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53 最終試験クエスト開始……

 俺と凛がギルド内に入ると、王都の銀ピカ鎧を着た調査団がすぐに目に入る。レイナさんの話によると、ここ最近はちょくちょくとメンバーが変わっているらしい。相変わらずの全面装備で、違いが全く分からないが……


「……ん?」


 しかし、今日は全身鎧ではない人が一人混じっていた。

 銀ピカ達と一緒に立っているのと装備からして、王都の人間っぽいのは分かったが、他の奴と違うのは……


「ふ、風吹。あの鎧の人、女の人だよっ」


 凛が興奮ぎみに指を差すので、取り敢えず下げさせる。


「そうだな……へぇ、女の人もやってるのか……」


 兜をつけていないので、すぐに分かった。

 その女性をは今、銀ピカ達を後ろに従えてレイナさんと何かを話している。大方、調査の事だろう。


 それにしても、またまた美人さんだ。腰に剣を携え鎧を着込み、その凛々しい顔立ちには少しボーイッシュな所があるが、曲線が多くて他の奴より軽装な鎧と、白く長い髪を見れば女性らしさが十分に感じられる。……異世界って、なんで美人さんが多いんだろうか……


 そして両者(レイナさんと王都の女性)美人女性を、ここ数日でなぜか朝早く来るようになったハンター達は、じーっと見ていた。取り敢えずカイト達の元へ。


「あ、おはようございます」「おはよう」「おはようございます」


 そうレイミーと交わしてテーブル席に座る。

 ちなみに現在も、イリーナさんとカイトの間にできた絶対恐怖領域(ATフィールド)は絶賛発動中。

 二人とも普通に過ごしているように見えるが、二人は……主にイリーナさんの方はカイトと会話は勿論、目も合わせようとしない。カイトはなんとか仲直りしたいらしいのだが、カイトは調査団の女性を見ながら……


「ほー、あーいうタイプの美人もまたイイ……イデデデッっ!!」 


 ……完全に自爆している。バカか。あれじゃ謝ってもプラスマイナス0だ。

 カイトはレイミーに踏まれた足をさすりながら、顔を上げて俺と凛に気がつく。


「おっ、おう二人とも……今日は最終試験するつもりだけど、しっかりと準備できてるか?」


「……ああ」「はい」


 そう言って俺は弓と矢筒、凛は研磨された大剣。そして他の装備類も見せる。隠しているが、俺は二丁の拳銃と耳栓も持ってきている。拳銃は毎度の事だし、耳栓無しで銃をブッ放したら耳がイカれるからな。


「今日は最終試験の為に、少し難易度の高い物をレイナさんと共に決めました」


そういって、一枚の羊皮紙とクエスト受領書をこちらに向けてテーブルに置く。どれどれ……凛と一緒に顔を近づける。


『依頼主  混濁のカオス薬剤師


 クエスト内容 街より東部方面。森林及び山岳地帯のラージェストコボルト5匹以上の討伐。尚、死体一つの回収が必須。


 報酬 85メガ(85,000バイト)


 危険度 ☆8


 薬には要らない素材なんだけどねー。私の戦友であり、ししょーでもある闇夜の霊媒師さんといっしょにー、ラージェストコボルトの解剖して遊びたいなーって。それでコボルトの構造も見てみたいなーってことで、ついで木こりさんの安全の為にも、他の奴らも狩ってくればー?報酬あげるからさー。ヨロシクー』


「「……」」


 なんじゃこりゃ。そんな顔をしている俺と凛の心中を察したのか、レイミーは慌てて両手を振り。


「べ、別にクエストは至って普通のですから。心配なさらずに」


「そう……」 


 ならいいんだけど、ラージェストコボルトってのはなんだ?

 それにこの依頼主。確か初めて受けたクエストの依頼人もこの人だったよな。それにあの厨二と友達らしい。てか、解剖して遊ぶって……


「ヤバイ奴だね……」


 凛がうわぁ……という顔で文面を見ている。


「そうだな……」


「だ、大丈夫ですから!!」


 まぁ、別に依頼主が変人でクエストを発注する理由がおかしいからって、クエスト自体は普通だからいいんだけどな。どっかの第三王女と違って……ん?なんかこれ前にも思ったような……

 

「あ、そうだ。お弁当お弁当……」


 そう言って、イリーナさんが例の空間拡張されたポシェットを手渡される。いつもイリーナさんが用意してくれ、イリーナさんが持っていってくれるのだが、今日は着いて来てもらえない。それはカイトも、レイミーもおなじだ。


「あ。ありがとうございます」


 俺はそう言って小さなポシェット受け取り、革コートの大きなポケットへ入れていると……


「――恐らくば、今日の調査で全貌が明らかになる。すぐに討伐隊が出動できるようにしておけ」


「はい、手配しておきます」


「よし……では皆。北部方面の森に行くぞ」


 そう声を張り上げた調査団の美人な女性は、白く長い髪を揺らしながら銀ピカ集団を率いてギルドを出ていった。

 前まで隊を仕切っていた、あの気に入らないリーダーもそれに従っているので、どうやらあいつより偉いようだ。


「へぇ。北部方面ね……二人とも、北部方面の森と東部方面の森は繋がってるから、一応気を付けとけ」


「でもあの森は広いですから、大して気にする必要は無いと思いますが……」


「分かった」


 レイミーはコホン、と咳払いをして。


「今回のクエストはいつもより難しめですし、今回は二人だけで行ってもらいます。そしてラージェストコボルトというのはラージコボルトよ大きいだけですが、攻撃範囲が広いですし、体力も多いですから、十分に気をつけてくださいね」


 へぇー……ラージコボルトの上位互換って感じなのか……

 そしてイリーナさんも。


「そうよ。いつも出来るからって慢心しちゃだめよ。でも、訓練の時のように、冷静に的確な判断をすれば、必ずクエスト達成できるわ。頑張ってね」


 カイトも


「……ああ。いつもの調子で行けば余裕だろ。それに、危険だと思ったら逃げろ。今回が最初で最後ってわけじゃねぇんだから。とにかくいつも通りにやればいけるだろうさ」


「ああ。しっかりとやってくる」「頑張ります!!」


 この一週間やってきた訓練のおかげで、クエストを二人だけでこなす自信は十分にある。元気よく返事した凛も同じようで。


「期待してるぜ」「僕もイリーナさんも、レイナさんもそうですよ」


 カイトはそう言ってニヤっとし、レイミーとイリーナさんは微笑む。


 俺と凛はギルドの出入口に向かい、カイト達も立ち上がって大きな扉の所まで見送りに来た。俺と凛が外に出ても、ついて来る事はない。


 今回の最終試験は俺と凛だけでのクエスト。助言をしてくれる人も、万が一の時に助けてくれる人はいない。でも、俺と凛だけでこなせる自信は十分にある。


「行ってきます」笑顔で見送るカイト、イリーナさん、レイミー。そしてレイナさんにそう言った。そのままギルドの入り口から中央広場へと向き直る。さぁ、行くぞ……


 そして振り返った瞬間。猛烈な勢いで走って来た、白くの長い髪をした少女目に入ったかと思うと、俺と凛の間をすり抜け……


 そのまま入り口に固まっていたカイト達を、ボーリングのピンのように弾き飛ばした。


「ち、遅刻遅刻ーっ!!」


 さっそく最終試験はつまずいた。まだ数歩しか進んでいないのに。



「あっ、あれー?!み、みんなはーっ!!?」



 誰だこのロケット女は。



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