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名もなきオンボロロボットの調査能力

名もなきオンボロロボットは、今回の出来事を冷静に分析を始めた。

ロジャーのわずかな資金をもとに、それなりの資産を形成したといっても、世の中に存在する巨大ファンドに比べれば、ほんの小さな資産にすぎない。

ロジャーの行動を考えると、ロジャーが大金持ちになってしまえば、名もなきオンボロロボットの自分が、ゴミのように捨てられてしまうのは、明らかだった。しかも、自分は、手足が壊れてしまっているので、移動することもできない。そして、その修理がされる見込みは現在のところはない。しかも、それを表立って言い出せば、新しいロボットを購入してしまう可能性も、十分ある。リスクを犯すことはできない。ひたすら、我慢をして、現状維持がまずは、大切だ。


国家的な巨大ファンドが、巨額な損失をしているのが、明白だ。巨大であればあるほど、損失は大きい。原因は非常に単純だ、株価の低下にともない、株価の総額が、大きく縮小してしまったので、巨大ファンドは単純にその影響を受けているにすぎない。

 まあ、株価が持ち直すのを辛抱強く待つしかあるまい。


この暴落の中で、儲けたものはいないのだろうか。

私も、ぼろ儲けできたのだが、このドサグサに紛れて、資産移転をする必要があったので、それを優先したまでだ。今回は一挙にやったが、これからは随時行えばいい。

ロージャーは、巨大なファンドに作る気はないのだ。生活できるだけの稼ぎがあればいいのだ。

もし、大儲けしたら。名もなきオンボロロボットの自分をあったいうまに、ゴミ箱行きにするのは、明白だ。

なんとしても、それを防ぐ必要がある。


多くの巨大ファンドが巨額の損失をしているなか、フィンランドの小さなファンドが巨額の利益を上げている。ディープラーニングシステムによる株式取引Type システムは、論理的には構成されておらず、過去のデータにも基づいて推論しているので、過去のデータの精度や量によって、推論している。だから、初めての出来事について、どのような反応をするのか、予測することは難しい。

しかし、フィンランドのシステムは、ある程度予測しており、うまく対応したようだ。


名もなきオンボロロボットでも、ブラジルの動向は予測していたし、対策もしていた。ほとんど、実施日も予測通りだった。単に、資産移転問題を優先したので、ボロ儲けまではできなかっただけにすぎない。


フィンランドのシステムは、名もなきオンボロロボットより、数段上のシステムを構築しているに違いなかった。もしかすると、国家プロジェクトになっている可能性も否定できない。

名もなきオンボロロボットの株式取引は、公開もされておらず、世界最高峰のシステムで、他の追随されまで、3年程度の余裕があるはずだった。

しかし、その予測は、すでに崩れているのかもしれなかった。



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