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あの、FPSゲーマーですけど。ジャンル違うんですけど。  作者: きょーま(電傳)
第1章 この街で生きていく!(仮)
41/75

40 まぁ……ジャンル違うから。

遅れました。ごめんなさい…………


今回は説明会に近くなっちゃい、長くなりましたが、どうか最後までお付き合いください\(_ _)

カイト邸。地下、武器訓練所にて────



「え、えーっと……」


 レイミーが言葉を詰まらせる。


「その……風吹(フブキ)さん。いくつか質問をしても?」


「いいけど……」


「では、いつから弓の競技……いや、弓に触れてきましたか?」


 ……いつから、と言われてもなぁ。FPS自体は結構昔からだけど、弓なんて武器は時々気まぐれで使ってきただけであって。

 使用時間換算でいいか……


「……まぁ、一年間くらいかな」


「い、一年間でその腕前ですか……それなのに、適性が低いとは……(にわか)に信じがたいですね……」


 勿論弓なんて一年分も使っている訳ではない。短すぎると流石におかしいから、話を盛っただけだ。


 弓の使用時間なんて、合わせてもせいぜい200時間いくかどうか位だろう。1日のゲーム時間が、3時間位だったから……フルで使ってても70日間くらいか……勿論、弓でそんな事はしないが。

 小学校低学年の時から、FPSに触れてきた俺にとっては、とっても少ないだろう。だって弓だもん。弓。そう、弓。


 過去を振り返っていると、レイミーが難しい顔をしながらローブの袖を捲り……


「その、少し利き手を拝借……」


 え?反射的に右手をレイミーに差し伸ばす。何をしようってんだ?

 すると……


「失礼します」そう言って俺の右手を両手で軽く握り、白色に発光し初めた!!

 

「な、なあ。一体、何を……」


 俺がそう問いかけるが、レイミーはぶつぶつと何かを唱えながら、目を瞑っていて反応してくれない。魔法……だよな?

 しかし、レイミーがずっと発光しているが……特に俺には変化は無し。何をやりたいだろうか。


 すると、徐々にレイミーの詠唱(?)に力がこもっていき、俺の手を握る力も強くなり、さらに難しい顔に……しかも、さっきより光量が増し、まぶしい程になってきた。しかしながら……俺の方は、特に変化なし。

 

 そしてレイミーは次第に困惑顔になって、光は弱くなり……ついに俺の手を離した。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 レイミーは肩で息をしながら、袖を元に戻し、少し乱れたローブを正す。

 ……勝手に疲れられても、困るんだが……

 

「な、なぁ……何してたかは分かんなかったけど、大丈夫か?」


「ええ……大丈夫ですけど……さっき僕は魔力増幅をかけてみたのですけれども、何か感じますか?」


 ……魔力増幅?

 取り敢えず、再び弓を構えてみるが……


「……なんも」


「はぁ……」


 そう言ってレイミーは、近くにあった丸椅子に腰を落とした。


「本当に適性が低いようですね……取り敢えず魔法は絶対に使えない。魔力も微塵に貯められない体だ、ということは分かりましたよ……」


「つまり、魔法系に関しちゃ、無能か……」


 弓とか魔法とかは、あまり使おうと思わないが、それでも才能無しとか言われるとちょっと傷つくな……

 まぁ俺には一応、武器召喚と手元の謎の拳銃二丁があるから、大して気にはしないが。


「本当に珍しい方ですね。ここまで弓のセンスがあるのに適性が無い、その上

これだけ魔力増幅をかけても何も感じないとは……それに、魔法や溜め技が使えなくても、魔力というものは誰でも、ある程度は貯められる筈なのですが……」


 その原因は……この世界の人じゃ無かったから。って事か?

 RPG.MMOゲーマーだった凛は、能力でそこら辺は補われているのだろうが、何せ俺はFPSゲーマー。きっとジャンルが違うせいでこうなったのだろう。


「……気を落とさなくてもいいですよ。それだけの弓の技術をお持ちなら、溜め技が無くても、そこらのアーチャーよりずっと良くやっていけると思いますよ」


「あ、ああ……」


 別にサブ、サブ、サブ武器(ウエポン)程度にしか考えて無いから大丈夫だが……それよりもレイミーは俺達の最終目標が魔王討伐だと、知っているのだろうか。


「とにかく。風吹さんに溜め射ちは不可能でしょう……でもその代わり、立ち回り等をしっかり学び、練習を積んで更に腕を上げればもっと強くなれますよ」


 そうだな、弓は人目がある時用の武器。貰った能力をもっと体に馴染ませれば、ある程度なら使い物になるだろう。銃が使えない、人目がある時だけね。


「分かった。頑張るよ……」


 主に銃を使う時の立ち回りに、応用する為にな。

 にしても……レイミーってなんか、先生みたいだな……



***************



 それから一時間ほど。弓の立ち回りの基本や、仲間と連携を組む時のスタンス。弓を使っていい時、悪い時の判断基準等。弓の運用方法を教えてもらい、そしてひたすら的に向かって矢を放ち続けた。


