わーい、黄色いTiguan もらちゃった。
そして、1週間が過ぎた。
技師「わーい、黄色いTiguan もらちゃった。」
主任技師「約束だがら、仕方がない。男の約束だ。二言はない。まさか、すぐにわかってしまうとは、ゴロゴロ検索恐るべしだな。」
技師「ワダチということばは、日本語の古い概念の言葉なので、一発でわかってしまいました。それに、我々がやっていると同じ意味だと書いてあったので、これは、間違いないと確信が持てました。
それを、一週間、わからないふりをして、時を待つのはたいへんでした。だって、一週間後に答えろと言われたので、早く、答えちゃうわけにはいかないし、わからないふりをしていないといけないので、本当に、死にそうでした。」
主任技師「そうかい、そうかい、そんなに、苦労したんだね。早く、言ってくれてもよかったんだぞ」
技師「そうだったんですか? とにかく、頑張りました。」
主任技師「もっと、難しい問題にすればよかったな。」
技師「難しい問題ですか? 本当に難しいのは、Tiguan かもしれません。Tiguan は、頭がトラで、尻尾がイグアナなんですか?理解に苦しむなあ。むしろ、Tiguanの名前の由来を調べろといわれたら、絶対わからなかったかもしれないな。車のカタログをみても、何も書いていないし、私は、20年もこの会社に勤めていますが、この変てこなぬいぐるみをみたのは初めてです。まるで、地球の生物には思えません。絶対、宇宙生物だと思いました。」
主任技師「たしかに、これは、わが社の公然の極秘事項だったかもしれないな。」
技師「公然の極秘事項ですか?」
主任技師「うーん、問題の選択を間違ってしまったな。Tiguan は、わが社の造語だから、辞書を引いても、絶対出てこない言葉だ。それに引き替え WADACHI は、日本語に古くからある言葉だ。だから、辞書にもある。WADACHI とは、何度も何度も車が通ったことによってできる、道路の溝だ。特に、舗装していない道路では、よくできる溝だ。電気自動車は、その溝の上を走ることで、安全に進むことができるというわけだ。これから、本格的に、電気自動車の生産にかかるぞ。」
技師「エイエイオー!」
主任技師「アラン、画期的な電池のアイデアはないか?最大の問題は、充電する時間だ。これが、短時間にできれば、すごいことになるぞ。」
アラン「すぐには、思いつきませんが、考えてみます。」
主任技師「1時間は切りたいなぁ。できれば、30分、15分、まあ、とにかく、短い方がよい。」
アラン「短い時間で、急速充電ですね。しかも、安くできることですね。」
主任技師「そうだ。価格は、重要だぞ。」
技師「新しい電気自動車の名前、僕が考えてもいいですか。ぜったい、Tiguan より、奇抜で面白い名前を考えてみせます。」
アラン「ドイツ人の誇りを捨て去らないと、絶対、思いつかないぞ。」