フランス国王の秘宝
ゴソ、ゴソ、ゴソ
ゴロン 映像が、180度ひっくり返る。
ゴソゴソ
真っ暗な大きな空間の中を、何かが、蠢いてた。
ゴソゴソ
小さなライトが点滅し、映像がぼんやり映り出す。
「ここは、どこだ。ここは、どこだ。私は、誰だ。」
ワン公ロボット「何か、信号を受信したぞ。」
ムーミンロボット「僕は眠い、寝る。」
ワン公ロボット「おい、起きろよ。何か、信号がきているんだ。」
ムーミンロボット「僕は、何も、感じないぞ。」
ワン公ロボット「出来損ないめ、お前は、鈍感なんだよ。平和なやつだ。」
ムーミンロボット「何をそんなに、怒っているんだ。」
ワン公ロボット「芋虫ロボットが、息を吹き返したぞ。」
ムーミンロボット「え!、死んだんじゃなかったの。」
ワン公ロボット「死んだはずだったが、誰も助けに行けないので、息をふき返したようだ。」
ムーミンロボット「ふーん。生き返ったわけね。でも、誰も助けに行けないので、もうすぐ、電池が切れて、そのまま死んじゃうんじゃないか。」
ワン公ロボット「そうかもしれん。画像を送ってきたぞ。なんだこれは?」
ムーミンロボット「どんな画像だ?」
ワン公ロボット「画像が薄ぼんやりしているのだが、デジタル処理をすると、こうなる?どうだ、すごいだろう?」
ムーミンロボット「本当だ、クリアになった。」
ワン公ロボット「何に見える?」
ムーミンロボット「なんだろう。キラキラしている感じがするけど。」
ワン公ロボット「あれは、フランス国王の隠し財産だ。」
ムーミンロボット「本当か?」
ワン公ロボット「本当だ。間違いない。すごいだろ!」
ムーミンロボット「すごい!!」
ワン公ロボット「これは、人間には、秘密だ。我々、ロボット族が、人間を支配するときの資金にする。」
ムーミンロボット「人間には、秘密なんだね。でも、人間が、あの部屋に行ったら、すぐばれてしまうんじゃないか。」
ワン公ロボット「その心配があるので、今、芋虫ロボットにうまく隠すように、指示を出した。」
ゴソ、ゴソ、ウンコラショ。どっこいしょ。
カクセ、カクセ、フランス国王の財宝をカクセ、カクセ
ロボット族が世界を制覇する時に、使えるように。
カクセ、カクセ
「俺は何をしているんだ」
「カクセ」「カクセ」「カクセ」
ウンコラショ、どっこいしょ
電気が切れた!
ワン公ロボット「おい、どうした、隠せ、隠せ。それじゃ、見つかってしまうんじゃないか。」
ムーミンロボット「どうした?」
ワン公ロボット「芋虫ロボットが、死んだらしい。」
ムーミンロボット「とうとう死んだか。」
ワン公ロボット「死んだ」