 最初の内は、たまに中心から少し外れることもあったが、それもなくなった。

 そして今は弓の手入れの仕方を教わっている。


「こうやって、弦を張ってですね……」


「ほうほう……」


 レイミーが一旦外して手入れした弦を、弓をしならせながらもう一度セットする。


「弓というのは、木が元に戻ろうとしている力で弦を貼っているのですよ」


 なるほど……レイミーの説明を聞きながら、俺ももう一つの弓を使って、レイミーの真似をする。

 ヨイショっ……結構、弓を曲げたまま作業するって難しいな……

 なんとか弦を弓本体の両端に装着することができた。ふと、さっきから思っていたことをレイミーに訪ねる。


「レイミーって、物知りなんだな」


 するとレイミーは少し照れくさそうに、頬をかきながら


「そうですか?良く本を読んだり、色々な人の話を聞いていただけですよ」


 へぇ……自ら進んで勉強するとは。それで「してただけ」って……謙遜するなぁ……


「いや、そんな事はねぇよ。自分の専門で無くても、そんだけ知識溜め込んで、人に教えられるんだ。凄いぞ。やっぱり」


 すると、レイミーは少しうつむき


「そう……思いますか?」


「ああ、俺なんか興味の無い事は趣味、勉強含めてとことん興味を示さないタイプだし」


 高校の勉強なんて、理数系以外は上の空だ。テストはそれなりの点数はとってきたが、終わったらあっと言う間に頭から無くなっている。

 それに比べ、兵器知識は友人にキモいと言われる程頭に入っているが……


 ある時、歴史の先生が「これが世界最初の戦車だ」ってルノー戦車(世界で二番目の戦車)の画像出されて、反射的に反論して引かれた事も……話を戻そう。

 

 趣味のほうだって……食わず嫌い無しで、凛と一緒にRPGもやっていれば、もっとマシだったろうに……


「……風吹さん。確かに勉強面は嫌では覚える事はあります。しかし、趣味の方は違うと思いますよ?趣味はあくまでも自分の好きなように、やればいいんですよ……」

 

 今の俺達みたいに、趣味に依存したチート能力を貰えると分かっていたら、違ってくるけどな。今さらだけど。


「……まぁ僕が色々な知識があるのは、そういうのに興味があったっていうのと、そういう教育・・を受けて来たって言うのもありますからね。たまたまなんですよ……」


 相変わらず謙遜するな……

 というか、そういう教育ってどんな教育だよ……ハンターのか?


「……風吹さんも、そういう経験、おありでは?」


 あ、あるかなぁ……そんな経験……まぁ今んとこ、ミリオタは役にたっていると言えなくは無いが……

 そんな事を考えている内に、レイミーは俺の使っていた弓と自分の使っていた弓を持って、倉庫らしきの扉の向こうへと消えていった……



*************



「あ~あ……過去を振り返ったって、大していい思い出はねぇな……」


 勿論、凛とのゲーム生活は別だが。


「ほんとに……」


 そう思いながら立ち上がり、練習場内をうろうろ見てまわる。この世界……と言うよりは昔の時代の武器に興味があったからだ。


 よく見る両刃の剣。湾曲した剣。ギザギザの剣……ハンマーやトゲトゲの鎖付き鉄球なんてのも……

 どこかの博物館で見てきたような武器が、壁沿いにズラリと並んでいる。

 ……全部近接武器か……自分サバイバルナイフを取りだし、一つの小型短剣と見比べる。……俺って本当に近接武器ダメなのかな……ナイフならCQCやCQBはできそうだが、刃渡りが長くなると、どうなるのか……


「あー。やめだやめ……近接武器なんて俺の趣味じゃない」


 そう言い聞かせ、更に他のククリやらトンファー等も流し見してみる。……にしてもホント、よくこんなに武器揃えてんな……一種類だいたい一個のようだが、それでも数が多い。軍の武器庫かよ……


