ナロハ国防大臣一家の日本旅行 その3
ナロハ国防大臣一行は、函館で、お城やサクラを満喫していた。
サクラのトンネル。木々が、こんなにも、花をつけるのに、女の子たちも、唖然としていた。
アランは女の子や先生たちをならべて、写真をとっていた。
ナロハ国防大臣の奥さんは、ナロハ国防大臣の手を黙って、握っていた。
ナロハ国防大臣も黙っていた。
サクラのトンネルは、たくさんの花びらを、風にふくかれて、たくさん散っていたのに、サクラは尽きることなく、たくさん咲き誇っていた。
午後にホテルにもどると、クドウ博士とおくさんと、オサム君がやってきていた。
みんなで、ホテルの近所を散歩したりしてすごし、楽しい夕食をたべた。
ナロハ国大臣の奥さんとオサム君のおかあさんは、二人で、静かにお酒を飲みながら、静かに語りあっていた。メールでは、何度か、やり取りをしていたが、実際に合うのは、初めてだった。夜更けまで、静かにかたりあっていた。いつまでも、尽きる事のない時間が流れていた。
クドウ博士は、アランに100枚のカードの成果をさりげなくきいたが、ルル自動車会社の技師の家紋がしている程度の情報以外にはなかった。アランには、さがす手がかりはまったくないので、記憶に刻んだ映像との偶然の出会いを待つしか無かった。クドウ博士が、生涯をかけて、世界中の言語、画像を検索しているみつからないのだから、発見をあまり期待していなかった。クドウ博士にすれば、タンバ国のルル山になにか、手がかりがありそうだったが、予言者ノーランが、行方知らずになってしまったので、その手がかりもなくなってしまった感じだ。
まあ、焦ってみても、仕方がない。
クドウ博士は、ナロハ国防大臣からバッタの大被害の話をきくと、なにか、対策がないか、検討してみようとおもった。ナロハ国防大臣は、日本がなぜ、こんなに緑が多いのかといろいろ尋ねていた。タンバ国復興の手がかりを探していた。
翌日、ナロハ国防大臣一行は、クドウ博士たちに見送られて、タンバ国へ帰っていった。
バッタに食い荒らされたタンバ国の復興を心に誓って、日本を窓から眺めていた。




