ハイッテイル社の会議室にて
ハイッテイル社の会議室にて
「おい、とんでもないニュースを見たぞ。アフリカのど田舎のタンバ国で、世界のロボットの展示会をおこなうとさ。なにを考えているんだろうね?」
「電気も通っていないようなど田舎だぞ。きっと、中国がなにか、仕掛けているにちがいない。」
「イスラエルのTEI社もあやしいな。中国とイスラエルが、絶対裏で暗躍しているに違いない。」
「おいおい、国連の温暖化防委員会まで、巻き込んでいるぞ。」
「それに、この参加費用というのは、なんだ。これで、タンバ国の収入を増やそうというじゃないか?」
「おいおい、ホテルもないんじゃないか。まさか、個人の家に民泊ということはないよなぁ。」
「ありうるかもしれないな。だって、ホテルは、首都に1件しかないぞ。なんだか、漢字がかいてあるから、中国資本のホテルかもしれん。」
「それに一ヵ月間も開催してなにをやるつもりだ。」
「世界ロボット研究者をあつめおいて、中国軍がやってきて、中国に拉致して、世界一のロボット兵器やコンピュータ作らされたりしたら、たまらんな。」
「まあ、そんなことはないんじゃないの。中国で働きたいやつは、中国にいけばいいんじゃ。かれらだって、金はたんまり稼いでいるんだから、無理やり拉致する必要なんてないさ。」
「おれだったら、こうするね。小形の犬型ロボット、猫型ロボットをたくさん作って、来た人全員に、ハイッテル社から、プレゼントですとあげるんだ。すると、とても、かわいいから、机の上とかにおくだろう。その前で、研究者が、コンピュータやロボット技術のアイデアの話を自然にするよね。そのデータを密かに圧縮する。暗号化するので何のデータは判らなくしてしまうんだな。それを毎晩夜中の3時にハイッテル社のサーバーにデータを送信する。ほんの数秒で送れるようにするんだな。すると、どうなるとおもう。」
「そうだね。世界中のアイデアは、苦労せずに、ハイッテル社のサーバーにどんどん貯まる。それを解析すると、世界の最先端のロボット技術がわかっちゃうんだな。」
「それは、グットアイデアだね。早速、かわいい犬型、猫型ロボットをつくろう。手のひらに載るくらいがいいな。800グラムが限度。ムリムリなら1キログラムまでだな。中国人には、パンダ型がいいかもしれない。そうだ。出来がよけりゃ、世界中に販売すれば、世界の情報を瞬時に把握できるぞ。会話機能をつければ、すべての情報をあつめることができる。」
「そうか、情報を無理やり、圧縮しなくても、会話機能をハイッテル社のサーバーで分析して応答すれば、すべての会話を集めることができるな。簡単じゃないか?」
「でも、それって、ゴロゴロ社もリンゴ社も、ネッタイウリン社にやっていることでしょう。」
「そうか、すでにみんなやっているのか、うちは、とんでもなく後発組といわけか?」
「そうなんじゃない。みんなハイッテル社のCPU使ってやっているのに、ようやく、犬型、猫型、パンダ型ロボットをつくるなんて、少し時代遅れかもね。」
「でも、1キログラム未満だったら、売れるとおもうよ。そんな小型のものは、まだないし。」
「大量生産して、タダみたいな値段で売ればいいんだ。」
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「ところで、この10万タンバで、いったいいくらだ。100ドルか、安いじゃないか。すると、1000万タンバ1万ドルか、まあ、そこそこの値段だが、飛行機代と輸送費のほうが、絶対高いぞ。もしかしたら、キャンピングカーも必要かもしれんぞ。だって、ホテルがないぞ。どうするんだ?」
「あの!、私は野宿なんてできませんから!」
「はいはい、わかっています。あなたを野宿にさせるようなまねはいたしません。必要なら専用ジェット機で、いきますので、その中でおすごしください。」
「でも、我々がいく必要なんてありませんよ。どうせ、タンバ国のロボットの宣伝をしようというんですから、体力のある若者を生かせれば、いいんです。」
「そうだよね。そうだよ。それがいい。どうせ、入っている社がネッタイウリン社やマンゴー社でも、ろくな奴を送ってこないに違いですよ。」
「足の速い、屈強な人間を募集しなさい。」