目を覚ますと
バアルが目を覚ますと其処は薄暗くジメジメした場所だった。
「どこだ・・・ここは?」
誰に聞いているのだろう自分でもわからない
。
「痛っ」突然激しい痛みが彼を襲う。そして思い出される記憶。
『ぎゃああああ』『止めてええええ』真っ赤な風景とともに響き渡る悲鳴。
「うわああああ」バアルは思わず叫んだ。
「はあはあ、そうだ・・・どこかの神が俺のところに攻めてきたんだ! はっアナトは!」
バアルは妻の名前を呼ぶが答えてくれる人はいない。妻のアナトも息子のモトも見つからない。
「どこへ行ったんだ。あいつら・・・」
ガチャと扉が開く。
「アナトか!!」
「目を覚ましたか」
知らない男だった
「誰だあんた」
「あんたとはひどいな。一応お前の命の恩人なのに。俺の名前はムール・ムールだ。よろしく、お前は?」
「俺はバアルだ。それと命の恩人てのはどういうことだ」
「そのままの意味だよ。俺はお前が倒れているのを拾っただけだ」
「そうか・・・ん?そうだお前俺の妻を知らないか?」
瞬間ムールの顔を見て激しい悪寒を感じた
「ま、まさか・・・」
「・・ああお前をかばうように死んでた女がいた、多分それだろう」
そしてバアルを激しい痛みが襲う。
「そうだ・・・思い出した。確か俺はあの神に戦いを挑んで・・・負けて・・・それで」
バアルは最愛の妻を失って悲しみに潰されそうになった。
「悪い、少し一人にしてくれ」
「・・・ああわかった」
ムールは外に出て行った。
そして
「ああああああああああああああああ」
バアルは叫んだ。妻の死を悼んで。
そして誓った「あいつだけは俺が絶対に殺してやる」
毎週土曜に連載していくつもりです。
初めてで拙い文章ですが見てやってください。
よろしくお願いします