皆の者、宴じゃ!
村の広場に出ると、真ん中に大きなたき火があり、その周りに村人たちが座っていた。
もうすでに酔っぱらっている人がいるのは気のせいかな・・・?
「皆の者、宴の準備はできたか! 食べて、飲んで、踊りつくせっ!」
「「「「おおおぉおぉ!」」」
村長さんの掛け声とともに宴が始まった。
四方八方から食べ物やお酒が出されてくる。
未成年だけどまあ、いっかと思いつがれたお酒をのむ(みんなはマネしちゃだめだからねっ)。 すると横から、これぞまさにこんがり肉って感じのお肉が差し出される。
大きくかぶりつくと、おお!と歓声が上がる。 肉汁が次から次へとあふれ出し、肉はしっかりとした触感なのに噛んだ後は簡単に溶けていく。
やばい、うまい。
こんがり肉にかぶりつき、お酒をのむ。
ふと、隣を見ると、お皿、骨の山を周りに作ったルキアがいた・・・。 なんだろうあいつのお腹は異次元なのか? 4次元ポケ○トなのか?
宴も終盤。 僕がエルフだと知るとみんな驚き、中には村長さんのように涙を流している人もいた。 また、ルキアが精霊だと知るとこれまたみんな驚き喜んでいた。
初めて見るもの、初めて聞くもの、何もかも新鮮で驚きに満ちていた。
しかし、自分は本当に異世界に来てしまったのだな、と嫌でも思わされた。
もしかしたら、もう日本には帰れないかもしれない。
なら、後悔しないようにこの人生は思いっきり楽しもうと心に誓った。