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あの、FPSゲーマーですけど。ジャンル違うんですけど。  作者: きょーま(電傳)
第1章 この街で生きていく!(仮)
42/75

41 魔法とは。そして安定の流れ。(前)


 急いで中庭への入口に駆け寄る。窓から見える中庭は炎の海と化している。凛の姿も確認できない。冗談じゃねぇ!

 ドアノブに手をかけると……


「アヂヂッ!!!」


 瞬間的に手を引っ込めて、思わず手をパタパタ降る。

 当然か、外は火の海。ドアノブは熱伝導率の高い金属製。必然的に温度が……って、冷静に分析してる場合じゃねぇっ!!


「クソっ!!」


 思わず悪態をついて、ドアを蹴破ろうとすると……


「フブキ君!どいてっ!!」


 イリーナさんが叫ぶように言いながら、俺とレイミーを脇に退かすと、腕捲りをして右手を前に突きだし……


「アトモスフェア・ウォーター!!」


 そう唱えると共に、辺りの空気中から無数の水滴が集まり、水の塊となってドア全体を水の膜で覆った!

 ブシュゥーっと水が水蒸気に変わりながら、ドア全体の温度を奪って行く。

 そして……


「下がってて!!」


 イリーナさんがそう言い、ドアを開け放つ。

 次の瞬間。物凄い熱風が俺達に当たり、廊下の気温を上げていく。するとイリーナさんが手を振るうと、水量を増しながら蛇のように連なった水が、熱い空気を切り裂くように中庭に突入していった。

 そしてイリーナさんが叫ぶ


「デヒュージョン!!」


 次の瞬間。中でブシシャア!とスプリンクラーが何個も展開されたような音がし、瞬く間に中庭の炎は鎮火された……



************



(リン)っ!!」


 真っ先に俺は中庭に突入した。真っ黒焦げの芝を踏みしめながら、凛の方向に走る。

 火が消えたばかりで、大量の水蒸気が立ち込めているため、殆ど視界がきかない。しかも水蒸気のおかげで中庭は半端なく熱いし、途中で何か踏んで「フギッ!」と音が聞こえた気がしたが、そんな事気にしている暇はない。


 迷わず、さっき凛が立っていた場所に駆け寄ると……ペタンと座り込んだ凛が。しかし、凛にはかすり傷一つない。しかもなぜか、凛がの周囲1メートルの芝は青々と、普通に生えて残っている。

 当の本人は完全に放心状態だ。……全く。


「ふぅ……良かった。ケガないか?……にしてもなんで凛の周りだけ……」


 イリーナさんが、真っ黒焦げのカイトを起こしながら答える。


「凛ちゃんには、着火魔法の練習で火傷しないように、炎避けの魔法をかけておいたのよ……」


「へ、へぇ……」


 それは良かった……魔法ってなんでもありなんだな……

 凛の方に向き直って、視線を合わせるためにしゃがんで話しかける。


「凛。人に頼まれたって。やって良いこと、と悪い事があるんだぞ?今回なんか、イリーナさんにダメって言われてたんだろ?」


「……ごめん……なさい……やってみたかったから……」


 そう言って、凛は涙目になってうつむいてしまった。……やっ、ヤベェ。泣かせてしまったぁぁああ!!ど、どうすれば……

 凛がその状態で口を開く。

 

「凄かった……けど……」


 凄かったって言われても……


「怖かったよぉおおっ……」


 そう言って俺の体を抱き締めて、俺の胸元へ顔を埋めた。

 そりゃそうだろう。魔法で守れれてたとはいえ、目の前で中庭全体がわんさかと燃えていたのだから。


同情しつつ、凛の頭をポンポンしてあげ……


 って。り、凛!?!?!?嬉しい、嬉しいけどもっ!!……というかこの状況は………成る程。これは俺が凛を泣かせたから、天が定めた罰なんだな。このまま俺の心臓を止めようという……


 すると、イリーナさんが鋭い声で……


「凛ちゃんっ!」


 ビクっ!!凛が少し跳ね、場が静まりかえる。少ししゃくりあげながら、凛が顔を上げた。……ああ、俺の天国(へ連れて行かれそう)タイムが……いや、まだ残ってる。手が。


「グズッ……はっ、はいっ……」


 イリーナさんがこちらに近寄り、半ばまだ俺に抱きついた状態の凛が、イリーナさんの顔を見る。


「人に見せて欲しいと言われたからって、無闇に魔法を使って、見せる物じゃありません!」


 厳しい顔をしながら、迫力のある声で叱りつける。普段優しいイリーナさんも、魔法の事になるとこんなに……これが魔法使いのプロというやつなのか……

 

「はい……」


 凛が小さな声でそう言い、首をすくめる。

 イリーナさんは声のトーンを少し落として、話を続ける。


「魔法というのはね、見せ物でも無いし、遊び道具でもないのよ。あくまでも人の役に立つこと。それだけに使うものなの。だからやたらめったら、使って良いものじゃないの」


「はい……」


「……それに私だって、最初に魔法を学んだ時は、嬉しくって、試したくなって。だからほいほい魔法を使って、怒られちゃった事もあるわ。だから……」


 イリーナさんは既に、怒った顔ではなく。お母さんのような、優しい顔になっていた。


「……だから、今回は多目に見てあげるけど、次はからは絶対にダメよ?そそのかしたカイトだって、十分悪いんだしねっ。でも、しっかりカイトに謝りなさい。向こうだって謝るから」


 イリーナさんはそう微笑んで、凛への説教を終え、一歩後ろへ下がった。

 その言葉でを聞いて、凛はコクリと無言で頷き俺から離れてしっかり立ち。黒焦げカイトに向き直る。


「……すいませんでした……ごめんなさい」


 ペコリと頭を下げて、そう言った。二回謝ったな……ま、凛にしてはよくできた。

 カイトの方も灰を払いながら立ち上がって、一礼する。


「その、無理言ってすまなかった……」


 照れ臭いのか、少目を反らして後頭部をポリポリとかきながらそう言う。お前大人だろ。


「……はい。一件落着!」


 イリーナさんがそう言って。大火事事件は幕を閉じ……

 というか、それよりも……


「そういゃあ。バカ」


「バカって呼ぶな!年上を敬え!」


 殆ど自分せいで真っ黒焦げになったバカを敬う気はない。


「なんでお前そんな軽症なんだ?」


 あんな炎の中にいたら、普通死ぬだろう。するとバカは、灰を振り撒きながら大袈裟に胸を張り


「ああ。それなら。俺の自慢の一つの。防御力の高さだろう。イリーナの炎に耐えてきた俺にはヘッチャラだった……さ」


 え?イリーナさんの?

 てか、その様子だと普通にヤバかったんだろ。


「まぁ……美少女に燃やされるなら、俺の本望」


 次の瞬間。イリーナさんの出した水の球でカイトは吹っ飛ばされた。……イリーナさんのが来るとは思わなかった……


 ほんと、狩の時と普通の時じゃ、人が変わる奴だ。


ごめんなさい。大分短い上に中途半端でしたね。次回もカイト邸でコント……じゃなくていろいろ会話等を経て、第一章は終了する予定です。予定。

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