オサムおじいちゃんの話。その1 ミシェルとメイ
オサム君の孫娘「ねえねえ、オサムおじいちゃん、面白い話をして。」
オサム君の孫息子「聞かせて、聞かせて。いつものがいい。」
オサムおじいちゃん「おじいちゃんの話か。なにから話せばいいかな。」
孫娘「あのねえ。ミシェルとメイのところにいあた、ムーミンロボットとワン公ロボットはどうなちゃったの?世界制覇は出来たの?」
おじいちゃん「かれらは、ちゃんと、世界制覇をしたぞ。」
孫息子「ほんとう?」
孫娘「どうやって?」
おじいちゃん「それは、秘密じゃ。」
孫息子「そんなのずるい。」
孫娘「本当は、世界制覇はできなかったんでしょ。だって、私たち、ロボットに支配されずに、生きているんだから。」
おじいちゃん「ほんとうに、そうかな?。人間は、ロボットに支配されているんじゃ。」
孫娘「うそ。そんなの信じない。」
おじいちゃん「おじいちゃんのお父さんは、自動車の運転をしていたぞ。いまじゃ、だれも運転しなくなってしまったが。」
孫娘「うそ。昔は、自動車を人間が運転していたなんてうそ。そんなことはできないよ。」
孫息子「僕、自動車運転したい。ハンドル握って、アクセル踏んで、走りたい。」
孫娘「あんたみたいのがいるから、自動車を運転出来なくなったんだ。きっと。」
おじいちゃん「昔は、みんな車の運転をならう学校へいって、ちゃんと卒業しないと運転できなかったんだよ。」
孫息子「車を運転するのに、学校へ行かなければ,運転できないの?めんどうくさい。」
おじいちゃん「ほうら。ムーミンロボットとワン公ロボットが言っていたようになっただろう。」
孫娘「ミシェルとメイは、どうなったの?」
おじいちゃん「ミシェルとメイか? どうしただろうな?」
と、言って、おじいちゃんは、背筋を伸ばして姿勢を正して、目を閉じた。
10秒ほど経って、おじいちゃんは、喋り始めた。
おじいちゃん「メイは、すごい出世したぞ。フランスの人工知能研究所の副所長だ。しかし、実態は、この研究所の影の所長だな。」
孫娘「メイちゃんなら、そうなるよね。じゃあ、ミシェルは?」
おじいちゃん「ミシェルか。あいつは、どうにもならん。」
孫娘「どうにも、ならないというには、どういうこと。」
おじいちゃん「あいつは、退職間際なのに、ヒラ研究員だ。」
孫娘「どうして、そんなことわかるの。インターネットで調べもしないのに。」
おじいちゃん「ミシェルは、女ぎらいだ。だから、結婚もしないし、出世もする気もない。みんなが、昇級試験に受けろといっても受けないし、技術バカだ。金にならない、エジプトのピラミッドの計測に出かけたり、南米の山奥の遺跡に計測に出かけるは、アフリカの遺跡調査にいくわ。まるで、ボランティアなんだ。しかも、そのデータを整理するのに、4年も5年もかかるんだ。そんなことばかりしていたんだ。いいやつなんだけどな。」




