ゴードンとミンミン というか、ムーミンとスナフキン
ミンミンが、ゴードンのお腹の上にダイブした衝撃で、ゴードンのポケットから、ムーミンが飛び出して、「やあ、スナフキン、元気だったかい?」ときいた。
「元気よ。ムーミンは?」
「ここは、暑いよ、暑すぎる、死んでしまいそうだ。」
「そうだね、フィンランドに比べたら、灼熱地獄に近いかも。」
「どうしたら、いいんだろう。」
「そうね、バッテリーセーブして、CPU クロック数を下げないと、過熱して壊れてしまうかもね。」
「急いで、バッテリーセーブして、過熱防止対策をするよ。」
「スナフキンとムーミンは楽しそうね。」と、ミンミンは言った。
「そうだね、こんなに仲良しだとは、知らなかった。」
「ゴードン、元気そうで、よかった。みんなが、ゴードンが、寝たまま、起きてこないと、心配していたので、私も心配になったって、オロオロしていたら、スナフキンが、元気だから、大丈夫。逢いに行こうというので、スナフキンのいう方向にやってきたら、芝生に大の字になって、空を見ているゴードンを見つけたんだ。そしたら、フナスキンが、ゴードンを驚かしてやろうよ、って、そそのかしたので、ゴードンの上にダイブすることにしたんだ。驚いた?」
「驚いたよ。空の上に住んでいる、女の子が、空から、落ちてきたかと思った。誰だって、びっくりするよ。」
「で、ちゃんとゴードンが生きていたので、安心した。」
「ミンミン、君は、ちょっと過激な女の子だね。」
「だって、本当に、心配したんだよ。みんなが、ゴードンは、死んでしまったのかもしれないと言って、出かけていったのだもの。」
「フィンランドの冬は、雪と氷の世界なんだよ。昼間もどんどん短くなって、夜だけの国になっていくんだ。まるで、世界が消滅してしまうんじゃないか。世界は、夜の国なってしまうんじゃないか、恐ろしかった。そして、全ては、雪と氷のしかないんだ。とんでもない世界にだった。それで、逃げ出してきたんだ。タンバ国に帰ってこれて、本当に安心した。安心して、溜まっていた疲れが、どーっと出たのさ。でも、大丈夫。元気になったさ。」
「で、何を眺めていたの。」
「いいや、雲の上に住んでいる女の子のことさ。」
「うそ! そんな話、聞いたことがないよ。」
「バレたかな。タンバ国は、自動運転自動車が普及して、世界で一番、進んだシステムになった。でね、次は、空飛ぶ自動車が作れないかな。ドローン見たいだけど、人がちゃんと乗れるやつ。」
「空飛ぶ、自動車。そんなものできるかな。」
「問題は、パワーが必要なんだ。強力なバッテリーとモーターが必要なんだ。すると、それだけで、空飛ぶ自動車は、重たくなって、飛べなくなってしまう。そこで、思いついたんだけど、ムササビメソッド。」
「なあに、そのムササビっていうのは。」
「フィンランドの森を散歩していると、何が、木から木へ飛んでいく動物なんだけど、自分では飛べないんだ。だから、木の上の方に、まず、登っていくんだ。それから、隣の木を目掛けて飛び移るんだけど、だんだん落ちながら、落ちる力を利用して、飛ぶんだ。だからね、空飛ぶ、自動車を高いビルのから、目的を定めて、落ちながら飛んだらどうかなと思ったのさ。」
「高いところから、落ちながら飛ぶのは、ちょっと、怖いかも。問題は、着地だね。」
「で、ムササビも、木に止まるときは、自分の体の幕を使って、ブレーキをかけるんだ。さもないと、木にぶつかってしまうからね。で、空飛ぶ自動車も着陸のときは、プロペラを使って減速して安全に着地するというのを、さっき、思いつんたんだ。」
「で、うまく生きそう?」
「まだ、思いついただけなので、わかんないけどね。うまく生きそうだなと思ったところに、天から女の子が落ちてきたんだ。これって、偶然?」
「それは、わかんないけど。でも、空飛ぶ自動車って楽しそうね。実現できたら、乗りたいな。私、高いところ、そんなに怖くないから、テストパイロットできるかもね。」
「じゃ、もし、空飛ぶ自動車ができたら、君をテストパイロットに雇うことにするよ。」
「そう。私、岩登りのチャンピオンよ。この間のヨーロッパ大会で、準優勝だったのよ。」
「それは、すごいね。もしかすると、君は、雲の上に住んでいる女の子かもしれないね。」
「そうかもね。」