大国トンド国の野望
大統領様は、いつものように、朝早く、無料コーヒー店によって、例によって、ムーンライトをおしゃべりを楽しんでいます。
大統領様「この小説には、名前のついていない登場人物がやけに多くないか?」
ムーンライト「作者の怠慢ですわ。大統領様からも、きつく言ってください。」
大統領様「俺の名前は、いったいなんなのだ?それに、この国の名前はどうなっている?」
ムーンライト「この国の名前は、トンド国ですわ。ルル族の近代化の章に、作者が苦し紛れに考えてつけたと記録されています。」
大統領様「苦し紛れだと。そんな作者には、処刑を申し付ける。」
ムーンライト「あらあら、そんなことをしないほうが、いいですよ。そんな処刑を申し付けると、作者が、どこかで、こけますから。」
大統領様「そうか。それなら仕方あるまい。処刑は、取り下げだ。ところで、わしの名前はどうなっているんだ。」
ムーンライト「大統領様には、とてもふさわしい名前を、ムーンライトが付けてあげましょう。まず、名前占いを調べてと。そうですね。トーゴ トンドニア には、いかがでしょう。トンド国の英雄という意味ですよ。」
大統領様「トーゴ トンドニアか。いい名だ。これにしよう。」
ムーンライト「私にも、素敵な名前を付けてくださったので、そのお礼です。」
大統領様「ところで、ロバートとかいう、変なやつが、大規模農業をやりたいと申請を出してきたぞ。」
ムーンライト「この間、ここに、コーヒーをお飲みに見えましたので、やることも無いようでしたので、私が農業をするように勧めました。」
大統領様「やはり、お前の差し金だったか。お前は、あいつの素性を知っているのか?タンバ帝国の前大統領だ。それが、ナロハに追われたのだ。」
ムーンライト「タンバ国から来たと申していました。クーデータなんか起しても、ナロハに勝てないので、農業をやって、立派な農家にお成りなさいと勧めました。」
大統領様「あいつが、タンバ国から逃げてきたので、いつか、タンバ国を属国にする時の手駒にしようかと、見ていたのだが、どうやら、その夢はあきらめたようだな。」
ムーンライト「大統領様は、そんな野望をもっていたのですか?大統領様は、ちょっと、短気という欠点がありますね。それに、学歴がない、乱暴ものとみんなに思われていますが、頭脳明晰で、アフリカ一の名政治家ですよ。今回の経済発展計画が成功すれば、アフリカの盟主としても地位も手に入りますよ。あの古代歴史をもつエジプトも、政治混乱に見舞われています。大油田のあるリビアも大混乱です。いまこそ、大トンド国の出番です。」
大統領様「武力で、小国を支配する必要などないということだな。」
ムーンライト「やはり、頭脳明晰 アフリカ一の名政治家と言われる素質はおありですわ。」
大統領様「そうか」
ムーンライト「大国トンドの経済を10倍にする計画を掲げ、名演説をおこなった力量は、アメリカ、ロシアの大統領にも匹敵する素晴らしさです。これからも、演説に磨きをかけましょう。よろしければ、無料コーヒー店で早朝に、演説の練習をされても、かまいませんよ。ムーンライト、若造しかいませんから、気兼ねなくできますよ。」
大統領様「演説の練習か?」
ムーンライト「でも、経済10倍計画が成功したら、演説をしなくてはなりませんし、アフリカを纏めてほしいと言われたら、また、演説をしなければなりませんよ。演説は、これからも、何度でもしなければなりません。何度でもすることになるので、練習と実践が一番です。そして、大アフリカ会議、国連、アフリカ経済協力機構など、さまざまな機会に演説が必要になりますよ。」
大統領様「そうか」
ムーンライト「演説が下手ですと、どんなに頭脳明晰でも、評価してもらえないものです。大統領様には、学歴がないというちょっとした弱点があるので、演説には、力を入れて練習したほうがいいのです。難しい言葉が、あまり使わなくても大丈夫です。国民や世界の人々にシンプルで、解りやすいことばで伝えれば大丈夫です。そして、あまり、早口にならず、堂々とゆったりと話になればいいのです。」
大統領様「堂々とゆったりとシンプルで、わかりやすい言葉で、話すのだな。」
ムーンライト「もともと、大統領様は素敵な政治家ですもの、自信をもって演説をすれば、もっと、素敵な大統領様になりますよ。」
大統領様「そうだ。レアメタルの開発は、我が国の自動運転システムの整備と電気自動車の提供を引き換えにドイツの電気自動車会社と提携することにしたぞ。」
ムーンライト「それはよかったですね。我が国を走る電気自動車には、何か、素敵な名前がつくといいですね。ミスタートーゴ」
大統領様「ミスター トーゴか。なんだが、よい、学歴を得たような気分だな。」