しかしそんな幸せは突然終わりを告げました。空から星が降り王国は立った一晩で滅びてしまいました。王女様は崩壊する王国をただ見ていることしかできませんでした。全てが崩壊したあと王女様は一つ願いました。『 』それから幾星霜の時がたち世界はまた平和になりました
「・・・なんかずいぶんと物悲しい童話だねターちゃん」
「そう?童話なんてこんなものだと思うけど」
「ところでこの童話で王女様は何を願ったの?」
「さあ? そこはどこにも残ってないよ。きっと読み手が思う願いがはいるんじゃないかな?」
そういうと手に持った魔術書を閉じてパイプを取り出し、火をつけて煙を立ち昇らせた。口からはいた煙はゆったりと青い空に溶け一陣の風が吹いてかき消えた。ラキは起き上がると飲み物を飲んでからキャビンを飛び降りて背伸びをするとミョルミーベルを担いで振り向いた。
「ちょっと魔物を狩ってくるよ! ターちゃんはここで待ってて!」
そういうとあっという間に姿が見えなくなっていた。タギツは咥えたパイプを手に持ちながら呟いた。
「結局狩りに行くのか・・・」
おしまい




