大統領様、タンバ国の繁栄の秘密のロボットをもらってきました。
ここは、タンバ国のお隣の大統領様と呼ばれる大統領が治める国の大統領執務室での出来事。
大臣「大統領様、タンバ国の繁栄の秘密のロボットをもらってきました。」
大統領様「なんだ、それは。」
大臣「隣国のタンバ国が、あんなに繁栄したのは、実は、このようなロボットの活躍があるからだそうです。ぜひ、こいつから、その秘密を聞き出そうと思いまして、つれてきました。」
大統領様「どこで、そのロボットとやらを手に入れた。盗んできたのか?」
大臣「我が国の科学技術大臣の息子が、この間。タンバ国の世界ロボット博覧会があるというので、行ってきました。そこで、1年間の無料貸し出しをやっていたので、もらってきました。その息子が、言うには、このロボットには、タンバ国発展の秘密が隠されているいうことで、連れてきました。おい、若造、このロボットを動かせ!」
若造「はい、かしこまりました。」
ロボット「お、おはようございます。みなさん、ご機嫌、いかがですか?」
大統領様「なんか、喋ったぞ。気味が悪いやつだ。近づくと、撃つぞ。」
ロボット「初めまして、大統領様、私は、タンバ国のタンバセクレタ社の政治家秘書型ロボットです。まだ、名前がありませんが、つけて、いただけないでしょうか?」
大統領様「こいつが、名前をつけて欲しいと言っているぞ。」
若造「何か、良い名前はないでしょうか?」
大統領様「ムーンライトは、どうかな」
若造「意外や意外、大統領様が、そんな洒落た名前を思いつくなんて、意外、意外すぎる。」
ロボット「素敵な名前をありがとう。きっと、この国は繁栄するでしょう!」
大統領様「この国が、繁栄するというのか、それは、どうしてかな」
ロボット「私たちタンバセレク社のロボットを歓迎してくださる国は、必ず、繁栄します。それは、国が荒れていない証拠だからです。その国に優しさや余裕があるからです。」
大統領様「そうかね?この国は繁栄するかね。何か、アドバイスはあるかな。」
ムーンライト「国家が繁栄するには、秘密があるのです。人々の意欲、希望を引き出すのです。そうすれば、国家は自然に繁栄するのです。」
大統領様「そうか、意欲と希望を引き出すのだな。すると、どうなる?」
ムーンライト「素晴らしい人材が、どんどん生まれます。金持ちや有能な官僚、そして、優秀な政治家も出てきます。」
大統領様「国家が繁栄すると、優秀な政治家が出てくるのか。もしかすると、俺のライバルが増えるということか。俺は、どうなる。」
ムーンライト「選挙で勝てるかどうかは、大統領様が、どのような政治をするかにかかっています。国民に慕われる大統領なら、何度でも、選ばれるでしょう。」
大統領様「お前は、口がうまいなぁ。怪しいぞ。怪しい匂いがしてきたぞ。俺は、次の選挙で、再び、大統領に選ばれるか、言ってみろ」
ムーンライト「未来を断定することはできません。未来を断定すると、自由を失います。未来には、魔物が住んでいます。その領域に踏み込んではいけません。」
大統領様「そうきたか。逃げる気だな。」
ムーンライト「そうではありません。ムーンライトを大統領様の秘書ロボットに採用して、大切にすれば、次回の選挙は勝てると思います。そうなさいませ。」
大統領様「なかなか大した自信だなぁ」。
ムーンライト「未来は断定できませんが、未来を作って行くことができます。洞窟の中の鍾乳石のように、少しづつ、未来に向かって伸びて行くことができます。どうです。ムーンライトを大統領様の秘書ロボットに採用なさいませ。」
大統領様「フーン。まあ、考えておこう。」
ムーンライト「お返事をお待ちしています。今日は、ここで、お暇します。」