よし、地図なしで、自動運転車を走らせるぞ
一週間が経過して、ルル市の地図の上には、自動車が走った跡で、真っ黒になってきた。どうやら、ルル自動車会社の自動車は、全ての道路を走り回ったようだ。
主任技術者「アラン、そろそろ、実験をしてみるか。クドーメソッドが、本当にうまくいくのか、試してみるぞ。」
アラン「やってみましょう。」
主任技術者「では、スタートだ。ほとんど、何も計算、制御がないので、CPUをほとんど使っていないぞ。画像分析もしないので、CPUが、ガラ空きだ。」
主任技術者「良さそうだな。よし、クドーメソッドを、我が社の自動運転の中核にしよう。クドー博士に何か、了解を得ておく必要はあるかな?」
アラン「クドーメソッドは、もう、三十年も前のアイデアなので、特許があっても、すでに、切れているはずですし、誰も関心を持っていないと思いますが、何か、問題があるか、ドクター クドーに聞いてみます。」
アランより、ドクター クドーへ
「ドクター クドー ルル電気自動車会社が、クドーメソッドを採用したいと言っていますが、何か、手続きはありますか?」
「アラン君、なんだね。そのクドーメソッドというには?」
「ドクター クドー、工藤博士が、中学生の時に、迷路コンテストで優勝した自動運転技術ですよ。」
「アラン君、あれには、そんな名称があったかね。僕の迷路走行ロボットに懸賞を出した会社は、僕に騙されたと言って、いつも、憤慨していたが、僕のアイディアに、だれかが、研究して、名前をつけたんだな。でも、どうして、アラン君、君が、クドーメソッドについて知っているんだ?」
「工藤博士、だいぶ前に、お酒を飲みながら、子供の頃の話をして、その時、メモ用紙が真っ黒になるくらい、めちゃくちゃの線を引いて、これば、工藤少年の迷路ロボットの秘密だって、話してくれたではありませんか?覚えていません?」
「アラン君、そんな話を、僕がしたかね?覚えていないぞ。」
「工藤博士、結構、酔っ払っていたので、忘れてしまったのかもしれませんね。」
「そうか、他にも、何か、喋っていたかね。」
「おばあちゃんに、いろいろ勉強を教えられたと言っていましたよ。結構、厳しかったと言っていました。それで、記憶力が、相当鍛えられたと言っていましたね。」
「そうか。クドーメソッドには、特許などないはずだ。自由に使って構わないし、単なる考え方なので、問題ない。」
「そうですか。では、ルル電気自動車会社で、特許と商標登録をしてもいいですか?」
「アラン君、君に任せる。うまくやってくれ。」
「ビジネス料は、どうしますか。」
「そうだな、タンバ国の青少年のための奨学金基金に積み立ててくれたまえ。君に任せるから、うまくやってくれ。」
「では、ロジャー校長とバージルとルル市長と相談して、設立してみます。」
「それでいい。では、頼んだぞ。ところで、例の図は、見つかったかね?」
「あの100枚の図ですね。痕跡すらありません。」
「そうか、まあ、引き続き調査をお願いする。もし、見つかったら、ボーナスを出してもいいぞ。」