バッタの再襲来を迎え撃て
大統領は、浮かない気分で、いつものように、開店前の無料コーヒー店のドアを押した。
ムーンライトが、明るい声で、「おはようございます。」と言った。
若造が、大きなカップに、大統領に、特性コーヒーを出した。
「ムーンライト。バッタがまた来るぞ。」
「きゃー。バッタが、また来るんですか?。行ってしまったので、一安心と思っていたのに、嫌ですね。私は、バッタは嫌いです。」
「しかし、避けられない。今度は、迎え撃つ。」
「タンバ国に発注した、バッタ撃退自動車は、できましたか?」
「なんとか、間に合いそうだ。」
「それは、よかった。でも、うまくいきますでしょうか?」
「ムーンライトは、よほど、バッタが嫌いみたいだな。うまくいくか、いかないかは、やってみなければわからん。いままで、誰も、成功していないのだ。もし、成功したら、世界中に、広めてやるぞ。」
首都トンドの大通りを、奇妙な形のした自動車が、数十台走っていく。その速度は、あまり早くないので、なんだか、軍事パレードのようだが、国民には、それらが、バッタ撃退自動車\だということは、知らせているので、沿道には、どんな自動車が来たのか、多くの人たちがあつまってきた。
現在のバッタ撃退自動車のタイプは、5種類だ。
タイプ1は、小石飛ばし自動車
タイプ2は、地面から小石を集める自動車
タイプ3は、小石を積み込んで、タイプ1に小石を供給する
タイプ4は、撒き散らしたその場で、小石を回収する 緊急用だ
タイプ5は、飛んでいるバッタを回転するプロベラではたき落とす。
それぞれ10台ほどあり、軍事パレードのようだが、人間は、ほとんどいない。
広場に到着すると、大統領が、自動車到着の歓迎の挨拶をすると、すぐに、急いで準備することになった。操作方法は、当面、ルル電気自動車が担当し、ドント国の軍隊が、見習いにつくことになった。
タイプ2は、川原や山に、可能な限り小石を積み込みにいった。たくさんのトラックもついて行き、可能な限りたくさんの小石をあつめてきた。
燃料を満タンにして、バッタを迎え撃つ準備をした。
人のいる場所が、窓ガラスのある町中、自動車などのある場所は、やはり難しいので、大平原が、畑のような広い場所で待ち受ける必要がある。
トンド国の大草原で、待ち受けることになった。
戦闘開始だ。
全体で、数兆匹とも言われているが、その実態把握することもできない。
バッタは生き物なので、レーダーで捕まえることもできないで、人工衛星から見つけるのは、難しい。
気球やヘリコプター、ドローンなど使って、可能な限りバッタの補足を行い、行き先を予想して先回りする以外にない。
バッタの移動速度は、速いので、後から追い付くには難しい。バッタには、羽があるので、直線的に移動できるが、自動車は、道路や橋がないと、移動できない。だから、バッタに追い付くのは難しい。待ち伏せしか対策がない。
この大草原で、小石の弾がつきるまで、自動車のディーゼル燃料が尽きるまで、戦うぞ。エイエイオー。
さあ、来い。バッタ。
すべてのバッタを叩き潰してやる。
一匹たりとも、のがすなあ。
大トンド国には、たぶん、数百万匹、数千万匹いると思われるので、その全部をやっつけるのは、むずかしい。でも、一匹でも、やっつけてやるんだ。
そして、大草原で戦闘が行われた。
用意した小石弾を撃ち尽くし、燃料がなくなるまで、戦った。




