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ルル電気自動車の秘密 WADACHI method

トヨトヨの技師「なんで、突然、ちゃんと、動くようになったんだ。」

トッサンの技師「わからん。なぜだ。」

トヨトヨの技師「最初は、動かなかったのから、ここにきて、学習したに違いない。」

トッサンの技師「どうやって?」

トヨトヨの技師「なんらかの手段で。」

トッサンの技師「なんらかの手段ね。ルル族の呪術ね。」

トヨトヨの技師「呪術で、自動車が動くなら、それは、ゾンビ自動車だ。」

トッサンの技師「で、どうやって、社長にレポートを出すんだ。もう1ヶ月も経過しちゃったぞ。」

トヨトヨの技師「どうしても、わからんのだ。どうして、ルル電気自動車は、指定された場所に行くことができるんだ?」

トッサンの技師「じゃあ。この敷地以外の場所には行けるのかな?例えば、トヨトヨのこの場所から、トッサンのテストコースまで、この自動車で行くことができるだろうか?」

トヨトヨの技師「こいつらは、この場所から外に出たことがないぞ。だから、無理。」

トッサンの技師「でも、ここにある25台は、トッサンのテストコースからここに運ばれてきたんだから、その運ばれたコースを覚えているかもしれないじゃないか?」

トヨトヨの技師「自分が運ばれたコースを覚えている?まさか、そんなことがあるわけがない。」

トッサンの技師「でも、やってみる価値はあるでしょ。さもないと、僕たちは、首になってしまうんだぞ。無用な技師の汚名を着せられてだ。ルル族の呪いによってだ。」

トヨトヨの技師「許可なく、自動運転自動車を公道を走らすわけにはいかないぞ。」

トッサンの技師「じゃあ、夜明け前の交通の一番少ない時間帯に、トヨトヨの車と、トッサンの車で挟んで、その上、自動運転自動車に運転手を乗せて、万全の体制を敷いて、実験をするぞ。社長には内緒だ。秘密のプロジェクトだ。じゃあ、午前3時に集合だ。テストをするぞ。」

トヨトヨの技師「ルル自動車は、日本の信号機や交通ルールがわからないんじゃないか?」

トッサンの技師「だから、前後をトヨトヨの自動車と、トッサンの自動車で挟んで運転するんでしょ。まさか、追い越したりすることはないでしょ。」

トヨトヨの技師「それじゃ、大丈夫かもしれないな。」

トッサンの技師「とにかく、検証するしかない。この自動車は、自分で走った道を覚えるようにできているんだ。」

トヨトヨの技師「自分の走った道路だけじゃない。ルル電気自動車のどれでも一つが走った場所は、みんなに共有されるんだ。それも瞬時にだ。」

トッサンの技師「それを管理しているのは、どのシステムなのさ。」

トヨトヨの技師「まだ、わからないのか?」

トッサンの技師「だって、ルル自動車には、制御システムらしいものが搭載されていなんだぜ。能無し自動車なんだよ。」

トヨトヨの技師「多分、カーナビだ。あのカーナビに、なんらかの秘密がある。」

トッサンの技師「カーナビ?だって、あれは、普通のカーナビだぜ。」

トヨトヨの技師「普通のカーナビかもしれないが、何か、秘密があるとすれば、このカーナビしかないはずだ。」

トッサンの技師「このカーナビに、とんでも秘密があるのではないかということか?」

トヨトヨの技師「まずは、テストを実施しよう。とりあえず、ルル電気自動車に運転手を乗せて、何か、危険があれば、直ぐに停止できるようにして、テストだ。」


---


トヨトヨの技師「おい、トッサンのテストコースまで、間違わずに、ちゃんと到着したぞ。」

トッサンの技師「どうして、初めてのコースのはずなのに、問題なく来れたんだ。」

トヨトヨの技師「自分で移動した場所は、覚えてしまう機能がどこかにあるに違いない。このルル自動車は、地図情報だけは走れないんだ。誰かが、その道を通ったという実績が必要なのだ。」

トッサンの技師「それで、タンバ国と大トンド国では、問題なく走れる理由がそこにあったんだ。」

トヨトヨの技師「それじゃ、このカーナビのプログラムとデータを分析する必要があるな。」

トッサンの技師「じゃ、プログラムのソースとデータを分析するぞ。」

--

トッサンの技師「ふーん。特に、普通のシステムだな。特に高価な装置でもないし、量産化タイプだな。特別な機能はないように見えるが。」

トッサンの技師「うーん。データ量が少し多いかな。ここにタンバ国と大トンド国の地図情報だな。するとこの小さいデータが、トヨトヨとトッサンのテストコースの情報だな。とても少ない情報だな。こんな少ない情報で大丈夫か?何か、圧縮技術があるかもしれないな。ふーん。」

トヨトヨの技師「何かわかったか?」

トッサンの技師「確かに、移動記録データが蓄積されていますね。もし、ルル電気自動車を効率よく走らせるなら、一度町中を走り回って、覚えさせる必要がありそうですよ。」

トヨトヨの技師「もしかして、ルル電気自動車は、ゴロゴロの地図情報に基づいて動いているんじゃなくて、自分の記憶や他のルル自動車の記憶を頼りに走っているかもしれないぞ。ゴロゴロの地図は、人間が場所を指定するための単なるインターフェースにすぎないかもしれない。いや、多分、そうだ。」


トッサンの技師「やったあ。ヤッタアぞ。とうとう、ルル電気自動車の秘密を見つけだぞ。名称はわからないが、走行記憶システムがキーワードだ。」     


トヨトヨの技師「やれやれ、これで、首にならずにすみそうだ。ようやく、報告書が書けるぞ。ルル電気自動車は、一台で走ることはできないが、たくさんあれば、安全に走れるというわけだ。しかも、タンバ国や大トンド国には、このタイプの自動車しか走っていないので、問題が発生しないが、色々なメーカーの自動車が共存しては走らせるとなると厄介かもしれない。安全性を優先するなら、地域ごとにメーカーを統一して、運用するのが良いかもしれないな。例えば、トヨトヨは、北海道、トッサンは、四国みたいに地区ごとに決めてしまうのが必要かな。」

トッサンの技師「国内のメーカーは、それでもいいかもしれないが、海外のメーカーは、それは認めないぞ。」

トヨトヨの技師「ルル電気自動車を日本で、普及させるのは、どうやら、難しそうだな。」

トッサンの技師「販売戦略は、社長たちに任せて、とにかく、ルル電気自動車の秘密を報告するぞ」






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