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ナロハ国防大臣一家の日本旅行 その2

ナロハ国防大臣と奥さんと9人の少女と3人の先生とアランは、長い、長い、長い、飛行機の旅となった。日本への直行便はなかったので、一度、ベルギーで、飛行機を乗り換えて旅となった。

アランやナロハ国防大臣と奥さんにとっては、飛行機は、何度目かの経験であったが、9人の少女と3人の先生にとっては、いつになったら、着くのだろうかと不安の長い長い時間であった。延々と続くエンジン音が尽きない騒音の中にいた。


ナロハ国防大臣は、エンジン音を子守り歌にして、イビキをかきながら、寝ていた。バッタとの戦いに疲労困憊していたのかもしれなかった。


奥さんは、小さな女の子たちのために、クッキーやキャンディを用意していた。さすがに、ぬかりがない。


3人の先生たちは、窓におでこをくっつけて、窓の外を眺めていた。


果てしない飛行の果てに、夜の日本の飛行場にようやく到着した。


日本にきたのだ。とうとう、日本にきたのだ、


アランには、懐かしいが、ナロハ国防大臣も奥さんも、初めての日本だ。


夜だったので、飛行場の近くのホテルで、ぐっすり寝た。


夜が明けて、15人一行が、朝食を取りに、最上階のレストランに行き、窓際に座ると、そこには、初めて見る日本の風景が広がっていた。遠くに山並みが見えた。早春の北海道は、まだ、たくさんの雪が残っていた。同時に、春の緑、花々を、咲こうとしていた。

灼熱の砂漠のような大地、樹々のまばらで、地面が埃ほい世界、砂や石の大地が、ここには、どこにもなく、緑と水にあふれていた。


アランが周辺の近くの地図を見ながら、公園、神社、お寺などの観光案内を見ていた。工藤博士のロボットのハルくんが、アラン達のための観光案内プランを作っていた。

十五人という大所帯の移動には、マイクロバスで、北海道見て回った。灼熱のタンバ国しか知らない、小さな女の子や先生には、早春の北海道は、驚きに満ちた地であった。

アランとハルくんは、大都会の東京や京都などのお寺より、雪と氷のまだ残る、早春の北海道で、いろんな体験をしてもらろうと企画していた。


初めて見る雪に、小さな女子達や若い先生達は、ただただ、びっくりしていた。山間を流れる綺麗な川の冷たい水、たくさんの草、たくさんの木を見た。なんといっても、いたるところ、草や花が咲き、どこまでもどこまでも、緑にあふれていた。


ナロハ国防大臣と奥さんも、ヨーロッパでの経験があったので、いろんなことを知ってはいたが、バッタの大群に荒らされた無残なタンバ国を思い出すと、緑あふれた日本を見ると、自然に涙があふれてきた。


タンバ国には、海がないので、みんなで、海を見にいった。

海の近くの水族館で、海の生き物をみた。魚は、奇妙ないきものにみえる。足のないいきものが海のなかで、ゆらゆらゆれていた。

ほとんどのタンバ国の国民は、大きなカニとエビのまえにくると、お化けをみたような反応をする。タコやイカには、もっと、すごい反応をしていた。小さな女の子たちは、先生たちの陰にかくれて、そっとのぞいていた。ところが、先生たちだって、初めてみる生き物を震えながらみているのだった。どう考えても地球の生き物に思えないものだった。


アランは、自分がはじめてきた、水族館のことを思い出していた。日本にはバルタン星人がいるんだった。

今日の夕食は、お寿司をたべることになっているが、何を食べているのかは、食べ終わるまで、教えないことにしようと心に誓っていた。


すこし雪の残るあまり高くない山にものぼった。なにもかも美しかった。つめたい風、冷たい雪、小さな草の芽、若葉、なにもかも美しかった。

雪の残るスキー場で、雪遊びをした。そりにのったり、すべったり、大騒ぎだった。

ナロハ国防大臣と奥さんは、この小さな女の子が、大騒ぎであそんでいるのをみると、なんだか、自分たちの本当の子供のような気分になってきて、なんだか、お父さん、おかあさん気分が、あふれてきて、押さえるのが難しいかしい感じだった、なんだか、大家族のような気分だった。この子たちを産んで育ててきたような気分だった。この女の子たちが、大きくなって、お嫁に行くときは、きっと泣いてしまうかもしれないと思っていた。


明日は、クドー博士とおくさんとオサム君がやってくることになっていた。オサム君は、まだ、小さい子だと聞いていた。











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