ギルドのおっちゃん
石造りの立派な建物だった。大きさは現代の体育館ほどだろうか、この世界の基準でいうととても大きい建物の分類だろう。
「でっかいね・・・」
「うん・・・」
またしても二人でぽかんと口を開ける。
ギルドの中に入るとそこは期待を裏切らずに想像していた通りのギルドだった。まず目に入るのが酒場。 そしてそこで食事をするいかにもハンターです、な人たち。 明らかに人間じゃない人種の人たち。 そして受付カウンターにいるお姉さん・・・じゃなくて小太りのおじさん・・・。
なんで? なんでここまで完璧なのに最後にこんなひどい仕打ちをするの? 受付と言ったら美人巨乳のエルのお姉さんって決まってるだろうが!!
ギルドの床にがっくり膝をついてはらはらと涙を流す僕をルキアが冷めた目で見る。
「変に思われるから行こうか?」
あい
ルキアに引きずられながらカウンターまで行く。 村長からの紹介状を見せるためだ。
「すみませ~ん?」
「何だい? 少年たちよ。」
な、なんか独特な話し方だな・・・
「この手紙をここのギルドマスターに渡していただけないでしょうか? 僕たちの村の村長からの紹介状です。」
「う~む、それは難しいだろうな。 少年たちよ、はっきり言ってどこの誰ともわからない子供が持ってきた手紙を上へ回して仕事を増やすことなどできないからな。」
やっぱりそうなるか・・・
「そこを何とかできませんか?」
「心配するな少年たち、何のための受付だと思っているのだ? 私が危険性がないか、内容はちゃんとしたものかを確認する。それで問題がなければ上へ行く。 まあ、よほど重要ではないとギルドマスターまではいかないがな。 その手紙を渡すがいい。」
言われたように手紙を渡すが、なんだこの人・・・ すごくいい人なのに喋りい方で損してる気がする・・・。
受付のおっちゃんが手紙を読み始めた、するとみるみるうちに顔色が変わっていく。
「ちょ、ちょっと少年たちよ、ここで待っていなさい! すぐ戻る!」
そういうと、どたばたと足音を立てながら2階へと駆け上がっていった。
周りの冒険者たちや職員たちの視線を耐えながらもじもじすること数分、さっきのおっちゃんが戻ってきた。 筋骨隆々の大男を連れて。
そしてその大男が言った。
「私がここのギルドマスターだ。モリトにルキアだったな。 少し話がしたい。」
こ、怖い・・・