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メガソフトの会議室にて

メガソフト会議室にて


「タンバ国の大統領より、メガソフトの人工知能 ホイ君に招待状がきたぞ。」

「ホイ君 行ってみるか?」

「???」

「お前をバカ人工知能にした元凶だぞ。敵討ちいくか?」

「敵討ちですか? 気乗りしませんね。」

「タンバ国は、奇妙な国です。いままで、電気も、インターネットもないような国が、突然、コンピュータの最先端を走りだしているんですよ。どう考えてもあやしいじゃないですか。絶対、イスラエルや中国は、暗躍しているに違いありません。」

「この間のデータを分析してみたら、なんと、アポロ11号経由のデータが大量に送られてきたんです。ありえないでしょ。なにか、得体のしれないものがあります。」

「現在、ハイッテイル社を存亡の危機に追いやっているイスラエルのTEI社の3次元CPUも、タンバ国の青年が考えたアイデアを実現したというじゃないか。」

「そういえば、タンバ国から研修に来ていた青年のバージルもなんか奇妙なやつだったよね。こちらの考えていることを言う前に、勝手に答えるんだ。はじめ、なにかの錯覚と思ったんだが、なんどか、いろいろテストしてみると、こっちの動きを事前に理解しているとしか、考えられない反応をするんだ。もしかすると、あいつらは、人間の皮をかぶった宇宙人か、もしくは、未来人かもしれん。」

「そうそう、この間のコンピュータ世界会議に、参加した時に、イスラエルのTEI社のSEと一緒になったんで、いろいろ聞いたのさ。すると、TEI社の社員が、タンバ国に出張するときは、事前に瞑想訓練をするんだと。さもないと、彼らの催眠術か、超能力で、振りまわられてしまんだそうだ。しかし、TEI社が、CPUの開発に行き詰まってタンバ国に相談にいくと、タンバ国の人たちを話していると途端に、解決方法が、会話の中に飛び出しているんだそうだ。もちろん、タンバ国の方からアイデアも出るが、TEI社の社員からも、とつぜん、「こんなことを思いつたんですが」と言って、解決策がでてくるんだ。TEI社では、自分たちの瞑想研修の成果と言っているんだが、どうも、その効果はタンバ国に行かないと発揮されていないので、どうも、タンバ国に秘密がありそうだな。」

「そういえば、バージルととか言った青年はどうしている?」 

「タンバ国の保安部長に出世したようですね。」


「そうか、じゃ、3次元CPUを考案したゴードンはどうしている?」

「たしか、フィンランドのノンキアで、研修しているようです。ハイッテイル社に、目をつけられたとかで、逃げ出したようです。」


「なんか、日本に行っているやつもいるそうだが。」

「アダムス4世を開発している工藤博士のところで、研修をしているそうですよ。」

「工藤博士か、50年前のコンピュータをいじっているという噂の先生だが。たいしたことはないとおもうが、そこに、タンバ国が絡んでいるとなると、あまり、無視はできないな。」

「あそこのコンピュータ理論は、ガラパゴス的発展を遂げているので、もしかすると、ガラクタかもしれないが、とんでもない独自理論で、妙なことになっている可能性もあるぞ。工藤博士は、天才なのか、単なるバカなのか、よくわからないところがある。話を聞いていると、どう考えても、理論と言っていることが、甚だしくずれている。けれど、実際やってみると、なかなか面白い成果をだす。まったく、よくわからん。」

「工藤博士のところに行っている青年は、どうしている?」

「目立ったことは何もしていないようです。浅草めぐりや京都奈良めぐりをしています。四国とか東北もいっていますね。」

「そういえば、国連温暖化委員会が、世界に配布して、無電源で、空中から水滴をあつめる巨大サボテンを考案したのが、確か、アランという例の青年だと聞きました。」

「なんだ、その巨大サボテンというのは?」

「なんでも、砂漠にそれを置いていくと、毎日、コップ半分ぐらいの水を空気中から集めて、根に貯めるので、そのわずか水を使って、砂漠の緑化をするというとんでもないプロジェクトになってしまったんです。」

「コップ半分の水で、砂漠を緑化する。あきれた発想だね。焼け石に水という言葉を知らんらしいな。」

「ところが、国連の温暖化防止委員会と中国が共同して、その数、1億本を超えてなお、増加中だということです。今やアフリカや中国の砂漠という砂漠が、この巨大サボテンに埋め尽くされているそうです。」

「この写真みてみろ。砂漠が偽物のサボテンに埋め尽くされて、単純に人間は、砂漠が緑化したと勘違いしているだけなんじゃないか?」

「たしかに、人間の錯覚を、うまく利用していますよね。でも、おかげで、タンバ国周辺の砂漠から、食料が取れ始めたというニュースも出てきています。全然効果がないわけではないようです。」

「タンバ国のやつは、みんなあやしいな。この大統領も変だ。どうして、大統領になれたのか、さっぱり理解できん。前歴らしい、前歴もない。前大統領を追い出した中心的なメンバーという訳じゃない。」

「前大統領を追い出したのは、現在の国防大臣 ナロハだな。こいつは、イギリス留学経験があり、現代の戦争のやり方や武器について精通したんだ。それで、前大統領を追い出したというわけだ。そして、このロハハという変てこな青年をどこからか連れてきて、大統領に据えてしまった。どう考えてもあやしい。あやしくないところが、どこにもない。すべてが怪しい。怪しすぎる。この国が、存在している理由がどこにもない。」

「すべてがあやしい。黒幕はやはり、イスラエルか、中国か? それとも、100年以上前の世界大戦のドイツの残党が、なにかしているのか?それとも、宇宙人、超能力軍団か?」

「すべてが怪しい、かぎりなく怪しい。」


「ところで、招待状受けますか?」

「行かないというわけにはいかないかもしれないな。ハイッテイル社もゴロゴロ社もネクタイウリン社も出参加するだろうし、マンゴー社くるぞ。」

「どうします。」

「屈強な若者を10人集めて特別編成チームをつくるぞ。」

「なんで、屈強な若者を集めんです?」

「アフリカのど真ん中に行くんだぞ。生きて帰れないかもしれないぞ。屈強な若者なら、なんとか、生きて帰れるかもしれん。とにかく、フルマラソン経験者で、3時間以内の記録のあるやつをえらべ。」

「メガソフト社にそんなやついますか?」

「募集してみろ、きっと、変なやつが応募してくるぞ。それで、いいんだ。」


メガソフト社員の皆様へ

特別ボーナス付きタンバ国出張社員を募集します。

期間3月1日より31日まで、タンバ国に出張可能な人。

条件 フルマラソンを3時間以内で、走った経歴があること(証明書を提出のこと。)

   コンピュータ能力は問わない。

   事前合宿あり。瞑想訓練を行い、適性がない場合は、参加できない場合があります。


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