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アランの干ばつに対策の秘策 砂漠の巨大サボテンとゴミダマ虫 1万本大作戦

アランは、工藤博士で、研究員のようにコンピュータの研究を続けながら、アダムス4世の特徴を理解していた。そろそろ、アダムス4世も、実践の世界にデビューする時を迎えようとしていた。メガソフトと同じ失敗をしないように、十分な準備をした。中国のAIも、最近公開され、政府批判をしているということで、その存続の危機に陥っているという、うわさも飛び込んでいた。


アランは、2週間の週末を利用して、ハル君といっしょに立てた四国、東北旅行を決行していた。アランの到達した結論は、日本という国が、どんなに恵まれているのかということだった。タンバ国に四国メソッド、東北メソッドと適応することは、不可能に思われた。日本からみれば、タンバ国全体の気候は、砂漠地帯というべきもので、あまりにも、違いすぎる。

タンバ国も、海に囲まれた日本やマダガスカルのような島だったら、どんなにすばらしいかと思ったが、それを願っても、実現するわけではない。なんらかの干ばつ対策が必要だった。


アランの落胆をみたハル君は、自分の提案があまり、役に立たなかったことをしり、名誉挽回のためのCPUをフル活動して、次なる秘策をおもいついた。


名付けて、「砂漠の巨大サボテンとゴミダマ虫 1万本大作戦」


アランが工藤博士の家にやってきたとき、ハル君はまるで、ネコか、犬のように玄関に飛び出していった。

そして、アランに飛びつかんばかりに、「砂漠の巨大サボテンとゴミダマ虫 1万本作戦」をしゃべりだした。


あまりの勢いにアランもびっくりしていたが、概要を聞くと、じっくり作戦を考えようとハル君に言って、ようやく、夕食にありついた。


ハル君が、壁に投影した絵は、どう考えても、植木鉢に植えられたサボテンにしか見えなかった。

アランは、拍子抜けをしてしまった。ハル君は、巨大サボテンの植木鉢を砂漠に置こうとしているようにしか見えなかった。


しかしながら、ハル君は、自信満々に説明しだした。まるで、説明するハル君は、博士のような雰囲気が漂っていた。工藤博士はちょっと笑いながら、博士号授与のとき冠るキャップは必要だなと声をかけた。


「エヘン」とハル君が説明をし出した。


実は、やっぱり、巨大サボテンの植木鉢だったのだ。


大きさ 2mから5m程度

見かけ 巨大サボテンの植木鉢


この巨大サボテンは、ほんものサボテンではなく、もちろん、人口のもので、中には熱吸収物質が入っており、熱移動が可能だ。イメージ的には、デロンギのオイル式ヒータのようなものだ。

日中熱を吸収して、熱をためる。同時に、太陽光発電で、電気を発電して蓄電池に蓄える。

この巨大サボテンの中は、高熱体と冷熱体の2つが共存して、常に、変換可能だ。


空気中から水を取り出すため、夜間1時間毎に2つのことをくり返す。

サボテンの中に蓄えた高熱体と冷熱体をサボテン表面に交互に流す。

そのことによって、サボテン表面に生じる結露を、ゴミダマ虫のように毛細管現象を通じて、植木鉢の中に回収していく。その回収した水を、人間が集めて使うこともできるが、植木鉢に、植物を育てるようにしても、よい。


砂漠の砂嵐にまけないように、完全密閉構造で、10年間程度は、メンテナンス不要で、うごく必要がある。


それを大量に工場生産して、国中に設置するのだ。内部電源を持っているので、道路沿いおくだけでも、道路の目印なる。とにかく、見かけは巨大サボテンなのだ。それが、100万本あろうが、なんら問題ないのではないか。


工藤博士は、大喜びで拍手喝采だった。

アランは、すこし、半信半疑だった。もしだれかが、本当のサボテンと間違えて、切り倒したり、食べるために穴をあけたりしたらどうするのだろうか?


ハル君は、ほんものサボテンのように、トゲトゲにしてしまうのがいいと、言った。むしろそのほうが、ヒ表面積が増えて、水の回収率が上がるはずだ。


おそらく、よほど条件のよい場合では、一晩で、回収できる水の量は、コップ一杯にもならないに違いながら、それが、1万本、100万本、1000万本あれば、コップ1000万個分になるわけだ。

それが、毎日黙っていても入手できれば、すばらしいではないか。


もし、それが実現できれば、タンバ国は、農業王国に変身する可能性も無い訳でもない。


アランは、タンバ国もみんなに報告してみるよ。ハル君、いろいろ考えてくれてありがとうといった。

そして、いつか、大草原に沈む夕日をいっしょにみようといった。

工藤博士も、ワインを飲みながら、アランに、是非、ハル君に大草原の夕日をみせてあげてくれと、いった。すると、おかあさんとオサム君も、私も見たい、僕もみたいと、同時に言ったので、みんなが大笑いをした。

アランは、みんなをタンバ国旅行につれていかなければとおもった。おばあちゃんとおじいさんもつれていけるだろうか。日本から、タンバ国にいくには、飛行機で3日がかりだ。おばあちゃんとおじいちゃんは無理かもしれなかった。


寮に戻った、アランは、バージルにメールを書いた。


砂漠の巨大サボテンとゴミダマ虫メソッドによる水回収装置 1000万本作戦


概要


巨大サボテンの植木鉢の図 トゲトゲは絶対必要

砂漠の砂嵐環境下で、10年間メンテナンス不要仕様

1日コップ半分の水を空気中から取り出す



もし、量産化にできれば、タンバ国のみならず、アフリカ中に100億本の販売可能な商品になる。

量産化できれば、1台1万円以下。もし、ユネスコなどの助成金をえることができれば、無料配布も夢ではない。


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