ルル電気自動車にミサイルと機関銃の注文がきた。
「おはよう、アラン」
「おはよう主任技師」
「とんでもない注文がきたぞ。ミサイルと機関銃だ。」
「ルル電気自動車は、いつから兵器製造工場になったんですか?」
「バッタ撃退用のミサイルと機関銃だ。兵器でない。」
「それって、大トンド国からですよね。いつものように。」
「ピンポーン。バッタ撃退用自動車は、大活躍だったようだが、なんといっても、バッタの数が多すぎる。それで、大発生にむけて、ミサイルと機関銃だ。」
「どんなミサイルだ?えーと。100万粒の小石を積んだミサイルだと。いったいどのくらいの重さになるんだ。まさか、弾道ミサイルか人工衛星打ち上げ用ロケットが必要になるんじゃないか。小石を1個1グラムとして、100万個では、1トンか。1トンのミサイルを打ち上げるなんて不可能だな。1トンというと小型自動車1台分の重さだ。車を100m上空に打ち上げるなんて無理ですね。100kgのものを100m上空に打ち上げるのさえ、難しいぞ。基本設計をしなおさないとミサイルの打ち上げはできないぞ。できるだけ安く簡単にしないとたいへんなことになってしまうな。環境負荷をできるだけ小さくして、バッタを撃退するには、鉄の玉は使いたくないし、金属、火薬を最小限にしたいね。できるかな。」
「アランの言う通りだな。まず、弾をつくってみようか。ミサイルと機関銃に使える弾の設計が重要だな。まず、弾をいくつかつくってみよう。爆竹を使えるといいんだけど。中国に普通に売っているのが、いいなあ。それを爆発させて、小石を飛ばして、バッタをやっつける。」
「その弾が設計が成功したら、それを積み込めるミサイルと機関銃を設計するしかないな。100m上空で、ミサイルを打ち上げる方法も考えないと。これは、かなり難しいぞ。」
「弾は、内部爆発して、小石を飛ばすので、外殻は、できるだけ、簡単に破れ、しかも、それなりの強度が必要です。先端が地面や壁にぶつかると、先端部が壊れ、外殻をやぶり、同時に、内部の火薬を爆発させて小石を周辺に吹き飛ばし、バッタをやっつける。そんな感じかな。それを、いくつミサイルに積み込んで、打ち上げられるかだな。」




