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44 基本の連携……でも強い

前話に出てきたクエスト内容について訂正があります。


エリートコボルトとコボルトではなく


エリートゴブリンとゴブリン に変更しまあいた


入力ミスです。すいません。









「さてと……先ずはあの二体から排除しますか……」


「分かった……」


「落ち着いてね」


 俺とレイミー、イリーナさんは、前方に見えるゴブリン群れを見ながら話す。ゴブリンの群れは草原の少し窪地になった場所に集まって、野営しているようだ。


 緑色の普通のゴブリンは20体程おり、各々武器を持ってぶらぶら歩いたり、ボロ剣を地面に放って生肉を食べていたりする。

 そしてレイミーが指した二体はエリートゴブリン。他のゴブリンと違ってボロ布の合間に見える肌は赤く、体格もいいし一回り大きい。そいつらは群れの真ん中にどっかり座って、大きな肉にかぶりついている。

 

 そしてその様子を、俺たちは少し離れた、地面が少し盛り上がった所の裏に伏せ、顔だけを出すような形で見ている。

 カイトと凛は、野営地を中心として俺達が6時方向だとすると、丁度3時方向で伏せて様子を見ている。


風吹(フブキ)さんが群れの頭脳、そしてボス的存在であるエリート二体を先に倒せば、群れの統率が乱れて、(リン)さんが攻撃しやすくなりますから」


「あの赤い二体でいいんだな」


「ええ」


 ゴブリンは知能が低いし単体では大した強さはない、しかし、頭のいエリートゴブリンが群れを指揮して、連携をとりながら群れで襲い掛かられると、結構手強いらしい。

 だから先ずは俺の弓でエリート二体を射抜き、群れが動揺して、統率者が居なくなった瞬間を狙って凛が大剣で突撃。ゴブリンを殲滅するという作戦だ。


「ああ、それと。出来れば一撃で仕留めた方がいいです。フブキさんならできると思いますが……」


「分かった」


 ってことは、頭抜きゃあいいんだな。大して難しくはないな……


「じゃ、やるか……」


 俺は速やかに体をお越して片膝立ちになり、右腰のベルトに矢筒を装着、左手で弓を持ち、矢を一本セットする。


風の流れ……矢は少しの風で着弾点、というか着矢点?が大きく変わるから嫌なんだ。まぁ外さないが。

 風向き、風力を草原のなびきを見て把握し、近くのは前髪の揺らぎと、耳で感じとる。

 そうして瞬時に矢の軌道を予測し、一匹目のエリートに矢を放とうと矢を引き絞っていると。


「ギャアァアアオッ!!」 


 一匹の普通のゴブリンが俺の存在に気がつき、騒ぎ立てて仲間に知らせた。当然か、見晴らしいいし。

 エリートゴブリンも直ぐに反応し、ギャオギャオ言って、他のゴブリンに向かって知らせるが……


 シュンッ………ドスッ!!


 直ぐに引き絞ていた右手を放し、剣を持って指揮しようとしたエリートの頭を、矢が貫く。直ぐにもう一本矢を抜いてセット、引き絞り……


 シュンッッ……ドスッ!!!


 二体目のエリートの頭も、矢が貫く。


「ん。二体とも殺ったぞ」


「お見事です」


「相変わらず、凄い命中率ね……」


「どうも……」


 ……ヘットショット、決まったな。エリートゴブリン二体頭に矢を刺したままバタリと倒れた。確実に仕留めただろう。

 そして残されたゴブリンは、指揮官(ボス)がいきなりやられて大混乱。


 ゴブリンは俺どうしようかと適当に突っ込もうとしてきた所で、凛はタイミングを見計らって立ち上がり、ゴブリンの群れへ突撃していく。


 更なる外敵にゴブリン達はもっと混乱。今度はがむしゃらに凛に突撃していくが……凛は抜刀すると共に、一匹を両断。その後はバラバラになって突っ込んでくるゴブリン達を、横凪ぎ払いでどんどん倒していく。


