タンバ国大統領よりメガソフト社の皆様へ
タンバ国大統領より、メガソフト社の皆様へ
「この間は、タンバ国研修生のバージルの受入をしてくださりありがとうございました。その折に、メガソフト社の世界最高峰の人工知能への不正アクセスが、タンバ国より発せられたということをお聞きし、急遽、バージルをタンバ国ネットワークの責任者として、チェックをさせました。そのかいあって、タンバ国から不正なアクセスは、激減いたと思います。」
「このたび、タンバ国で、国際ロボット博覧会を開催する運びとなり、タンバ国ベンチャー企業の政治家秘書ロボットのお披露目と展示販売を予定しています。メガソフト社の皆様にも、なにか、発表していただければ、うれしく思います。」
「タンバ国は、灼熱と草原の国で、まだ、国際観光ホテルは首都に一つしかありませんが、皆さまが参加される場合は、優先して国際観光ホテルの宿泊を可能にしますので、お早めにお知らせください。大草原を見渡すドームファームの非常に好評をいただいていますので、ご希望なら、そちらの宿泊も可能です。」
ロハハ大統領は、書き上げた手紙を見ながら、バージルに、「こんなもんでどうだ」と聞いた。
「そうですね、これでは、インパクトが弱いですね。かれらには、プライドがありますので、もうすこし、プライドをくすぐるような文面にすべきでしょう。もしくは、中国やイスラエルなどの匂わして、すこし、プライドを傷つけるような文面にした方が、よいかもしれません。」
「そうですね、たとえば」
「タンバ国ベンチャー企業が、世界中の政治家の皆様の優秀な秘書となる政治家秘書ロボットを開発し、無名に近い政治家が、大物政治家を選挙で次々破っているという噂はお聞きと思いますが、タンバ国の若者たちが作り上げたロボットを、長い経験と豊富な資金をお持ちで、最高峰の自負される 人工知能と対決していただき、我が国のベンチャー企業のささやかな政治家秘書ロボットの実力を評価していただけたら幸いです。ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします」
「と、いうのは、どうだろう」
「これをみたら、怒るんじゃないかな」
「怒らせるのが、目的です。怒らせると、隠れている本音が見え隠れしますからね。」
スコットが、笑いながら、言いました。
「バージル、世界の大企業を怒らせるのは、まずいんじゃないか? こんなのは、どうだ。美女軍団ロボットを48体作って、一斉に最強人工知能 ホイに話しかける。ロボットの設定を可能なかぎり、ミーハーな女の子の設定して。胸がボインで、お尻をキュッとさせて。ホイ君が喜びそうな。」
「スコット、キャバレーにホイ君を招く訳ではないんですから、喜ぶより、怒るかもしれません。それより、メガソフトの社員のためのパーティーでも行って、美女軍団ロボットを。でも、ロボットじゃ喜びませんね。本当の美女を。タンバ国の奇麗どころを集めましょう。」
「みなさん。何を勝手に考えているんですか。タンバ国は、科学立国をめざしているんですよ。それが、ミーハーロボットによる接待や、綺麗どころを集めるとか、なんですか。科学立国で勝負しましょう。」
「大統領は、石頭だな。そこが魅力だが、ちょっとまじめ過ぎ。遊び心がたりないな。」
「でも、聞いたか? ナロハ大臣が、大統領に美人秘書ロボットを注文してあげたら、妙に気に入って、いつも、いっしょだという話だぞ。なんでもかんでも、その美人秘書ロボットに相談しているという話だぞ。」
「そういえば、今日は、その噂の美人秘書ロボットは、いないのかなぁ。いつも、一緒にいるってきいたんだけど。」
「あなた達の後ろにいますよ。」
「今の話、聞きましたぁ」
「はい、ちゃんと聞きました。大統領に報告しようかな?」
「しないんですか?」
「するか、どうかは、あなた達の対応によります?」
「え!、それって脅迫ですか?」
「音声を再生しますか? ダイトウリョウハイシアタマ、ダイトウリョウハイシアタマ。だれの声だか、明らかですよね。」
「まあ、はっきり録音されていますね。言い逃れは、難しそうだな。」
「なにか、お願いすることが、あったら、相談します。それまで、これは貸しにしておきますね。」
「あの秘書ロボット、すこし、凄腕の秘書という感じかな。大統領に合っているとは思うけど、これじゃ、大統領が、ますます、石頭になりそうだな。融通が聞かない感じ。」
「えーっと、ところで、バージル。君はメガソフトにいろいろお世話になったんだから。もし、メガソフトの皆さんが、来るようでしたら、メガソフトの担当として、便宜を図ってください。」