ポーラよりミスタートムへ
「ミスタートム」
「どうした、ポーラ」
「旅の調子はどう」
「順調だ。アメシアスタンの現状が判ってきたよ。」
「そう、それはよかった。ところでミスタートム。アフリカでバッタが大発生したのよ。現在、紅海、ペルシャ湾をわたって、中央アジア、そして、東アジアに向かって、進んでいるのよ。」
「そうか。それはたいへんだ。アメシアスタンには、来そうかな?」
「本隊の直撃はないかもしれないなど、分かれた群れが襲う可能性もあるわ。なんといっても、彼らは卵を産みながら、移動しているので、数が、どんどん増えているのよ。アフリカの時も、だれにも防げなかったけど、ペルシャ湾を超えるころには、さらに、巨大化しているのよ。そして、これから、ますます、大きな群れになるわ。」
「アラビア半島の巨大な砂漠には、なにも、食べ物はないと思うけど、どうして、増えていくんだ。」
「彼らには、大きな羽があるの。1日で、何十キロも移動可能なの。巨大な砂漠も、彼らは、飛び越えられるのよ。」
「そうか。バッタは、高速で移動しているんだな。では、どうしたらいい?」
「直接防ぐ方法はないけど、準備をすることはできるわ。」
「アメシアスタンの気象庁や農業庁は、なにか、言っているか?」
「国内向けの警告は出しているわ。それに、アフリカの惨状について解説している。」




