街はすぐそこ
「起きろ~!!!」
「ふひゃいっ!」
おはようございます。今日も元気いっぱいモリトです。 朝っぱらから大声を出されたので右耳が死んでいます。
お返しにルキアをひとしきりくすぐった後に外に出る。 昨日の3分間ビルディングで作ったこの小屋は案外快適で久しぶりにぐっすり寝ることができた。 近くの小川に降りて顔洗い口をゆすぐ。ルキアはまだ小屋で伸びているだろう、安眠の妨害は重罪だ。
部屋に戻り床でぴくぴくと痙攣しているルキアを小屋から引っ張り出し出発する。
「ねぇモリト? 僕の扱いひどくない? ねぇ、僕ってこれでも木の精霊だよ?」
「知ってる。それとねルキア? 君は僕の眷属だよ」
僕のできる中で最高の笑みを浮かべて言うとルキアはがっくり膝をついていった。
「やっぱ、着いてこなければよかった・・・。 魚につられた僕の馬鹿め・・・」
「いやいや、冗談だから。ルキアのことは大切だし、眷属とかいうより親友って感じだからね?」
するとルキアは顔を綻ばせ輝くような笑顔を向けてきた。
「嬉しい!」
イケメンの笑顔って反則だと思う・・・
自分の顔が一気に熱くなっていくのを僕は感じた。
「あれ? モリト顔真っ赤っかだよ? 大丈夫?」
「うるせ~!もう行くぞ! 早くしないと日が暮れる!」
「なんで急に怒り出すのさぁ、それにまだ日は昇ったばかりだし・・・」
「いいから行くの!」
ルキアの手を引っ張り街の方へ歩く。
恥ずかしくって死ぬかと思ったが、当事者のルキアはご機嫌そうに鼻歌を歌ってる。
一瞬蹴飛ばそうと思ったけどなぜだかわからないけどやめた。
街はもうすぐそこだ。