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あの、FPSゲーマーですけど。ジャンル違うんですけど。  作者: きょーま(電傳)
第1章 この街で生きていく!(仮)
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36 残りの一体ともう二体

ちょいと短くなりました。


「イリーナさんの作ったサンドイッチ、美味しいですね」


「そう言って貰えると嬉しいわ、ありがとう」


「ほ、本当に美味しいですよ……」


 イリーナさんが優しく微笑む。少しだけどぎまぎとしてしまった。男なら全員、絶対こうなるだろう。

 ……こういう会話は、凛としてみたいもんなんだけどなぁ……

 そんな考えもつゆ知らず、凛は俺の横で黙々とサンドイッチを食べている。やたらがっつくな……


「……グッ、ゲホッ」


 喉を詰まらせたのか、慌てて紅茶で流し込んだ。言わんこっちゃない。


 俺と凛、イリーナさんは麦畑の近くに風呂敷を広げて、少し早めの昼食をとっている。

 カイトとレイミーはと言うと……


「──それで、こういう始末ですか」


「はっ、ははぁ。その通りでございます──」


 最初にやった奴も合わせ、三体のLコボルトの死体と共に地にひれ伏し……いや、土下座をしているのがカイトで、その前で物凄い殺気を放ちながら説教をしているのがレイミー。右手には抜刀した小太刀を持っているから恐ろしい。


「あ、あれ……大丈夫ですよね……」


 平気でカイトをぶっ飛ばすレイミーなら、切りつけてもおかしくない気がしてきた。と言うかさっきはマジで刺すんじゃないかと思った。


「大丈夫よ、いつもの事だし」


 イリーナさんは当然。と、平気そうな顔でカイトとレイミーを眺めながら紅茶をすする。

 ……本当に、よくこんなんで仲間としてやってきたな……俺なら、カイトみたいなのがずっと仕事仲間ってのはゴメンだ。

 

「──貴方、もう上級者ですよね?これは中級クエストですよ?」


「は、ははぁ。ごもっともです。これは全て自分の多大なるミスのせいであって……」


 なんか会話がワンパターンな気が……まぁいいだろう。カイトはいつもと違い、一つも反論せずにひたすら謝っている。……たぶんレイミーが小太刀を持っているからだろう。ピクリとも動かないでいる。


 こうなった経緯は言うまでもなく、あの後、ラージコボルト二体をレイミーが引き付けつつ、一体を小太刀で一閃し、その間に魔法の詠唱を終えたイリーナさんの火球一発で、カイトが連れてきたラージコボルトは二体とも無事、倒された。


「……やっぱり上級者って凄いですね。こんなモンスターを一瞬で倒すなんて」


「そんな事無いわよ。長年やってれば、おのずと皆こんな感じになるんだから」


「そうですか……」


 長年と言ったって、5年だよな……やっぱり凄い……

 そう思っていると、今度はイリーナさんの方が話しかけてきた。

 

「………カイトだって、さっきみたいにヘマする事はあるけど、とっても強いのよ?」


「それは何となく分かりますけど……」


 あんだけアホな事してると、いくら強くてもいつか死ぬぞ……


「カイト、真面目モードの時は凄い冴えてるし、切れがあるんだけどね……それ以外の時は、後先考えないで行動する事が多いのよ………多目に見てあげてね?あれでも一生懸命にやってるんだから」


「は、はぁ」


 イリーナさん、ホントに優しいな……もうちょい厳しくしないとカイトがダメになちゃうぞ……

 

 実際、さっきLコボルトを排除し、それを皆で死体を無言で一ヶ所に集め終わり、真っ黒オーラを放っていたレイミーにかけた一言が「いやぁ、ゴメンゴメン」だ。

 そして、カイトがそう言った瞬間。レイミーの足技でカイトは地面に叩きつけられ、小太刀を抜いたレイミーに追い詰められて現在に至る。……いつかモンスターより前に、人間(レイミー)に殺されるぞ……


 それを見て、俺と凛が戦慄している中、「もう……先にお昼ご飯食べてるからね~」と例のポシェットから出した弁当を、平然と用意し始めたイリーナさんにも少し戦慄したが。


「……いつもの光景よ……」


 ホントによくこのパーティーメンバーでやってこれたな……



************



 「さて、誰かさんのおかげで計四体のラージコボルトの討伐が完了したので、残りの一体を探しに行きましょうか……」


「わかった……」「はい」


 恐怖の説教の後、レイミーとカイトも昼食を食べ終え、麦畑から離れて森の方へ向かう。

 昨日入った森程では無いが、それでも草木の量は森と言うだけあって多い。

 一同、特に会話もなく周囲警戒をしながら、どんどん森の奥へと進んで行く。

 するとレイミーが


「掛かりました……」


 そう言って足を止めたので、俺達も立ち止まる。……また生物探知魔法とかの事かな……


「……いたのか?」


「ええ……ですが、三体居ますね……それも、一体はラージコボルトのようですが、もう二体は……分かりませんね……」


「戦ってるのか?」


「ええ」


 ふ~ん……カイトがそう言って顎をさすりながら考え込む。


「この辺りにラージコボルトと張り合える奴なんていったけなぁ……」


 ……フラグ発言ぽい事言うなよ……

 俺もレイミーとカイトの会話に混じる。


「どんくらいの距離だ?」


「僕の探知魔法圏内の端ですから……恐らく300メトラ程かと……」


 おっと、聞きなれない単位が出てきたぞ。いきなりメトラなんて言われても検討がつかない……じいさんに金の単位だけじゃ無くて距離の単位も聞いとくんだった……

 俺の耳に争いの音が全く入って来ないから、さほど近い訳ではないと思うが……

 凛に知らないか?と視線を送ると、耳元に口を寄せて小声で


「(たぶん、こういうパターンだと大体1メトラが1メートルと同じく位だと思っていいかも)」


「(へ、へぇ……ありがと)」


 こういうパターンってどんなパターンなんだ……とりあえずそういう事にしておくか……


「行くべきだと思います?」


「……安全面的にはいかない方がいいと思うが……このエリアでラージコボルトにちょっかい出す奴が何かを確かめたい。だから俺は行った方がいいと思うが……」


 二体のLコボルトを俺達の所に追い立てて来た奴が言うことか……

 さっきと雰囲気が様変わりしているから、今が真面目モードなのか?


「カイトがそう言うなら、私も賛成よ」


「そうですか……それなら行きますが……風吹(フブキ)さんと(リン)さんはどうですか?勿論万一の時には僕達が全力で守りますが……」


「別に安全面の事は気にして無いから、そっちが行くって言うなら俺だって行くよ。凛も別にいいだろ?」


「うんっ」


 俺は、曲がりなりにも上級ハンターであるカイトが首をかしげる所に、進んで行く気は無いが……まぁLコボルトを瞬殺できる3人が一緒なら別にいいか……万一は俺だっているし。


 ……というか、凛は目を輝かせて興味深々の様だし、例え全員が「行かない」って言っても一人で行ってしまうだろう。


「じゃ、ちょいと調査も兼ねて最後のラージコボルトの討伐に行くか……ほら、どっか逃げない内に、とっとと行くぞ!レイミー、案内頼む」


 カイトがそう言い、レイミーに先導されて皆、小走りで更に森の奥へと進んで行った……


 




 

 



 

 

 




メトラという単位。もしかしたら途中で変更するかもしれません。その時はごめんなさい。


活動報告読んでね!

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