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クドー メソットからワダチ メソッドへ

主任技師「アラン。うまくいっているぞ。我々の売っている何千万台、何億台の走行記録を繋ぎ合わせれば、世界中の街を自動運転する道路の情報が、瞬く間に、出来てしまうぞ。どこで、停止したら良いか、どの速度で、カーブを曲がれば、良いか、最適な値まで、割り出すことができる。この情報があれば、他の自動運転システムに、圧倒的な差をつけることができる。しかも、短期間のできるぞ。」


アラン「さすが、クドーメソッドですね。」


主任技師「クドー メソッドという、名前は、ちょっとまずいぞ。我々の世界最高峰の自動運転技術が、少年のアイデアに基づいていることを、公言することはできないぞ。何か、良い名前を考える必要がある。何か、良い名前はないか?」


アラン「ワダチ メソッドというのは、どうでしょうか。ワダチ とは、日本語で、轍という漢字の読み方ですが、荷車などのタイヤがなんども通過して、凹んで出来た溝を言います。まさに、今回の方法を、一言で、言い表していますし、日本語なので、東洋の神秘をまとった不思議さが出ているように思います。」


主任技師「ワダチ メソッド 轍メソッドか。確かに、神秘な感じがするし、ドイツ人や、アメリカ人には、聞いただけでは、意味がわからないし、文字で見ても、意味がわからんところがいいな。」


アラン「この会社の自動車の名前にも、頭がタイガーで、尻尾がイグアナという とても意味不明な想像上で、誰も想像し得ない動物の名前をつけた Tiguan などとふざけた名前の自動車が大ヒットした例もありますもね。」


主任技師「まあ、あれも、とんでもない名前だったな。あれは、誰が考えんだ?ドイツ人の発想とは思えないな。そういえば、ここに、頭がトラで、しっぼがイグアナという動物の縫いぐるみがあるぞ。そうだ、こいつを彼に見せよう」


主任技師「お前、この動物の名前を知っているか?頭がトラで、尻尾がイグアナだぞ」


技師「なんですか、このへんてこりんのぬいぐるみは。子供のいたづらでも、考えない、ふざけすぎたぬいぐるみだな。」


主任技師「やっはり、お前には、ふざけたぬいぐるみにしか見えないか?」


技師「そうでしょう、ふざけすぎていますよね。」


主任技師「この動物の名前は、Tiguan だ。」


技師「どこかで、聞いたような名前ですね。まさか、我が社の名車のTiguan と同じ名前ですか。ますます、ふざけています。いたずらにもほどがある。」


主任技師「そのふざけた、突拍子のない発想が、あのベストセラー Tiguan を生み出したのだ。もう二度と出てこない発想だろうな。いいか、お前は、毎日、このふざけた動物が、この世界に、何千万台も存在している自動車のように思えるように、毎日10分間眺めるんだ。素晴らしい動物に見えるまで、毎日眺めるんだぞ。ところで、新しい自動運転技術の名称が決まったぞ。ワダチ メソッドだ。」


技師「なんですか、そのワダチ メソッドとは?」


主任技師「意味は、自分で調べるんだな。意味がわかったら、お前に、ボーナスをやろう。簡単に、わからないぞ。せいぜい、頑張るんだな。一週間の猶予をやろう。一週間後のこの時間に正解したら、ボーナスをやろう。そうだ、新型 Tiguan をお前にプレゼントしてやる。」


技師「新型Tiguan ですか。すごい。色は、黄色でお願いします。」


主任技師「まだ、回答をもらっていないぞ。アランには、絶対聞くなよ。アラン、教えたら、お前の給料から、この車代を差し引くから、そのつもりで、黙っているんだぞ。」


アラン「お口にチャックですね」


主任技師「アラン、なんだ、それ?」


アラン「さあ、なんでしょうね、言えません。」





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