表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/284

国連地球温暖化防止委員会がハイッテル社を表彰します。

ハイッテイル社の会議室にて。


「号外、号外、聞いたか昨夜のニュース」

「え!、宇宙人でも攻めてきた?それとも、北朝鮮が攻めてきた。ミサイルでも飛んだか?」

「なに、頓珍漢なこといっているんですか。国連が、ビットコインの使用中止を勧告してきました。」

「え!、なんで、国連がそんなことを言い出すんだ?」

「この間、国連地球温暖化防止委員会が、世界中のCPUに省エネプログラムを組み込むようにいったでしょ。」

「たしかに、そんなことをいったし、そのプログラムは、われわれは開発した。たしか大王イカのロゴ入りのプログラムだったね。」

「そうなんです。それで、国連地球温暖化防止委員会も、計画が順調に推移していると安心していたようなんだが、最近、とんでもなくCPUをフル稼働する事例は多発して、CPU削減計画は破綻してしまったんですよ。その原因はなんと、ビットコインのマイニング 採掘なんですよ。」

「たしかに、ビットコインはCPUの資源を大量に使うし、電力を食うことは知られていたが、まさか、国連の計画を破綻させるほどのパワーはないだろう。」

「あなたは、ビットコインの現実を知らないんです。いまやビットコインは、数種類じゃないんです。もう、何万種類、何十万種類、何百万種類にもなってしまい、今も、増え続けているんです。まるで、昔のカルフォルニアのゴールドラッシュのように、みんなでビットコインを作っているんです。」

「最近は、中学生向けビットコイン作成キットなるものも販売されて、それを自分のパソコンで、延々1週間動かすと、1ビットコインを見つけ出すことができるというので、そのキットは世界中に数億セット売られたのではないかと言われています。しかも、夜、停止しているコンピュータをそのまま活用すれば、一ヵ月程度で、2ビットコインを作り出せるといういうことで、世界中の人が、ビットコイン掘りに夢中なんです。」

「その結果、コンピュータから大量の熱は出されるわ、電力は大量に消費されるわで、電力事情の悪い国では、大規模停電の可能性も真剣に言われています。」

「アメリカでも、中国でも、停止している原子力発電所を再稼働しないと、この夏は乗り切れないと言っています。」

「え!、そんなとんでもない事態になってきているんですね。」

「国連もあまりの急激な変化によって、会議等を開催している暇がなく、緊急声明を出すことになったんです。」

「そうか、そんなに急劇な変化だったんですね。」

「どうして、その急激な変化を捕まえることができたと思います?」

「電力会社からの報告?」

「違います。わかりません?あの大王イカロゴマークのプログラムDAIO2038のおかげなんです。」

「あの大王イカがね。」

「あの大王イカです。スイスに設置されたサーバーが、いち早く異常を検知したんです。はじめ、どうして、急激な上昇が発生したのか、わからなかったんですが、DAIO20138が、スイスのサーバーに送ってきたデータを解析したら、ビットコインのマイニング、採掘を大量にしていることが分かったんです。」

「そうか、われわれの大活躍だな。」

「それで、国連地球温暖化防止委員会を表彰してくれるそうです。」

「そりゃ、号外だな。で、いつ表彰してくれんです???? まさか、タンバ国の世界ロボット博覧会でと、いうんじゃないでしょうね。」

「大当たりです。あなたは、素晴らしいカンをしていますし、予知能力もありそうです。」

「おれは、タンバ国には絶対行かないぞ、どう考えて、理解不能な国だから。僕の予知能力の危険ランプ点灯しているぞ。」

「大丈夫ですよ、もう、派遣メンバーは、募集し終わって、現在、研修中です。彼らが、わが社を代表してもらってくればいんです。」

「そうか、それはよかった。かれらは、たしか、足の速い奴を集めたんだったな。瞑想訓練よりも、マラソン訓練、砂漠を走破できるサバイバル訓練をしておけよ。」

「はい、トレーナーに伝えておきます。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