 もう大丈夫そうなので、俺達は立ち上がって凛の攻撃を眺める。


「なんか、狩るというよりは虐殺に見えるんだけど」


 凛がそれをやっているから恐ろしい。


「まぁ、多少は」「しょうがないわよ」


 ゴブリン達は集団でも、連携も何もあったもんじゃないし、凛の大剣の攻撃範囲(リーチ)の大きさによって、ボロ剣とか棍棒しか持っていないゴブリン達は何も出来ずに斬られていく。これじゃ殺られに行ってる様なもの。突撃と言うより自滅だ。

 しかも、俺の事はすっかり忘れて凛の方に集中している。


「ほんと、弱っちいな……」


 よくこんなんで、今まで絶滅せずに生き残ってきたな。

 

「いや、そうでも無いですよ?それについては、また後で……それよりはフブキさん。数匹逃げてます」


「あっ、ほんとだ……」


 大剣をぶん回して仲間を虐s…狩っている凛に、流石に恐れをなしたのか、数匹が遠くの森へと走って行こうとする。

 すぐに弓を構え直して軌道を直ぐに予測し、矢を連射する。

 あっという間に、放った矢の分だけのコボルトが、地面に体に矢が刺さったまま、コトリと倒れて動かなくなった。


「終わったな……」


 凛が最後の一匹を斬り飛ばし、一個目のゴブリンの群れは全滅した。



******************



「見事な狙撃だったぞ」


 カイトがそう言いながら、凛と共にこちらに戻ってくる。


「リンちゃんの方もな。大剣捌きが良かった」


「あ、ありがとうございます……」


 凛は丁寧に頭を下げる。


「普通、駆け出しはここまでできるもんじゃ無いぜ」


「そうなのか?」


「ああ」


 だいぶ弱かった気がしたが……すぐに終わっちゃったし。


「ま、さっきやってもらったのが、基本の基本。二段階の連携攻撃の一つだ。ゴブリンだけじゃなくて、他のモンスターでも使える事があるもんだ。覚えとけ。じゃ、こんな感じで、他の群れも探してやってくぞ……」


 カイトが歩き出そうとすると、レイミーがカイトの服を引っ張って止める。

 カイトはギクッ!となって止まる。


「で、死体の回収はどうする気です?カイトさんが(リン)さんに「思いっきりやってこい」なんて言うから、バラバラですが……」


 ……言ってたな、そんなこと。確かに、凛の「思いっきり」はゴブリンにとって、オーバーキルだ。


「ご、ごめんなさい………」


 凛が慌てて謝るが、レイミーはそれを手で制止し……


「いや、指示した人が悪いんです」


 カイトは額に汗を浮かべ


「いや、何事も思いっきり…………」「貴方はいつもいつも、面倒な方向に物事を持っていって……そろそろ自覚して下さいっ!!」


ドゴッッ!!


 次の瞬間、カイトはレイミーに脛を()られ、悶えながら地面を転がった。……レイミーやっぱ怖い。

 そのままレイミーはカイトを無視して話しを進める。

 

「……取り敢えず、フブキさんが射抜いたゴブリンは回収班を呼んで回収して貰いましょう。残った死体は……イリーナさん。お願いします」


「分かったわ」


「カイトさんは上級者、指導者としての自覚を持ってください。次はありませんからね……」


「は、はい…………」


∗∗∗


 その後、カイトが俺の射抜いたゴブリンを一ヶ所に集めて回収班を呼び、他のゴブリンの死体は、イリーナさんの魔法によって焼却された。


 そして残りを討伐すべく起伏の多い草原を探索し、発見した五個の群れを同じような連携攻撃で全滅させ、草原にポツンと生えた大木の根元で昼休憩……お昼御飯をとることにした。

