ゴードンの帰国 その2
突然、ポケットの中のムーミンロボットが、ブルブルと震えて、ポケットの中から顔をだした。
「ゴードン、ほんとに帰ってちゃうの?」
「ムーミン、ここは、僕には、寒すぎるんだよ。」
「私にも、ここは、寒すぎるわ」
「じゃあ、僕もつれていってくれる。タンバ国の行ってみたいな。」
「いいよ。そうだ。ノンノも一緒に、行く。」
「私は、エバといっしょよ、エバがいくところに、ついていく。あんたは、ゴードンの携帯なのだから、ゴードンを一緒にいけばいいのよ。」
「そうだね、ゴードン、僕もつれていって。僕にも、フィンランドの冬は寒いから。」
「会社に話して、それから、ロジャー校長にも話して、帰国させてもらうよ。」
ゴードンよりバージルへ
「フィンランドは、雪と氷の世界になってしまいました。こんな場所に、僕は生きていけません。灼熱の太陽がないと、僕は生きていけません。タンバ国に帰りたいのですが、よいでしょうか?」
「ゴードン、そんなに、フィンランドは寒いのですか?」
「バージルには、絶対、想像がつかないと思いますが、すべてが雪と氷の世界になってしまいました。町も山も、湖も、冬です。本当に真っ白な冬なのです。太陽が輝いていないのです。ぼんやりして、暖かくもなんともないのです。まるで、地球が終わってしまうような方向にどんどん、昼が短くなって、夜が長くなっていくのです。地球が、この世界が終わりになりそうな気分です。とても、クリスマスを迎えることはできません。
生きていけるのは不安な毎日です。」
ロジャー校長より、ゴードンへ
「凍えて死んでしまう前に、はやく、暖かなタンバ国へ帰ってらっしゃい。みんな待っているよ。」
「ロジャー校長有難うございます。そういっていただければ、安心して、タンバ国に帰ります。」
エバがTEI社に短信を打った。
「タンバ国の弱点 雪と氷と長い夜」
そして、つぶやいた。#MeToo 私もそうだけどね。