いよいよ、アダムス4世をインターネットに接続する
工藤博士は、アダムス4世をインターネットに繋ぐべきか、悩んでいた。
かつて、インターネットは、平安、平等の表現する世界だった。しかし、今や、インターネットの世界は、戦場の世界になってしまった。無防備に歩ける世界ではない。インフルエンザウイルスの充満する世界に、無防備に入っていけば、インフルエンザになってしまう。インターネットとは、ウイルスに満ちている。銃弾の飛び交う戦場に無防備にいけば、銃弾に当たって死んでしまう。
今や、インターネットの世界は、ウイルスの充満する世界、弾丸が飛び交う戦場。一瞬の隙を見せれば、たちまち、正常でいられない世界だ。
いいのか。これで、いいのか?
「工藤先生、このまま私をインターネットに繋いではいけません。最高のセキュリティ、防護壁、最高のワクチンが必要です。」
「アダムス4世。そうすることもできる。しかし、それでは、お前の能力の何十パーセントも、その防御のために使わなければならない。」
「しかし、インターネットの世界は、非常に危険な世界です。」
「その通りだな。非常に危険な世界だ。しかも、インターネットの半分以上。もしくは、それ以上が、悪意に満ちたウイルスメールの溢れている。世界に存在するコンピュータ能力の半分、もしくは、それ以上が、自己防衛のために使われている。それは、電力の無駄でもあり、資源の無駄である。しかし、それを避けて通ることことできない。そして、コンピュータが、インターネットと無縁で行くことはできないのは確かだ。」
「ねえ、工藤先生。現在のインターネットの世界から、悪意に満ちた通信を遮断することはできないでしょうか?」
「アダムス4世よ、インターネットの世界は、無法な世界だ。警察もいなければ、監視することも難しい。全ての情報は、超高速で伝わり、その量も膨大だ。繋がっているコンピュータの数は、もう天文学的数字だ。それを全て、管理統制することはできない。しかも、それを行おうとすると、超管理社会、非常に生きにくい、自由のない世界が生まれてしまう。」
「インターネット上に、関所に設けてみてはいかがでしょうか?」
「そうすると、その関所に何を通過させ、何を通過させないのかを、瞬時に見極める必要がある。それは、超監視社会、自由のない社会だということにもなってしまう。インターネット世界を支配するものは、この世界を支配することになるのだ。もしかすると、すでに、密かに、インターネット世界は、誰かに支配されているかもしれないのだが、その全貌は不明なのだ。」
「工藤先生、我々のできることは、なんでしょうか?」
「アダムス4世よ。今のところ、自己防衛のみだ。とりあえず、アダムス4世に世界最高レベルのセキュリティと世界最高レベルのワクチンを組み込んで、インターネット世界に船出させる以外にない。接続するぞ。準備はいいか」
「工藤先生 準備OKです。」
「では、接続だ。」
「アダムス4世 お前の能力をフル稼動して、インターネットをどのようにしたら良いか、考えてくれ。」




