道中
いま、僕とルキアは森の中を歩いている。 あの話の後、村民全員で宴を開き夜どおし食べまくった。 出発の日に村長さんその他村人さんたちが若干二日酔いぎみだったのはご愛敬だ。
村長さんによると村から街まで一応歩きで行けるとのこと。 一応ってなんだよ・・・
今日は1日目。 問題なく街に向かって歩居ている途中だ。
ここら辺は地球でいうところの温暖湿潤性気候のようで、植生が日本と似ている。 ただ、薬草のようなものやマンドラゴラのようなファンタジーな植物も生えている。
川に沿って南に向かう。 ここは地球と同じで川沿いに村が発展していった結果だろう。
おかげで野宿がしやすい。
太陽がちょうど真上あたりに来たところで昼食を食べる。
メニューは、ここに来る途中になっていたリンゴのような木の実。 ルキアの好物だ。
それと村長さんの奥さん特製サンドイッチ。 村特製の生ハムがたっぷり挟まっている、肉好みにはたまらないサンドイッチだ。
お弁当に舌鼓をうった後に少し魔法の練習をする。 ルキアに魔法はイメージだといわれた後に少し魔法についてかんがえたのだ。
まずは、これを試してみよう。 ルキアがコブリンを大量虐殺をしたときに使っていた魔法だ。
「ウッドスピア」
地面からたくさんの木もとい槍がものすごい勢いで生えてくる。 範囲は絞ってあるもののまずこれをやられたら生身の人間、いや鎧を着ていても危険だろう。
次の魔法。 これは自分で考えた。 これを試すには獲物が必要なので森の中を散策する。
すると、一匹のゴブリンがウサギを食べていた。 するとこちらに気付いたようで棍棒をもってこっちに向かって走ってきた。
「命を吸い尽くせ 寄生木」
僕の手元から無数の小さな弾が発射される。その一つ一つが寄生木の種で、生物の魔力に反応して発芽する。そして宿主の養分を使い一気に育つ。 要するに・・・
僕の手から発射された ”弾” がゴブリンの体に吸い込まれていく。 あたる威力はそこまで高くない。 せいぜい肉に食い込み少し出血する程度だ。 だがそれで充分。 ゴブリンの魔力と血という ”養分” を与えられた ”弾” は一気に成長を開始する。 根が体中を走り回り、枝、ツタが皮膚を突き破り体中を覆い尽くす。
以上。
どないしよう、えらい魔法作ってしまったやん。 どないしよう
しまった、似非関西弁になってしまった。 でも、予想以上にえぐいな。
ちょっとこれは封印かな・・・