 風呂敷を広げて皆揃って座り、お昼ご飯を食べ始める。


「……そうだ、今回は見張りいらないのか?」


「ええ、森の中ではありませんし、魔法だけで十分です」


「そうか……」


 その後は特に会話なく、すぐにホットドッグを食べ終えた。


「「「ごちそうさまでした」」」


 俺と凛とレイミーが声を揃えてそう言う。


「どうも」


 イリーナさんが嬉しそうに微笑む。

 カイトもイリーナさんに向かって


「旨かった。ごちそうさん」


 と言ったが……

 プイッとそっぽを向いてしまった。……こりゃあ、まだ仲直りしてないな。


 カイトは少しムッとした顔をしたが、そのまま続ける。


「……あーっと。そういえば、後エリートゴブリン何匹だ?」


 カイトが紅茶を飲みながら、俺に訪ねる。

 レイミーが呆れたように。


「そのくらい、カイトさんもカウントしてて下さいよ……あと5匹です」


「そうか、いいペースだな……」


「……結構、簡単に終わりそうだな」


「そうですね……普通はここまで出来るものではありませんよ?フブキさんの正確な狙撃、リンさんの圧倒的な攻撃力のお陰ですね。凄いですよ」


「そうか……」


 俺も凛も、伊達なゲーマーじゃないからな。そして能力のおかげだ。


「それと、ゴブリンについて、さっき言いかけてた事ですが……」


 レイミーは改まって俺と凛を見て、話し始める。


「各々しっかりと出来るフブキさん達は、ゴブリンを楽に狩れています。しかし、ゴブリンはそこまで弱いモンスターでもありません。なので、連携攻撃に障害。例えば、フブキさんが狙撃をミスしたり、凛さんの大剣の連撃が止まったりすれば、やはり数で押され、やられる可能性が出てきます。まだ、ゴブリンなら一人でもどうにか、なりますけどね。それに……」


 レイミーは一拍置き、真剣な眼差しになる。

 

「……今は、いざという時に僕達がいます。将来的な話ですが、強いモンスターを相手にするには、連携が必須です。訓練が終わって独立した時、誰かがミスを犯したとき、仲間だけでは助けられない事もあります。これはどのモンスターにも言えますが、慣れているからと言って、見くびると思わぬ事故に繋がり、下手をすれば命を落とします。だから常に、緊張感を持ってクエスト、モンスターに挑んで下さいね」


「……分かった」「わかりました」


 俺も凛も頷く。

 レイミーは少し明るい顔になって、話を続ける。


「でも、フブキさんもリンさんも、とてもいいセンスと能力を持っていますし、まだ駆け出しでもあるので、そこまで肩に力を入れなくても良いですよ。二人一緒でないと、絶対にムリという状況もまだ、無いでしょうしね。ただ慌てず、慎重に、冷静に。やっていけば、きっと上手くいきますよ。この調子で後半戦も、そしてこれからも頑張っていきましょう」


「「はい」」


 成る程ね……いくら能力があっても、慢心するのは危険……と。

 

 勿論俺だって、それなりに緊張感を持ってやっていくつもりだ。いざって時の為にも、これからの為にも。まだ能力だって全然引き出せて無いんだしな。

 ハンターは命懸け、本当に気をつけなくては………って、レイミー。お前本当に16歳だよな?


「──なぁ、イリーナぁ……」「自分で原因分からない人は、知ぃーらないっ!──」


 カイトがイリーナさんに話しかけ、またもやそっぽ向かれる。あれは23歳と20歳。


「……そっとしておきましょう」


「ああ……」



 なんだかなぁ……精神年齢違い、というのを絵に描いた様だ。



∗∗∗∗∗∗∗∗




 お昼休憩の後、順調にゴブリンの群れを発見して無事、全匹討伐。メインターゲットとサブターゲットどちらも達成だ。

 その後は、街の近くで日没まで武器の練習をし、この日の訓練は全て終了。

 夕焼けを背に、一同は西門からアデネラの街へと戻った。



 



 









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