タンバ国の発泡スチロールのホテル
タンバ国の国土大臣が、世界ロボット博覧会の案内をもって、ロハハ大統領に駆け込んできた。
「この案内は、ほんとうに行うのですか。国会で審議しましたか?」
「審議することでもないでしょう。タンバセレクタ社と科学技術大学の共催で行いますから」
「そうですか? タンバ国には、ホテルが1つしかありませんが、世界大会ができるのでしょうか。宿泊はどうするんですか?」
「宿泊ねえ。そういえば、ホテルが1つしかありませんね。でも、そんなにこないんじゃないんですか。100名にくれば、大成功です。それに1ヶ月もやるんだから、少しづつ来てもらえばいいんじゃないかと。」
「あのねえ。大統領なにをのんきなことをいっているんですか?」
「ホテルを建設する必要があります。それも、りっぱな国際ホテルが必要です。」
「でも、今から建設するには、すこし、時間が足りませんか?」
「そうですね、いまから、国際ホテルの建設は間に合わないかもしれません。」
「じゃあ、どうするんです。」
「テントじゃだめですか。」
「あの難民じゃないんですから、テントに言うわけにはいきませんね。」
「じゃ、私の家に、5名ほど」
「そんなことでは焼け石に水ですね」
「科学技術大学の寮を開放するはどうですか?」
「いいですけど、一流の研究者や政治家を呼ぶわけでしょ? 絶対、怒ります?」
「じゃあ、どうすればいいんでしょうか」
「ナロハ国防大臣、よいアイデアはありませんか」
「はい、大統領、それに、国土大臣、すばらしいアイデアがあります。」
「どんなアイデアだね。」
「ここに私の秘書 マリー君を連れてまいりました。マリー君が説明します。」
「大統領閣下、それに国土大臣閣下 初めまして、政治家秘書ロボットのマリーと申します。以後、お見知りおきを。」
マロー君が続けて、
「では、解説します。タンバ国は、夏は、猛烈に暑いので、タンバ国の家は風通しがよく作られていますが、冬は寒いという欠点があります。そこで、一軒の家を、発泡スチロール製で作成します。一人から4人程度が生活できる家にします。それを、今回、2000軒ほど、作成します。それを、世界ロボット博覧会会場となる科学技術大学周辺に設置します。とても、すてきな家になります。世界のロボット研究者にも喜んでもらえると思います。イメージを投射します。これは、日本の阿蘇山の麓に作られたドームハウスです。とても美しいですよね。これの技術で作ります。そして、そのまま、科学技術大学の寮にしてもよいし、もしくは、ほしい人に売ってもいいのでhないでしょうか?」
さらに続けて
「データによるととても快適だそうです。それにタンバ国の苛酷な環境にもあっているような気がします。10年ぐらいは大丈夫のようですよ。でも、タンバ国も雨が少ないので、もっと、持つかもしれません。」
「ふーん、そんなもので、喜ばれるかね?」
「大統領心配いりません。大丈夫です。タンバ国の大草原をみれば、どんな人でも、この家の素晴らしさに飲み込まれてしまいます。」
「ね、大統領 マリー君は優秀でしょ。」
「なんだね。この人形のようなものは」
「国土大臣 政治家用秘書ロボットです。マリー君は美人でしょう?」
「まあな。確かにかわいい。おれもほしい」
「大統領もほしいとおもったでしょ。わかります、わかります。口には出しにくいとおもいますが、私にはわかります。すべて、私にお任せください。美人ロボットを手配します。」
「おい、国防大臣、わしの分も頼む。」
「心配しなくても大丈夫です。タンバセレクタ社は、大量生産を開始したようですから。」