ゴードン 知恵を貸してくれ!
「ゴードン、知恵を貸してほしいんだけど。」
「アラン どうしたんだい。」
「バッタ退治大砲自動車を造ることになったんだけどね。」
「だけどね?」
「大トンド国から、小さな小石をぶつける自動車の注文が来て、造るんだけど。」
「小さな小石で、バッタを退治する大砲自動車?フーン。おもしろいじゃないか。」
「問題は、小石を集めるというのが、たいへんじゃないかと思うんだ。大トンド国も、タンバ国も海がないから、たくさんの小石を集める方法がない。地面を穿り返すのは、たいへんだろう。」
「まあ、たいへんだな。どこかに、大量の小石があればいいんだろ。でも、小石も貴重だからな、勝手に使うと問題になるかもしれないな。」
「そこで、砂漠の砂が無限にあるじゃないかと思うんだが、なんとか、バッタ退治に使えないか?」
「砂漠の砂か?大きさはどう考えも1mm程度だな。それを、バッタにぶつけて動けなくさせるほどのダメージを与えられかなだな。」
「質量が小さいので、ダメージを与えるためには、速度をあげる意外にないな。どのくらいの速度にすればいいんだろう。」
「バッタをやっつけられるくらいの速度。しかも、バッタは高速で移動しているので、一発必殺のパワーがないと、逃げていっちゃうぞ。」
「空気抵抗もあるから、なにか、良い方法が必要だな。回転を加えるとか。」
「圧縮空気で押し出すか?」
「でも、大量に連続して稼働する方法が必要なんだ。相手は、何百万、何千万、何億匹というバッタなんだ。」
「つまり、砂漠の砂をトラックみたいなものに積んでいって、高速に吹き出してバッタにぶつけて、やっつけたいということだね。」
「小石なら、なんとかなりそうな気がするが、砂漠の砂じゃ、殺傷パワーがでないというわけだね。高速で砂粒を飛ばす方法を考えてみるよ。」
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「えーと。運動エネルギーは、質量×速度の2乗 だから、速度が2倍になれば、エネルギーは、4倍になる。速度が10倍になれば、運動エネルギーは100倍になる。たしかにすごいが、1mmの砂粒は、どう考えても小さいな。この砂粒を大きくする方法はないかな?」
「なにか、へんなこと考え始めたね。」
「ミンミン。アランから難問がきた。」
「私、いい方法知っている。」
「ダメダメ。ミンミンのよい方法は、帚で僕の頭は叩くというやつだろう。あれは、本当に痛んだ。頭に瘤ができるんだ。だから、やめてくれ。きっと、いいアイデアが閃いているのかもしれないけど、あまりの頭の痛さで、そのアイデアを覚えていられないんだ。」
「そうなの。おばあちゃんが、困ったときは、そうしてもらいなさいといっていたんだけど。たぶん、おばあちゃんなりのショック療法だったんじゃないかな。」
「アランは、バッタ退治大砲付自動車を造る事になったんだけど、いい方法がないかと相談がきたんだ。」
「どんな相談?」
「地面から小さな小石をたくさん集めて、バッタに高速で打つけてやっつけようという自動車なんだけど、問題は、バッタをやっつける小石は集めるのが、たいへんじゃないかと。それで、砂漠の砂を使えないかというだけど、どう考えても砂漠の砂は小さすぎる。1mm程度なんだ。1cmのものと比べると1000の1の重さしかない。すると、同じ効果をえるには、速度を33倍にしなければならない。時速100kmで飛び出すとすると、3300kmの速度で投げなきゃならない。」
「なんなのその中途半端な速度?」
「運動エネルギーは、速度の2乗だから、1000倍にするには、33倍の2乗で、1000倍になる。しかし、速度を33倍にするなんてできるか。どう考えても、砂粒が小さすぎる。なにか、いい方法はないか。」
「つまり、砂粒を大きくする方法があればいいんだね。例えば、小さな袋に入れるとか、10粒ぐらいで、固めるとか。そんな感じだね。」
「畑や田んぼに落ちても、無害なもの、自然に分解されるようなものが、いいんだけど。」
「あまり、プラスチックは使いたくないという感じかな。」
「出来ればね。それに、何年も保管しても、くっ付かないようにしておかないといけないし。なにか、いいアイデアがあればいんだけど。」
「あまり、お金のかかる話は、無理なんでしょ。」
「もちろんだよ。バッタ退治にお金がかかるようじゃ、たいへんじゃないか、何億匹、何十億匹、何百億匹をいるんだぜ。だから、地面に落ちている小石でやっつけようとしているんじゃないか。」
「そうだよね。お金がかからない方法じゃないとだめだよね。」
「そして、連続して、100万個、1000万個、一億個の石を投げつけたい。あのにっくきバッタをやっつけるんだ。ミンミンもしっかり考えてくれ。くれぐれも、僕を帚で殴らないでね。本当に痛いんだから。」
「はいはい。帚で殴るのはやめますよ。」