3分間ビルディング
「体が痛い」
朝起きた僕は思った。 僕らの寝床事情は今のところ地面にたくさん草をはやしてその上に毛布にくるまって寝ている。 しかし、地形に左右されるせいなのか朝起きると体の節々が痛いことが多々ある。
「ルキア」 「モリト」
ふたりで顔を合わせる。
「こんな時は」
「「3分間ビルディングやってみよう!」」
僕とルキアの、僕とルキアによる、僕とルキアのための寝床事情改善計画。
「さあ、3分間ビルディングの時間が始まりました! さあ、ルキアさんまず初めに何をしましょう?」
「まず初めに、手ごろな大きさの木を探します。 大きければ大きいほどいいでしょう。 今回はこの椎木を使いましょう。 まず木に手をあて、自分の作りたいツリーハウスを頭に思い浮かべましょう。」
「はい、出来ました。 次はどうすればいいですか?」
「次に、魔力を流します。 ここで注意したいのが作るものが大きすぎるとそれ相応の魔力を使うことになります。魔力欠乏にならないように気をつけましょう。では、魔力を流してください。」
「ビルディング」
身体から魔力が抜ける感覚とともに椎木が魔改造されていく。
なんということでしょう
貧相で、周りにのまれていたただの木が今は見違えるほど大きくなっています。
細く、乗っただけで折れてしまいそうだった枝も今や幅広く寝やすいベッドに。
隙間だらけだった葉と葉の間も今や隙間もない立派な屋根になっています。 嵐が来ても耐えてくれるでしょう。
・・・・・・・・・僕疲れてるのかな・・・?
「なんか、このノリ疲れるね・・・」
「モリトがやれっていったんじゃん!」
ルキアが頬を膨らませいった。
「故郷が懐かしかったんだよ。 もう寝ようか」
「わかったよ・・・・」
さあ、明日は街だ