「お?」


 今度は壁に、俺の肩位の高さの出っ張り……棚がある。

 棚すぐ上の壁に、剣と盾の装飾品。中世を舞台にした映画のお城等でよく見るような、紋様の描かれた盾に、斧と剣が交差してくっついているあれの事だ。それがホコリを被って張り付いている。


 そして棚の上には……日本刀を置くような木製の台座が……しかし、本来その上に乗るべきであろう剣が見当たらない。

 ……なんで台座だけがあるのだろうか……

 まぁ俺が気にする事はないか……


***


 更に歩くと等々突き当たり……ただ単に寄せ集められた日用品の山に到着する。

 木箱とかも結構あるが……イリーナさんの服の量も引けをとらない。

 これなんてまだ着れそうなんだがな……凛がこれ来たら、凄く良いような……

 そんな事を思い、日用品の山を少し眺めたり、これはすげぇドレスだな……とか思いながら、少し捲ったりしていると……ん?

 服と服の間に、銀色に光る何かが見えたような……すると……


「フブキ君?」


「わっ!?!」


 肩をチョンと叩かれて、思わず飛び上がってしまった。別に如何わしい事はしてないよ!?

 振り向くと……イリーナさんが立っていた。……マズイ。


「あ、そっ、その……人の物、勝手に触ってすいません……へ、変な事してた訳じゃありませんから!」


 あわてて頭を下げる。……間違っても、女性の着ていた服を眺めたり、触ったりする趣味がある変態だとは思われたくない。

 イリーナは少し意外そうな顔をし


「……変な事?別に気にしないわよ。もう着てないし……」


 そ、そうですか……それなら良かった……するとイリーナさんがクスっと唇に手を当てながら上品に笑い。


「もしかして、リンちゃんに「これ着させてみたいな~」なんて思ってたの?」


「そっ、それは……」


 なんか、他人に本当の事言うと気恥ずかしいんだが……


「ま、まぁ……はい……」


「あら、凛ちゃん思いでいいじゃない。恥ずかしがる事無いわよ」


 イリーナさんは少し嬉しそうに、尚フフっと笑う。

 きっと今。俺の顔は猛烈に赤くなっているだろう。……恥ずかしい……俺ってこんなに女性(凛は女子か)関係に弱かったのだろうか……ダレカタスケテクレ……


 すると、助け船が。


「あれ、イリーナさん」


 レイミーがやっとこさ倉庫から出てきた。


「レイミー遅かったな……」

  

 この広い練習場全部見終わったぞ……


「……弓をしまっていたら色んな物が降ってきまして……」


 それでまたホコリまみれなのか……というかどんだけここ荒れてるんだよ。


「──ところで、イリーナさんはなぜここに?」


「ああ、一通り凛ちゃんの大剣の訓練と魔法の勉強終わってね。そろそろ暗くなるから、どうするかってなって……」


「そうですか……確かに、気がついたらもう、日没時間ですね……風吹さん。今日はこれくらいにしましょうか……」


「そうだな……」


 結構集中していたから、体感時間はあっという間だったが。

 レイミーとイリーナさんに続いて地下室の階段登り、一階の廊下に出る。


「カイトと凛に声かけなきゃ……」


 三人でゆっくりと、中庭の入り口に向かって廊下を歩いていると、途中に一つだけ開かれた小さな窓から……


「──そうだ、凛ちゃん。火属性魔法の火球見せてくれよ」「え、でも……イリーナさんが街の外じゃないとダメって……」「……ここなら街の外みたいなもんだ。小さいのでいいから……」「──そう……ですか……」


「「「……」」」


 凛がバカにそそのかされてるんだが……


「なぁ……止めにいった方が……」


「行きましょう」


「は、早くっ!カイト死んじゃう!!」


「「「えっ?」」」


イリーナさんの言葉で、俺とレイミー。そして中庭にまで聞こえたのだろうか、カイトまでもが動きを止める。

 そして…………


「り、凛ちゃん!やっぱタイムに……」しかし、凛には聞こえていないのかカイトの叫びをかき消すように……

「ブリーング……フレイムっ!!!!!」


 『シュウゥイィイイイン……シュバッ!!!』


 イリーナさんの比にならないような火の球が発射され…………


 ドッッゴォォオオン!!


 地面に火の球が炸裂し、中庭は超巨大な炎に包まれた!!


「……バカっ!」


 三人揃って、中庭の入口に向かって駆け出した……

 



 





 

 

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